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野党共闘を失敗だと断じている記事に欠如しているもの #野党共闘 #市民と野党の共通政策

みなさんこんにちは。

 総選挙が終わって各政党をはじめ、さまざまな分野から総選挙を振り返った記事が出されています。その中でも野党共闘に対する厳しい批判が多いように思います。今回はそういう記事をもとに、野党共通政策と野党共闘の現在について考えてみます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/caf10d63d2cfcf9fc745aa17a9b572660c15c488

■ 方針そのものが間違っている共産党
■ 勘違いした立憲民主党
■ 野党共闘はしばらく遠のく

 この記事は乱暴すぎますし、論点というか視点が表面的な気がしました。
まるで日本共産党と立憲民主党をドン・キホーテであるかのごとく断罪しています。ましてや市民連合をよくわからないと言っており、何を目指しているかについても興味すらないというような書きぶりです。まるで総選挙を戦略ゲームであるかのようにとらえている机上の評論となっています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b3330ca96e7d339fe2e99ce890d3b24e60fb38c7

■「選挙は数取り合戦なので、その意味では失敗だったのでは」

しかし、共産党が一緒になったことで、普段は違うのに選挙のときだけ協力することが気に入らない人が多かったと思います。

これらの記事に欠けている視点

 例として二つの記事をあげましたがどちらも大事な視点が欠けていると感じました。おそらくこの記事だけでなく他の総選挙に関する記事も同様の事が言えるのではないかと思います。

選挙で勝つこと、政権を取ることは手段であって目的ではない

 私はこれに尽きると強く感じています。
仕方のないことだと思うのですが、どの記事も選挙戦の状況と結果だけを見て論じており、その背景等については触れられていません。

 ある側面では正しいですし、今後の取り組みの反省点にするべきこともたくさん述べられていると思います。

 しかし、選挙戦で報道されている部分だけをみて野党共闘が失敗だったというのは乱暴すぎる思いますし、私の印象ではコタツ記事じゃぁないの?と疑ってしまします。そのような記事が多いことにも危機感があります。

私たちが目指しているものは何か

 野党共闘を前進させたい私たちが、何のために立憲民主党・日本共産党・社会民主党・れいわ新選組の国会議員を増やしたいのか、なんのために政権交代を望んでいるのかを正面から見つめる必要があります。

 そのおおもとには、

✅9年間のアベ・スガ政治で壊された立憲主義や憲法解釈
✅2回にわたる消費税増税
✅非正規雇用の拡大
✅貧困の拡大
✅国会を開かない
✅国民の声を聴かない議論しない国会軽視
✅国会の場で嘘をつき続け国民を騙し続けてきた態度
✅科学を無視する政治
✅日本学術会議任命拒否
✅徹底したPCR検査をせず無症状感染者の実態をつかまないに
✅オリンピック・パラリンピックの強行
✅急速に進む温暖化をはじめとする環境破壊無視
✅痴漢や性暴力、性的マイノリティーが晒されている現実の無視
✅選択的夫婦別姓の導入を頑なに否定する態度

 コペアヤ先生がこちらで重要な視点でのnoteを書かれています。上記の問題に加えてこの記事から見えてくるメディアの在り方の問題も考える必要があると思います。まだの方は、ぜひこちらの記事もお読みください。


これらを本気でなんとかしたい、変えたいという強い思いから生まれたのが「市民と野党の共通政策」です。

衆議院総選挙における野党共通政策の提言
――― 命を守るために政治の転換を―――

 新型コロナウイルスの感染の急拡大の中で、自公政権の統治能力の喪失は明らかとなっている。政策の破綻は、安倍、菅政権の9年間で情報を隠蔽し、理性的な対話を拒絶してきたことの帰結である。この秋に行われる衆議院総選挙で野党協力を広げ、自公政権を倒し、新しい政治を実現することは、日本の世の中に道理と正義を回復するとともに、市民の命を守るために不可欠である。
 市民連合は、野党各党に次の諸政策を共有して戦い、下記の政策を実行する政権の実現をめざすことを求める。

1 憲法に基づく政治の回復
・安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法などの法律の違憲部分を廃止し、コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対する。
・平和憲法の精神に基づき、総合的な安全保障の手段を追求し、アジアにおける平和の創出のためにあらゆる外交努力を行う。
・核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する。
・地元合意もなく、環境を破壊する沖縄辺野古での新基地建設を中止する。

2 科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化
・従来の医療費削減政策を転換し、医療・公衆衛生の整備を迅速に進める。
・医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの待遇改善を急ぐ。
・コロナ禍による倒産、失業などの打撃を受けた人や企業を救うため、万全の財政支援を行う。

3 格差と貧困を是正する
・最低賃金の引き上げや非正規雇用・フリーランスの処遇改善により、ワーキングプアをなくす。
・誰もが人間らしい生活を送れるよう、住宅、教育、医療、保育、介護について公的支援を拡充し、子育て世代や若者への社会的投資の充実を図る。
・所得、法人、資産の税制、および社会保険料負担を見直し、消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得層や中間層への再分配を強化する。

