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【暁月のフィナーレ】FF14が触れてしまったもの

本記事は FINAL FANTASY XIV 暁月のフィナーレ のシナリオに関わるものとなっております。
これから体験されるかたは今すぐブラウザバックしましょう。
ぜひ、ご自身の初体験を大事にしてください!






はじめに

私は「暁月のフィナーレ」のシナリオ全体について、あまり良いものだとは思っていません。
なぜ、良くないと感じたのか。
その要点となるこのシナリオでやっていた凄いこと
「それ、やっていいの?」
と思った点を書いております。


想いの力を説明していくスタイル

詳細な事は忘れ去ってしまっておりますが、
”想いの力が何かに作用して強い力になる”
これをこんなにも明確に説明している。
私はこのような表現をする作品を見たことがありませんでした。
本当に凄い。

こういった類のものは詳細な説明がなく、キャラクター同士の掛け合いや説明不要の演出によって表現するからこそ深みの生まれるものだと思っていました。

蒼天のイシュガルドのラストシーンは正にそれで、なぜここでオルシュファンとイゼルが視えたのかというのを説明するのは完全に野暮なはず。
「本当にそこにいるのかは分からない」
「本当に力を貸してくれているのかすら分からない」
けど確かにそこに見える!
という演出に理屈の外側にある人の繋がりというか説明し尽くせない解釈の広がりがあるものだと思います。

がしかし、暁月のフィナーレではこれを事細かに説明してくれます。
なぜこのシーンでオルシュファンとイゼルが見えたのか、これを説明してくれます。
むしろここでオルシュファンとイゼルを呼ぶために強く想う。みたいなことをします。

ガンダムとか割とそれに近い事してるじゃん!って感じなのですが、あいつらはめちゃくちゃ論理的って感じではないのですよね。というか視聴者が分かるような説明ってのは基本的になく、置き去りにされてポカーンとなること必至。訳わからんどういうことってなります。

ですが、それで良かったんです。

プレイヤーとして何を感じたか

まずラザハン編で”アーカーシャ”という言葉が出てきた時、
「(想いが動かす力?ご都合主義展開に都合の良い使われ方しないといいなぁ)」
と感じざるを得ませんでした。
想いだけで強くなれるなら苦労しないのよ。
想いをぶつけて筋トレとか素振りとかするから皆ルガディンになれるわけですよ。強く想うだけでルガディンになれるんだったら誰も筋トレなんてしません。

そしてエルピスで”デュナミス”という言葉が出てきた時、
「(あ、ガチで存在するのか。)」
となりました。
なんだろう、このどうしようもない虚無感…。

極めつけはウルティマ・トゥーレ
想いで形成されている場所?
想いの力が説明されているからこそ、一周回ってこんがらがります。
「(世界の果てで空間を作り出すことすらできる、想いの力だけでこんな万能な事が起きてしまっていいの?)」
ナンデモアリヤン。

ワクワクがない

もう何でもありじゃん!って気持ちになってしまうとシナリオを楽しもうとするモチベーションは極端に下がります。
ラスボスもどうせ想いの力でどうにかなるよ~という気持ちでシナリオを見るしかありません。
これからどうなってしまうんだろう?どうやって世界を救うんだろう?というワクワクが無かったのです。
結局、想いの力でラスボス倒したような気もします。
※メーティオンが完全に幸せの青い鳥だったのも個人的にはマイナス要素ですね

本日のMVP

というわけで、暁月のフィナーレの圧倒的MVPはこの方
『ゼノス・イェー・ガルヴァス』
です!
世界を救えるかどうか、これは想いの力で解決します。
けれどゼノスとの闘いは違いました。
もはや誰にも手の付けられないヒカセンをより強い”暴力”で倒す!
説明されても結局訳の分からない想いの力なんて忘れて、己の心技体をぶつけ合う。
「勝負」というものに対してゼノスというキャラは非常に真摯ですよね。
まぁ最後の最後に殴り合ったりするのは、少し既視感がありましたがこれはこれでgood ! 
私のプレイヤーレベルだと、あのバトルでギリギリの闘いを体験できたのも良かったです。

もう少しだけ続くんじゃ

記事を書いたあとで自分の感想を振り返ってみると、想いの力まわりは表現が良くないんだろうなぁ、と思います。

ウルティマ・トゥーレで暁のメンバーが消えつつ道を拓いていく展開。
「(メンバーが辞世の句を述べて新しい場所が解放されていく展開がしばらく続くのね。)」
くらいの気持ちで進めていましたが、そもそもこれがおかしいです。
暁のメンバーが消えていってるにも関わらず、メチャクチャ冷静というか感情が動いてないんです。
なぜか?これは漆黒のヴィランズまでの実績が良くないです。
暁のメンバーって死んでるのに生き返るみたいな事、結構経験してるんですよね。
なので今回も「(どうせ最終的には戻ってくるよ。)」という気持ちになってしまっています。

コスト:暁メンバーの消滅
効果:宇宙の果てで空間を作り出す

このコストの部分が機能していないのです。
なので、本当に今までのピンチとは違うんだぞ!!今回はマジで消えるんだぞ!!みたいな表現をしていれば、このシーンも好きになれたのかもしれません。

FIN

世界観とか設定とか理屈とかの説明はバランスが大事ですね。
もっと登場キャラクターの情緒とか考え方が揺らぐようなドラマを描いてくれると非常にありがたいと思う次第です。


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