見出し画像

合同誌を主催したはなし

こんにちは。実は合同誌を主催してました。絵をめっきり描かなくなったと思われてそうですが、掲載する絵を描いてたので創作自体もしてます! 記事のサムネにもしているこちらは、11月ごろ各種SNSにもアップロード予定です。しばし待たれよ!

何度か合同誌や合同企画には参加したことがあり、いつか自分でもと夢見ていました。そんな時渡りに船とでも言いましょうか。私が籍を置くコミュニティで、クローズドのオンラインイベントが開催されることになりました。乗るしかない、このビッグウェーブに。

いろんな方のご協力の甲斐あって、無事に本として発行しました。一般頒布は無いので広くお見せできませんが、なんか色々頑張ってたんだなーと思ってください。

今月は合同誌の主催をやりたいと考えている人の参考になればと、感想や反省点をまとめていきたいと思います。
オープンにして良い情報も含みますが、多くの人が関わっているため大事を取ってイベントについての詳細は伏せてお送りします。ご了承ください。

◆合同誌の概要

  • テーマに沿った作品を収録する物理本(イラスト・漫画・小説など誌面に掲載できればなんでもあり)

  • クローズドのオンラインイベント内でのみ頒布(一般頒布なし)

  • 募集10名

  • モノクロA5冊子

  • 主催の金銭的利益なし・参加者への報酬なし

  • 製本直送「どこでも出版」にて頒布

  • 参加者との連絡はDiscord

◆意識していたこと

判断は主催が下す

運営方法を模索していた時読んだブログに「アンケートを多用するな」というのがありました。何でもかんでもアンケートすると、意見をまとめるのに労力を持っていかれるから、とのこと。なるほど。
それに少数だからと意見が反映されなければ、不満はつのります。責任をしっかり負うという意味でも心がけていました。

「こうしたいんですけどどう思われますか?」より「これのためににアレをしてください」の方がスピーディってことです。そのうえで質問やご意見にはなるべく丁寧に回答を行いました。

最終判断は主催というだけで、人の意見を聞かない訳ではありません。単に私の手間を省くため。そして意見集約や指示を待つ時間を減らし、参加者が少しでも制作に集中できるようにです。

でもこれはひとつの方法でしかなく、参加人数や形態によっても状況は様々でしょう。今回はいい感じに回りましたが、全てに当てはまるわけじゃないですからね!(初手から参考にならねぇ……)

意見を出しやすい雰囲気

ある意味の独裁だからこそ、むしろ雰囲気は大切ということで。対策はしてたつもりです。

①丁寧かつフランクな口調で話すこと
重要なお話やご不便をおかけする際はそれなりの対応を。でもそうじゃない時はSNSの呟きみたいなノリにしてました。つまりいつもどおり。

②クローズ/オープンどちらの場所も用意すること
Discordではお知らせチャンネルとは別に、個別チャットと雑談チャンネルを設けてました。個人的に相談をしたい時もあれば、みんなの力を借りたい時もありそうだなと。実際どちらも活用いただけて嬉しかったです。

寄稿する側ってみんなどのくらい進んだのか、どんなもの作っているのか気になりますよね。全員相互フォローというわけでもないので、普段とは別の集まる場所を用意しました。

③謝りすぎないこと
これは本当に塩梅が難しい。ご迷惑をおかけしたら、きちんと謝るのはそうなんですが、度が過ぎて「これ言ったら主催の心理的な負担になるからやめよう」と思われたらよろしくない。
主催にはなるべく心穏やかであってほしいと、多くの人は思うんじゃないかな。それに問い合わせや意見をする時、求めてるのはしおしおする姿じゃなく、的確な対応ってのがほとんどですからね。

◆よかったこと

ボリューム感

10名にして正解でした。これ以上多いと細かな対応ができず、少なければ寂しい企画になった気がする。力量に合ってたと思います。
イラスト1〜2P、漫画・小説は1〜4Pのページ配分で募集してたんですが、良い感じに表現方法もバラけてくれました(これは運)。最終的に36ページの本になりました。

製本直送が便利

製本直送さんが提供する「どこでも出版」というサービスを利用しました。印刷・通販ページの作成・匿名発送をワンストップで行えます。1冊から作れるので、原稿が出揃った段階で本番と同じ仕様で試し印刷をかけることもできました。

合同誌なんて初めてで、どのくらい捌けるか全くの未知でした(ちなみにサークルだけで180スペース以上と結構な大型イベント)。クローズドの頒布だから手元に在庫が残るのは避けたいが、せっかくなら欲しい人全てに届けたい。

