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テーブルヤシの木がくれる、生活の小さな豊かさ

自分の中の大きな変化として、先日小さな鉢植えに入った植物を買った。

よもや、数年前の私が聞いたらびっくりして、私の肩を掴み「正気になれ!!」とでも言いそうだ。それぐらい、かつての私は生活の「+α」に興味がなかった。

シャンプー、柔軟剤、掃除機につけるゴミ袋、サランラップ、それらは私にとって生活必需品。なくては、困る。倹約家の名に恥じないよう、そういった生活必需品は、なるべく安く済ませてきた。

社会人という長い長いマラソンのスタートを切ったばかりだから余裕がなかったというのもあるし、何かある未来のための貯金に力を入れていたのも理由のひとつ。

そんな私がついに、「生活必需品ではないけど、あると暮らしが豊かになる」の代名詞でもある植物を買った。小さな命。私の家には今、私が面倒を見ないと枯れてしまう小さな命がある。

どうして買ったのか、といえば理由は簡単。

一目惚れだ。

昨日、無印良品に行った話を書いたけど、そのときにばちぃっと目に入ってきたのがこのテーブルヤシの木だった。


可愛い。


いつもであれば、パッと視界に入った瞬間、逸らすことができる。ああ、今なんか葉っぱあったな……というぐあいで視界からも、頭の記憶からも消すことができる。(失礼)

だけどその日、テーブルヤシの木を目に入れた私は違った。こういうときによく聞くのが「テーブルヤシの木が買ってほしそうにこっちを見ていた」という状況があるのかなと思う。

でも、私の場合は違う。

鳴ったのだ、私の胸が。きゅんっと鳴ったのだ。私の気持ちが2センチ上に跳ねた。その瞬間、私は自分に言い訳するように「買う理由なんて、これだけで十分じゃない?」と自分自身に言い聞かせた。

レジ袋が有料化した昨今、まさか自分が植物を買って帰ると想定している人は少ないと思う。私もそのうちの1人だったから、 テーブルヤシの木は腕の中に抱えて帰った。

私の歩く振動に合わせて、ゆさゆさ、ふさふさと揺れる葉が可愛い。

家に着いてから、ことあるごとにテーブルヤシの木を視界にいれてみる。テレビを見ながらチラッと。ご飯を食べながらチラッと。掃除をしながらチラッと。寝る前にチラッと。

「これが、生活必需品にはない『豊かさ』なのか……!」と思い知る。

悪くないな、プラスアルファ……

そう思って眠りにつく私。明日もこの小さな命の葉が、私を豊かにしてくれる。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。