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B面がちらりと見えたとき、見せてもらったとき

人のB面や、いつもとは違う、ちょっと砕けたところを見ると一気に好きになってしまう私は、いわゆる簡単な人間なんだろうか。

なんてことを考えたのは、プレイリストのシャッフルで流れてきたRADWIMPSの「泣きたい夜ってこんな感じ」という曲のせい。

RADWIMPSが作る、身近な愛を歌ったり、神様視点の祈りの歌だったり、別れる理由3つあるなら別れない理由100探したりする歌じゃない。

たった、2分。

レコーディング中だったんだろうな。彼らがわいわいと作った歌。いや、歌というほど完成されてない。手作り感、お遊び感満載の、即興曲。

だってもう、笑い声すらも入ってしまっている。

でも、だからこそ「あ〜好きだ〜!」と悶える私がいる。

好きな人たちが、こんなふうに楽しくしてると嬉しい。毎度毎度、新曲が出るたびに心撃たれているのに、こんなふうにメンバーと笑い合う時間があることが嬉しい。ちょっとふざけてて、ちょっと崩れてるリアルな彼らが嬉しい。


漫画でも、単行本の本編後ろについている番外編がけっこう好きだったりする。

男女逆転や、衣装チェンジ、学園だったら、という作者のしたてみたかったが自由に描かれて、「あ〜好きだ〜!」と思う。本編が緻密に描かれていればいるほど、作者のはっちゃけ具合も素晴らしい。

音楽や漫画だけじゃなくて、友達でもそういうことがあると思う。

例えば、元気が取り柄の友達から「実は……」と悩み事がぽろぽろとこぼれたとき。インドアな友達が「このイベントはたなべと行きたくて」と私を誘ってくれたとき。

見えていなかった、私が知らなかったB面がちらりと見えたとき、私の好きメーターの針がぐんっとふれる。


フエラムネについてるオマケを開ける瞬間に近いかもしれない。

フエラムネだけでも、ぴゅーぴゅー音が鳴って楽しいし、美味しんだけど、さらに、この中身がわからないオマケをどきどきしながら開けるあの瞬間。

ころりと出てきたオマケは期待してないものが多かったりするんだけど、でも、あのわくわく感を味わうためだけにこのオマケはついているのかもしれないな、なんて思ったりする。


音楽も、漫画も、友達も、いつもと違う瞬間、見えてなかった中身が見えた瞬間が見えると、私は簡単に好きになってしまうのだ。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。