人の世にあるのは果実と蚊の関係
庭で花の写真を撮っていたら、とある否定しようもない事実に気付いてしまった。
あぁ、何ということだ。
知らなければ、見えなければ、気付かなければ、どれ程気持ちを落ち着けていられただろう。
花と果実
人は花のように咲き誇り、果実のように甘く熟れ、己が価値を高めて行くのが普通であり、皆、そうであると考え、そうであろうともがくものだ。
価値を見出された人は気に入られ、周囲に人が集まり、分かり易い表現を使うならば"人気者"になっていく・・・
魅力があり、周囲に多くが集まる人は例えるなら香しい花であり、甘い果実である。見目麗しい蝶や働き者のミツバチが集い、そこには適切なコミュニケーションや共益関係が生まれ、トータルでプラスになっていく。
子供心に皆、そうなっていくものだと漠然と考えていた人も多いことと思う。
追放
他方、魅力が乏しい場合はどうだろうか?
誰も周囲に寄って来ず、孤独になるのだろうか。いや、事実はもっと悪いだろう。
悪意のある相手が代わる代わる寄って来ては食い物にされ、最後には確実に潰されてしまう。
それが現実だ。
さながら葉と毛虫の関係? 違うね。人と蚊の関係だろう。
一方的に吸われ、あまりの痒みにいたたまれなくなり、庭を後にする。
それも1度ならいざ知らず、庭に出る度に刺されていたら足も遠のくというもの。
最後は小さな蚊によって、庭という小さな世界から放逐されてしまうわけだ。
人の世と蚊
そう、我々の周囲にいる人たちは、蝶と蚊のいずれかだ。
どちらも近付いて来るのだが、一緒にいて楽しくないとか、一方的に搾取されてる気がするなら、それは蝶ではなく蚊だ。
近付いてはいけない。
では、翻って自分自身はどうだろう。
蝶か、蚊か・・・?
他者には果実であり、蝶でありたい。
そう頭をよぎった庭での一瞬であった。
おっと・・・痒み止め、痒み止め。と。
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