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ミュージシャンママアンケート「自粛期間、どう過ごしてる?」結果発表

2020年5月5日(火)~5月10日(日)に、ミュージシャンママ(音楽に関わる仕事をするママ※育休中含む)の皆さんへ、新型コロナウィルスの感染拡大防止のための緊急事態宣言の中、どう過ごしてる?困っていることは何?といった内容のアンケートを行いました。急なお願いにもかかわらず、30名の方にご回答いただきました。本当にありがとうございました。

早速、回答を見ていきましょう。

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回答いただいたミュージシャンママのうち、仕事の形態は多い順からフリーランス、兼業、音楽講師、育休中、事務所所属、となりました。(その他にはバラエティ豊かな音楽関係の職業を記載いただきましたが、個人の特定につながる可能性もあるので詳細の記載は控えます)

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緊急事態宣言の延長が発表された2020年5月4日時点で、家事や育児を協力し合える家族などが「いる」ミュージシャンママは93.3%。残る6.7%のミュージシャンママは「いない」。自分一人で仕事・家事・育児を担うミュージシャンママもいます。

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協力し合える家族が「いる」と答えたミュージシャンママのうち、その家族が「一人」は半数。「二人」が25%、「三人以上」が25%でした。
「一人」はおそらく配偶者と思われます。遠方に住む祖父母や親戚に協力を求めることが難しい状況もうかがえます。

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緊急事態宣言に先駆け、3月2日に全国一斉で小・中学校と高校、特別支援学校の休校が始まりました。一方、保育園や幼稚園・学童などは、緊急事態宣言が出た後も、自治体によって登園自粛/休園のタイミングが異なりました。私も保育園に通う息子を持つ親として、そのタイミングの差がどれくらいあるのか気になっていました。

アンケート結果は「4月7日の緊急事態宣言前」と「4月7日の緊急事態宣言後」で半々でした。「ベビーシッターを続けている」と答えた方を除く全員が、アンケート回答時点で長い方だと2ヶ月間、ほぼ半数の方が1ヶ月間ほど、子どもと24時間毎日、ほぼ外にも出られず一緒に過ごしてきたことになります。まさに家庭内未曾有の事態。

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長引く自粛生活。子どもや家族と24時間毎日、可能な限り外出を控えながら在宅で仕事も家事も育児もこなしつつ過ごさないといけない、しかもいつ自粛が終わるのか先が見えない、という状況は、非常にチャレンジングかつストレスフルです。様々な心配や不安が起きやすいこんな状態にあっても、日本に住む母たちはなかなか「つらい」と言い出せないのではないか、と思って設定した質問がQ5、Q6です。

Q5.「今困っていること・心配なこと」は、複数回答可の質問の中でも回答数が多く、ミュージシャンママたちが多くの不安や心配を抱えている状況が読み取れました。回答では「収束時期が見えないことによる将来への不安」「子どもの教育や心身の成長」が最も多く、「保育園・幼稚園・学校のこと(再開時期など)」や「仕事が減った/なくなったことによる金銭面の不安」「自分もしくは家族の健康」「外に出られない、家族とずっといることによるストレス」が続きました。不安と心配がてんこもり!

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「育児や家事で今ツラいこと」として「音楽にあてる時間が減った/無くなったこと」が最も多い回答でした。育児と家事が通常よりも忙しくなり、音楽にあてる時間が取れない。ライブや練習をするための場所も閉まり、演奏の機会がない。せめて今家でできること=ライブ配信やテレワークセッションをしようにも、音を出せる環境がない。近所への騒音問題になりかねない。

こういった緊急事態下では、ヘッドホン経由で制作・練習できる楽器はさておき、「音を出せる環境の有無」がミュージシャンの音楽活動を左右するなと実感しています。防音室のある家や郊外の戸建て、ミュージション(演奏可能なマンション)に住むミュージシャンは、環境(出音)を気にせず制作や練習に勤しめるので強いです。私も次引っ越すときは家に防音室を作ろうと思っています(貯金する決意)。

