5連敗中の清水エスパルスのサポーターは,いつまで連敗を我慢するべきなのかシミュレーションで求めてみる1
概要
この記事に書いてあること
・マリノスの2018年は今のエスパルスと比べてどうだったのか勝ち点の推移から見てみる
・マリノスの2018年の成績からシミュレータを作成し,マリノスが5連敗する確率と何連敗くらいまでは有り得そうなのか調べる.
忙しい人向けに先に結論:8連敗までは待って良い
はじめに
サッカーにおいて,チームに戦術を染み込ませるためにはプロであってもそれなりの時間を要するらしい.
清水エスパルスの現在置かれている状況はまさにその典型で,我々のようなサッカーの素人が見ていても技術とスタミナが足りていないことが一目瞭然な状況でも愚直にクラモフスキー監督のサッカーを体現しようとして,自滅している.
2019年のチャンピオンである横浜Fマリノスも同様に,2018年には残留争いに巻き込まれ,シーズン終盤まで苦しい戦いをしていた.
この2チームは目指しているサッカーが共通しており,リスクのある戦術をとっているため,戦術が浸透するまではリスクの比重が大きくなって負ける確率が高くなる傾向がある.
言い換えれば戦術の浸透度と順位や獲得した勝ち点が相関を持っており,成績から戦術の浸透度を計算することが可能であると考えられる.
本稿では,横浜Fマリノスの実力の向上を戦術変更の過渡期にあった2018年と2019年の成績を数学的に解析する.また,2018年のマリノスの成績から,清水エスパルスの成績を評価するシミュレーションを行う.
問題設定
本稿では以下の近似を置く.
・マリノスは戦術の浸透度によって勝率が上下する.
(たくさん勝っている時期は戦術が十分浸透している)
・勝敗に相手チームの強さは考慮しない.
・練習試合やカップ戦などの,リーグ戦以外の試合は考慮しない.
2018年と2019年のマリノスの勝ち点の推移を,毎節と日毎に示した図は以下の通りである.
(a)2018年の毎節の勝ち点の推移と,日毎の勝ち点の推移
2018年は
試合数:34試合
日にち:281日
勝ち点:41点
長い中断期間(約2ヶ月)はロシア・ワールドカップの期間を示す.
(b)2019年の毎節の勝ち点の推移と,日毎の勝ち点の推移
2019年は
試合数:34試合
日にち:289日
勝ち点:70点
(c)参考までに2018年〜2019年の図を繋げた図を示す.
合計で
試合数:68試合
日にち:653日
勝ち点:111点
データはJリーグの公式サイトを参考にしている.
2018年
2019年
(間違っている部分があれば,それは僕のプログラミングのミスです)
線形近似
それぞれのグラフを線形近似し,その時期のマリノスが今年であれば勝ち点をどのくらい獲得できるかを予想する.
(A)傾きの調査
まずは単純に開幕節と最終節の勝ち点の差から傾きを求めて線を引く.
(a-1)2018年の毎節の勝ち点の推移と,日毎の勝ち点の推移
毎節の傾き:1.21
日毎の傾き:0.14
(a-2)2019年の毎節の勝ち点の推移と,日毎の勝ち点の推移
毎節の傾き:2.03
日毎の傾き:0.23
(a-3)2018年〜2019年
毎節の傾き:1.64
日毎の傾き:0.17
2019年の後半に勝率が高くので,グラフが全体的に平均の下にあることがわかる.
(B)上振れと下振れの調査
参考までにどの時期に上振れているか,下振れているかを見るために,二乗誤差が最小になる線を引く.
(b-1)2018年の毎節の勝ち点の推移と,日毎の勝ち点の推移
引いた直線は,
毎節:y = 1.18x + 0.05
日毎:y = 0.15x
(b-2)2019年の毎節の勝ち点の推移と,日毎の勝ち点の推移
引いた直線は,
毎節:y = 1.89x + 0.08
日毎:y = 0.23x
(b-3)2018年〜2019年
引いた直線は,
毎節:y = 1.41x + 0.02
日毎:y = 0.14x
(C)ここまでのまとめ
2018のマリノスは1節あたり約1.2ポイントの勝ち点を獲得している.
1日あたりでは約0.14ポイントとなる.
これは2020年の5節までで計算すると,毎節計算では6.0ポイント,日毎の計算では20.44ポイントとなる.
ちなみに実際の成績と比較すると,2018年のマリノスは5節で勝ち点7(3/31),7/18では勝ち点20(16節)だった.
中断期間が長かったため,再開後の2節〜5節のみでも計算すると,毎節計算では4.8ポイント,日毎の計算では2.1ポイントとなる.
長くなってきたので次の記事に分けます.
次の記事ではもう少し細かい期間で線形近似をし,最後にシミュレーションで2018のマリノスが5連敗する確率を出します.
この記事を書いた人: @wina_S_1991
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