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【イェンダこぼれ話】スニルの髪型の話 / 食事の話

こんにちは、三津名ぱかです!
寒かったり暖かかったりで、何を着れば良いかいまいちわからない日々が続きますね。

今月は更新中の小説「篤き恩寵のイェンダ」のこぼれ話です。ネタバレは特にありません。でも、本編を読んでいただけると、より楽しめると思います。
今回は本編1話の小ネタとなります。
モデルにした土地の風習などをふんだんに盛り込んでいますが、あくまでファンタジー世界であるということは頭の隅に置いててくださいね。念のため。

スニルの髪型の話

スニルは本編内の描写にあるとおり短髪です。実はこれ、イェンダ集落の中では少数派なのです。
ラケをはじめ、男性も多くは髪を長くしていますが、これには標高が関係しています。

高山では空気が薄いため、紫外線が拡散せず平地よりも多く降り注ぎます。ラケたちの肌が褐色なのも、これによるものです。肌が焼けるだけでなく、疲労感を感じやすくなるため、紫外線対策は必須となるわけです。そのため、肌の露出度を自然と下げるようになりました。

歩く時は下を向きがちで、首の後ろは日焼けしやすい場所です。そんなときのために、襟足は長めにしておくのがスタンダードになりました。
ただし、全ての人が髪を長くしているわけではなく、帽子や襟巻きをする人もいます。キービジュの背景に小さく描いてある人や、ラケのお父さんが日除け付きの帽子を被っています。

左:キービジュアル一部  右:ラケのお父さんシェカル

登山用の帽子で、襟首を覆う布がついた物がありますよね。私も幼い頃によく登山に連れて行ってもらいましたが、その時はタオルで首を保護した上から帽子を被っていました。

スニルが髪を短くしたのは、面を着けていると暑いから。動きがめっちゃ激しい上にもふもふまで付いているのでまあそうなるよね、という感じ。
舞い手に指名されてしばらくして「あっちい!」と気付いてバッサリいきました。落描きですが参考として長かった頃の絵を載せておきますね。

髪長いスニル。ハーフアップでした。

長髪には紫外線対策だけでなく、防寒の役割もあります。気候については、また今度書くことにします。

まあ、元々ラケのキャラデザを何も考えずに長髪にして、後付けで考えた設定なんですけどね!
たまには黒髪ロングの男でも描くか〜くらいのノリでキャラデザして今に至ります。

食事の話

ごはんの描写についてめっちゃ語って良いですか?
……いいよ!

イェンダ集落は標高3,500m程を想定しています。気圧が非常に低く、水の沸点は90℃に達しません。料理はきっと大変です。
だから、朝早くから起きて汁物(スープ)を仕込んでる時点で、ラケのお母さんは手をかけてるんですよ。いつもはロティだけだったり、煮なくても作れるお粥などを食べることが多いです。お粥については、またの機会に改めて紹介しようかと!
その時の食糧事情によりますが、基本的に食事は朝夕の2食、間に軽食をつまむことが時々ある感じです。

ちなみに煮込む時は鍋(というか多分土器)に蓋をして、その上に重石を乗せるのが、良い調理法とされています。これによって中の気圧が高まって、火が通りやすくなるのです。原理としては、お釜や圧力鍋に近い感じ。
イェンダの民にとっては、料理が美味しくなるおまじないという感覚でしょうね。原理を知っているというよりは経験則だと思います。

味付けはめちゃくちゃシンプルで、塩と素材の味みたいな感じです。作中で「まろやかな塩気」とあるように、岩塩を使ってます。ここは太古の昔、海でしたから、周辺の山々で採掘できます。
塩は平原でもかなり需要が高く、売れば相当な儲けになるはずなんです。ですが、イェンダの民は山を直接切り崩す行為を畏れ多いと思っているので、必要な分しか採りません。
(塩の交易を行うと多分それだけで集落が成り立ってしまい、織物の出る余地なく「篤き恩寵のイェンダ〜完〜」になりかねないというメタ的な理由もあります)

そして、モデル地のある国はスパイス文化ですが、やはりイェンダではあまり食べられません。おそらく栽培できないでしょうし、買い付けるのも大変です。
また香辛料の効果として、保存期間を延ばしたり、食物が悪くなっても香りで誤魔化せるというのがあります。山の上の方は気温が低く、バクテリアも少ないので、これらの処理をする必要があまりありません。保存食は塩漬けか、干物が主です。

主食のロティはチャパティ(ナンの親戚)みたいなものです。薄焼きで無発酵のパンなので、火が通りやすく手軽なのです。たぶん。

イェンダで織物産業に次いで盛んなのは牧畜です。スニルも牛飼いでしたしね。飼っているのは主に寒さに強く、パワーもあるヤクです。ヤクの乳から作られる乳製品も食べていそうということで、ダヒという発酵乳(ヨーグルト)も出してみました。ただし、本来は水牛の乳で作るものみたいです。

作中に登場する干し肉も、ヤクの肉です。無駄な殺生は好まない気質ではあるのですが、弱ってしまったら食肉としていただきます。そうでもしないと食糧が賄えないという事情もあります。
また、埋葬してもなかなか分解が進まないことも、肉を食べる理由の一つです。気温が低いこと、岩場ばかりで土が少なく、前記のとおりバクテリアもあまりいません。土地も限られるため、食べた方が理に叶うのです。

人間の埋葬も同じ理由で大変なのですが、これはまた今度書こうと思います。食人は行ってないですよ! 念のため!!

おわりに

言いたいことが多すぎて、ばーっと書いてしまいました。話の本筋に関係なくても、細かい部分を考えるのは楽しいです。
他にも色々あるので折を見て書き記したいと思います。

話は変わりますが、5/5のコミティアのスペース出てました。【C24b】です。よろしくね。日本神話創作メインで、できれば新作ポストカードを持って行きたいです(作業未着手)。

それでは今月はこの辺りで。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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