音楽の時間以外には「夫や家族の食事を作る回数が増えたこと」「イライラしたり怒ったりしてしまうこと」「子連れで買い物に行けないこと」「節約しなければならないこと」などが続きました。分かる、分かるーー!!うなずき過ぎて首がもげそうです。

また、「在宅ワークしながら子どもをみないといけないこと」「友だちと遊ばせてあげられないこと」「同居家族に気を遣わねばならず、自分のためだけに時間を使えないこと」「運動不足でエネルギー発散の場がないが、家事やお世話に対応する時間に区切りがなく、自分の活動を確保できないこと」といった回答もありました。さらには、「子どもが熱を出しても自宅療養を指示されることが多く、子どもの容態変化を見極めるプレッシャーを一人で背負わなければならないこと」といった切実な回答もありました。

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「欲しい情報は?」という質問には「ミュージシャンが対象となる補助金や給付金の情報」が最も多く、「インターネット配信や映像加工についてのレクチャー」「在宅ワーク時に使える子ども向けコンテンツ」「オンラインレッスン導入についてのレクチャー」が続きました。

コロナ禍で一気に広まった感のあるライブ配信や動画編集、オンラインレッスン、DAW(Degital Audio Workstation。PCで音楽制作するためのソフトウェアなどのこと)や宅録の方法について学びたいというミュージシャンママの意欲がうかがえます。

また「親が立ち会わずに子どもだけで参加できるリトミックのレッスンがあると嬉しい」「子どもの習い事兼託児といったサービスがあれば知りたい」という意見や、「特になし」と答えた方の中には「今は新しい情報を得たいと思えるような時間的精神的余力がない」という意見もありました。

※補助金や給付金については、情報をまとめて別途公開する予定です。

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これまでもWIMJでは、様々なワークショップや座談会を企画してきました。Q8は、今後の企画のためにどのようなニーズがあるかを知るべく設定した質問です。

「有益な情報を配信するウェビナーやワークショップ」「オンライン座談会」にニーズがあるという結果になりましたが、「観客として参加したい」「友人が参加するなら参加したい」「少人数の会であれば参加したい」といった、「出演者よりも参加者側で、参加するなら友人と一緒に、もしくは少人数の場が望ましい」というニーズもあるということが分かりました。今後の企画をより良くすべく活用させていただきます。ありがとうございました。

最後に

回答の他にも、コメントをいくつかいただきました。そのコメントからミュージシャンママたちが置かれた現状がリアルに伝わってきて、「アンケートして良かったなー」と心の底から思いました。そんなリアルを皆様にも共有します。

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「今は普段よりも不安や自信のなさを感じやすいようで、やはり色々とストレスはあります。今の状況からも希望をつないで、なんとか切り替えて、がんばれたらなぁ、と思います。」

「こういった企画はあまり見た事がなく、悩みを話すことがタブーとされる事なのかと自分の中で悩んでいたので、元気づけられるし、日々の生活に変化が出そうで皆さんのアンケートを見ているだけでも、前向きになれそうです。」

「色々あり、音楽活動も億劫になっています。書きたいことも多いのですが、これからの(WIMJの)活動を楽しみにしています。」

「地元にいる音楽仲間が少ないので、どうしても孤立してしまいます。同じ業種の方と、情報を共有したいです。」

「アンケート回答案が具体的で流石!と思いました(リモートで家事が増えたとか)。」

「コロナ禍の影響で音楽のインプットアウトプットが物理的精神的に少なくなったのが悩みですが、コロナの件が無くても育児を自分以外に頼れる人がない人は、ずっと同じ思いをしているのかも、と気づきました。WIMJの活動がそのような状況の人にも広く伝わって、再び音楽に携われるその時までのエンパワメントとなる事を願っています。」

うう、WIMJの活動を応援してくれることが嬉しい。泣けます。そしてこのコメントに共感しかない。コメントを読んだWIMJママチームの中でも共感の嵐が吹き荒れました。みんな、頑張っていこうねーーー!!!

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改めまして、お忙しいところご回答いただきありがとうございました。

ママWIMではインタビューや座談会にご参加いただけるミュージシャンママを募集しています。興味のある方は以下までご連絡ください。
https://www.facebook.com/womeninmusicjapan/

アンケートと文:堀寿々子

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