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絶対に誰でも分かるキーとかスケールの話

 ギター足軽のドクです。
 今回はギター初心者や長期ブランクから復帰した人でも分かるようにキーとスケールについて解説します。

まずは用語の確認

 コードブックや弾き語りの本に出てくるCとかDとか、学校で習ったハ長調とか、あるいはお馴染みのドレミとか…まずは整理しましょう、写真を見てください。

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 同じ音でも様々な呼び方があります。
「ド」と「ハ」と「C」は同じ音を指しているのですが、日本ではなぜか3つの言語が混在しています。面倒ですね(笑)
 これは個人の見解ですが、学校で習う学問としての音楽はヨーロッパのものが多く、商業的(あるいは娯楽的な)音楽はアメリカ経由のものが多いという背景があるのかも知れません。
 弾き語りや仲間とのセッションではCとかDというやり取りが多いです。例えば「C」という記号が出てきた場合、コード(和音)の名前としてだけでなく、キーやスケールの名前としても使われます。
 ここでようやく出てきましたキースケール、前置きが長くなりましたが本題に入ります。

キーやスケールについて

 キーというのはハ長調・イ短調といった「調」のこと。その曲のイメージを決定づける大切な要素です。そして、それぞれの調に対応した音階の並び方の法則があり、それをスケールと言います。
 スケールを並べる時の最初の音が主音となり、それがスケール(キーも同様)の名前となります。
 英語では長調のことをメジャー、短調のことをマイナーと呼びます。キーやスケールを指示する際はメジャーを省略することがあり、上記の例だとハ長調はCメジャー(またはシンプルにC)と呼ばれ、イ短調ですとAマイナーとなるのです。

 また、ふだん私たちが耳にするほぼ全ての曲はキーが決まっています。基本的に曲の最初から最後までキーが変わることはなく、メロディにはキーに対応したスケールが使われます。1曲を通して統一感があり安心して聞いていられるのはそのためです。

キーとスケールはチームとメンバー

 言い換えると、キーとはチーム名のようなものです。
 それぞれのチームには12人のベンチ入りメンバーがいて、そのうち7人がスタメンだと思ってください。そしてスタメンが担当するのは
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」
です。
 そう、ピアノの白い鍵盤が野球でいうレギュラーのポジションのようなもの。皆さんが聞く曲の多くの曲はこの7つの音の組み合わせで出来ています。そして残りの5人のメンバーは黒い鍵盤で、ゲームの戦術よろしく変化をつけたい時に登場します。
 また、曲によってはメンバーをごっそり入れ替え、チームそのものを変えてしまうという手法もあります。これが転調と呼ばれるものです。

ドレミには2通りの解釈がある

 転調して違うチームになってしまっても、担当する場所は同じくドレミファソラシです。ここで違和感を持った人、勘がイイですね(笑)そう、ドレミには2通りの解釈があるのです。

 それを紹介する前に、試しに2カポでいつもの「ドレミファソラシド」を弾いてください。これで弾くとキーはDになるのですが、音に対して大らかな感覚の人には「ドレミファソラシド」と聞こえるでしょう。
しかしこの時、実際に出ている音は
「レ・ミ・ファ♯・ソ・ラ・シ・ド♯・レ」
なのです。面倒くさいですね(笑)

 面倒くさいですが、誰かと音楽のやり取りをする時にすれ違いがあってはいけませんので、楽譜上のそのままの音(実際に出ている音)を読む必要があります。これを「絶対音」とか「固定ド」とか「音名読み」と言います。
 一方でカポをつけた時、便宜上のドレミのことを「相対音」とか「移動ド」とか「音階読み」と言います。
「絶対音ー相対音」
「固定ドー移動ド」
「音名読みー音階読み」
 いちいち言葉を覚える必要はありません、概念を理解するのに必要なだけで、今後これを口にする機会も殆ど無いと思います(笑)

ドレミの法則

 さて、調(チーム)が変わっても同じ法則で動くことによってドレミの秩序が保たれることが分かりましたね。
ではその法則とは何でしょうか。それは「メンバーの距離感」です。

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 鍵盤の絵とギターのネックです、分かりますか?
 12人のメンバーと、その中の7人のスタメンというのをこの写真で表現してみました(笑)

 ギターは開放弦から12フレットで1オクターブというのは知っていますよね?鍵盤の絵に1から番号を書いてしまったので紛らわしいですが、ギターの開放弦は0フレットという解釈です。なので上記の数字から1を引いて…
「0・2・4・5・7・9・11・12」このフレットで弾いてみてください。どの弦で弾いてもドレミに聞こえるはずです。(ここで使ったドレミは音階読みですね)

 どの弦で弾いてもドとレの間隔は1音ミとファの間隔は半音、という風に音と音との間には定められた距離感が存在するのです。今で言うところのソーシャルディスタンスですね(笑)
 この音と音との距離のことを音程と言います。

実際には色んな法則がある

 ここまで理解できましたか?
 相対音で考えるとスケールの理解が比較的容易になります。特にギターの場合はカポを使ったポジション変更も多いので、体感的にも分かりやすいのではないでしょうか。

 低いドから高いドまで鍵盤の白いところだけを弾いた時の距離感の法則をメジャースケールと言います。
 先述した0~12フレットを弾いた時、6弦の場合はEメジャースケール、5弦ならAメジャースケールを弾いたことになります。
 そして実際には色んな種類のスケールがありますが、いずれにしても12人の中から選抜された7人(人数には例外あり)の距離感の法則こそがスケールの正体だったのです。
 

終わりに

 以上、キーとスケールの説明でした。この概念を知ることで、音楽を理解するための手助けになりますし、仲間とのコミュニケーションで共通の言語を手に入れたことになります。
 自分なりに分かりやすく書いたつもりですが、不明な点があれば私に聞いてください。音楽の理論と聞くと堅苦しい感じがしますが、友達と遊ぶゲームのルールや用語だと気楽に考えましょう。
 少しでもお役に立てたなら、スキのボタンを押していただけると励みになります。
 今回、深く触れなかった「和音」と「音階」については別の機会に。

see you folks

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