All roads lead to Rome



「全ての道はローマに通ず」なんと便利な言葉だろう。
思った成果が出せずに落ち込んでる友人、やりたいことがあるのに踏ん切りがつかず一歩を踏み出せない知人に手向ける言葉としてとても重宝する。
言われた方も、何となくやってみよう。もう少し続けてみよう。そんな気にさせられる。
そういう意味から人を前向きにさせるのに有効と言えるだろう。

しかし、ここで少し冷静になって考えてみよう。
最も重要な、この言葉の根幹である「目標を定めて努力すればいつかは報われる」について、本当にそうだろうか?

まず最初に断っておくが、努力を否定しようとしているわけではない。
それどころか、努力無くして何事も為せはしないと考えていることを頭の片隅に置いておいて欲しい。

では、問題の本質は何だろうか?

簡単な話である。
 ・ローマにはいつ着くのか?
 ・ローマに行くことだけが目的なのか?
この2点は目的地設定をする上で最初にじっくり検討すべき重要項目だし、これが無いと話にならないことくらい誰の目にも明らかなんだが、何故か当事者は忘れがちである。

「いつかは」という玉虫色の期限設定では、明確な努力目標やチェックポイント、マイルストーンが設定出来ないため進捗が分からなくなってしまう。
加えて、延々と続く目標の無い継続した努力というプレッシャー、ストレス下では作業効率を著しく低下させることも実証されている。
つまり、「全ての道は」という曖昧なルート設定に加え「いつかは」という無期限設定では目標達成に困難を極めることが自明である。

次にローマに行ってどうするのか?
目標に向かって一歩を踏み出せないケースの多くは、ローマに行くことしか考えていない場合がほとんどでは無いかと思う。
観光に行きたいのか、住みたいのか、はたまた攻め滅ぼしたいのかもしれない・・・これが決まらずに最初の一歩を踏み出すことは出来ないのは当然だろう。

例えば、いつか楽な暮らしがしたい。いつかメジャーデビューしたい。なんてのは曖昧かつ無期限な目標設定の最たるものだろう。

そんなわけでこれからは、友人に「全ての道はローマに通ずというじゃないか。」なんて言葉をかけられたら「あ、期限や目的が不明確なのか!」と気付けるはず。
あとは自分の夢、目標を分析し、期限までにローマにたどり着いて目標を達成出来るよう、自分の将来についてロードマップを作成し、大目標ごとにプロジェクト感覚でマネジメントすれば、期日までにローマに辿り着き、目標も達成出来るだろう。

もちろんそれ相応の努力が必要なのは言うまでもなく、進捗を見ながらタスクや日程の調整もあるかもしれない。
努力をするなら同じ単位時間で最大の成果が得られるよう頭を使いながら進めたいものだ。

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