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黒歴史の1つ、孤独になりすぎた私は

私の中でこれは黒歴史の1つなのだけど。

新卒で地方の支店に配属が決まった私は、非常に孤独を感じていた。友達もいない、知り合いもいない、誰とも遊びに行けない。

大学生のときはサークルも入っていて、アルバイトもなかなかに楽しくて、けっこう人に囲まれていたからそのギャップにも体と心がついてこなかった。

一人も好きだけど、あまりにも一人過ぎた。仕事以外でいい加減、誰かと話したかった。笑いたかった。

そう思った私は、無意識のうちに「〇〇(住んでいた場所) 友達 作る」と検索していた。

検索すると出てくるのは「孤独を感じているならこちらへ」というカウンセリングや病院の案内のほか、社会人サークル、スポーツチームの手作り満点HPなどが出てきた。それらをスクロールしながら眺めていると、1つのサイトが目に留まった。

「友達ができるbar」。

気が付くと、どこにそれがあるのかを調べていて、次の休みの日には「友達ができるbar」なるお店が入っている建物の前にいた。我ながら、この行動力には驚いていた。だがしかし、それほどまでに私は一人であることに飽き飽きしていた。

ちなみに私は元来、お酒が飲めない。そんな私が「bar」にすがるなんて。大丈夫だろうか? だけど、「誰でもフラッときてください!」と書いてあったし、「お酒が飲めなくてもOK☆」とも書いてあったから、それならいいやとここまで来たのだ。

今、私の目の前にあるのは、寂れた古いビル。大きな通りから1本入った路地にあって、いくつかテナントは入っているけれどどれも場末のスナックのよう。

「え..…まじで? まじでここ?」

ビルの横についている看板の該当の階は真っ白で、だけど並んだポスト受けの該当のところにはテプラで「友達ができるbar」と貼ってあった。剥がれかけていたけど。

帰ろうかな。来たはいいけど、すでにそう思っていた。だけど、また一人を過ごすのはもう限界だった。

意を決して私はギイギイ音が鳴るエレベーターに乗った。

(気が向いたらまた続きを書きたいと思う。)

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。