それに、私の本やグッズと同じショップに並べると「こいつの制作物も買わないとかな……」と思う人がいるかもしれません。人様の作品を使って抱き合わせ商法みたいにしたくない。もっとフラットな気持ちで手に取ってほしい。だから、個別に頒布場所が必要でした。

どこでも出版はこれらの悩みをきれいに解決してくれる、実に良いサービスでした。決済方法も豊富だし。おすすめ! また利用させていただきます。

Discordも便利

さすが普及してるだけある。情報をまとめられて、前記のとおりクローズ・オープンどちらの連絡も同じ場所で行える。返事もリアクションで完結できますし。

私は聖徳太子じゃないので、一方向のコミュニケーションを10本抱えてたらキツかったと思います。何より参加者同士が互いの様子や気配を感じられる環境は、私だったら心強いなと思いました。もちろん無理に交流しろとは言いませんけどね。

◆反省点

お知らせのまとめ方には気をつける

これは参加者向けのお知らせについてです。
やっていくうちに特に痛感しました。私が全ての事柄を網羅しているがゆえに、みんながどの程度理解できたかわからない。

実は、提出原稿が一発OKだった人が非常に少なかったんです。必要データ・必要事項が足りず差し戻しが多発してしまいました。考えられる原因は主に以下の2つ。

①情報を小出しにしてしまった
「何がわからないかわからない」状態だったので、原稿が集まりだしてから、見落としがちな部分が徐々に明らかになりました。その都度こうしてくださいとおしらせしましたが、結果確認すべきところが散逸してしまいました。
また、雑談チャンネルでちょこっと話しただけで、正式なアナウンスを忘れるミスもありました。どこを見たら良いか非常にわかりにくかったと思います……。チェック項目を公開したほうが良いですね。

②画像に情報をまとめればよかった
提出原稿の形式を文面だけで説明してしまったのが、さらによくなかった。
思えば印刷所などが原稿の作り方を解説するページって、大抵画像化された説明がありますよね。「タチキリがあるのでこの範囲には重要な情報は避けてね」とか。あれって実はとっても親切。
特に同人誌や印刷に馴染みがなければ、イメージしづらいはずです。それを視覚的に補うことを怠った結果、差し戻し多発に至った可能性は高い。

差し戻し自体はいいんですよ。こっちはチェックするだけですから。でも、手間とご心配をおかけしてしまったのは、本当に私の至らないところでした。謝りすぎないと言っておいてなんですが、正直申し訳なさはひしひしと感じていました。面目ありません。

せめて完成品の進呈はすべきだった

すべての作品には手を動かす労力があり、注力する時間が発生し、今まで磨いたスキルが反映される。創作者たるものそう心得ています。報酬はあって然るべきです。しかし、今回報酬なしだったのにも理由はありました。

まず、募集作品は基本何でもありだったため、報酬設定の複雑化が見込まれたこと。今後定期的に刊行する可能性もあり、最初に失敗できない。

次に製本代金の免除方法。オンイベのため当日会場で完成品を手渡しという方法が取れません。特定人物にのみ匿名発送できるサービスは……送料の負担は……私の発送コストは如何ほどか……10名にミスなく送るには……。

悩み抜いて「むしろ報酬なしのほうがスマート」と思い至ってしまった。これは完全に私の知識、リサーチ、そして頭のリソース不足です。

私が過去に参加した企画も報酬はありませんでした。それについて「金くれ」とは思いませんでたが、完成品は必ず頂いてました。寄稿したのに自分で買うって酷では。こちらとしても心苦しさがあります。
だから次回企画する時は、せめて献本できるようにします。まだ具体案はこれからではありますが……。第一回の参加者様にも、何かしらの形で還元できればと考えています。

おわりに

ここに書いたのはすべて主催側の話です。もしかしたら参加者の方は違った印象を持たれたかもしれません。あくまで私の所感だという点は念押しさせていただきます。

いろいろありましたけど、総合的に見れば、初めてにしてはよくやったんじゃないかな。お疲れ様です。
合同誌の主催は大変です。でも、それを超える楽しさがありました。
なんたって、集まった原稿の素晴らしさよ! 私の呼びかけがなかったら、この世に生まれなかったかもしれない作品の数々。それが今、手元にある。めちゃくちゃ幸せじゃないですか!?

あらためて参加してくださった方、手に取ってくださった方、応援してくださった方に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

そんな訳で今回はこの辺で。雨の多い季節が待ち構えてますのでお身体に気をつけてお過ごしください👋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?