4 地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
・再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する。
・エネルギー転換を軸としたイノベーションと地域における新たな産業を育成する。
・自然災害から命とくらしを守る政治の実現。
・農林水産業への支援を強め、食料安全保障を確保する。

5 ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現
・ジェンダー、人種、年齢、障がいなどによる差別を許さないために選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。
・ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直すとともに、保育、教育、介護などの対人サービスへの公的支援を拡充する。
・政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。

6 権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する
・森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行う。
・日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する。
・内閣人事局のあり方を見直し、公正な公務員人事を確立する。
                           2021年9月8日
           安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
上記政策を共有し、その実現に全力を尽くします。

 私たちはこれらを実現するために、総選挙で多数の議席を取り政権交代することを目指してきました。

 自公政権+維新では、国民代表である国会でまともな議論が行われてて来なかったからです。

総選挙の結果 市民連合+4党合同総括を求めます

 野党共通政策の実現を目標に総選挙が行われましたがこの視点による総括がどうしても必要です。立憲民主党・日本共産党・社会民主党・れいわ新選組・市民連合がそれぞれこの点について総括することはもちろんですが、私は市民連合+4党合同の総括を求めます。

 そうでなければ、何のために共通政策を発表したのかということになっています。この総括をしなければ、議席が欲しいから共闘を利用したといわれても文句は言えません。

 なにより、支持・支援してくれた有権者に対して失礼極まりない態度であると私は思います。

野党共闘の到達点

 先日、動画の生配信を視聴しながらnoteを書きましたが、これが野党共闘を本気で行った選挙区ではこんなに生き生きとしています。ぜひご覧ください。

 ほかにも統一候補の選挙区で惜しくも当選できなかった選挙区が多数ありました。
表面的な議席数だけを見て野党共闘は失敗だというのは何度も言いますがコタツ記事としか言いようがありません。

 選挙戦を闘う以上、当選を目指すのは当たり前でその先の政権交代を目指すことも当たり前のことです。

市民と野党共闘の到達点

✅野党共通政策の決定から選挙まで2か月しかなかった
✅立憲民主党があえて野党共闘を語らなかった
✅各党の政策と共通政策が別のものに見えた
 共通政策を語らなかったり、党独自の政策を中心に語ったため野党共闘が目指すもの、共通政策の魅力そのものが有権者に広がっていない
✅自公維による日本共産党に対するデマが何度もテレビを通じて流された
✅日本労働組合連合会(連合)による日本共産党との選挙協力、政権協力に対する攻撃があった。
(と言っていいと思います。そもそも労働組合なのに、共通政策については語らず日本共産党との協力を理由に野党共闘に反対する理由がわかりません。大企業寄りで労働者の権利は考えていないことを明言しているかのように見えます。大企業からの収入や利権などでもあるのでしょうか😝)
✅勝利した選挙区では、ずっと以前から市民と野党間で共闘体制があり活動していた
✅共通政策の魅力と意義が幅広い有権者に伝わっていなかった。
✅選挙が単なる政党間の力関係攻防としてしか見えていなかった。

野党共通政策の魅力を広げるには時間が必要

これらの状況を振り返ると、やはり共通政策の必要性と魅力を語るには時間がかかることが理解できました。

✅改めて野党共通政策を最前面に出していくことが重要
✅政党が主体ではなく、私たちが多くの有権者に共通政策の魅力を語る
✅野党共通政策と各政党の政策がリンクしている姿が見えること
✅各野党の総括において目的と手段をはき違えないこと
✅小選挙区で勝利した市民と野党共闘の姿を真摯に学ぶこと
✅自公維によるデマ攻撃を私たちも許さない態度を表明すること
✅立憲民主党・日本共産党・社会民主党・れいわ新選組・市民が相互にリスペクトし、共通政策実現に向けて行動すること

このようなところでしょうか。思いついたらもっともっと追加していきます。

市民と野党共闘の現在位置

 市民と野党共闘の歴史はもう6年になります。今回の総選挙はその経過途中であり、そんな中政権交代を目指そうと意思統一することができた最初選挙でした。

 これまで述べたように成果も課題もたくさんあります。一つ一つに向き合うことが大変重要なことではないでしょうか。

 今回の選挙で、多くの有権者に野党共通政策の魅力が伝わっていないことがわかりました。維新に票が流れたこともその一つですし、そもそも投票率が上がらなかった原因でもあると思います。

いろんな意味で道半ば。立ち位置を認識し歩きだしましょう。

コペアヤ先生からご紹介頂いた日本共産党穀田参議院議員の記者会見を貼り付けておきます。
議席を減らしたのは事実だから野党共闘は敗北と言えるのではないかという記者からの投げかけに明快に答えてます。



こちらの鮫島記者が執筆している記事は、客観的に広い視点で書かれておりなるほどと思わせる部分も多くありました。

https://president.jp/articles/-/51552

最後に

 有権者自身が自分の暮らしと政治が切っても切れないものだと認識できるぐらいに成長する必要があります。決して奢るつもりではありませんが有権者がそのことに気付けるように、成長できるように気付いている私たち自身が共通政策の魅力を発信し続け、語り広げていくことが大切です。

このnoteをご覧になっているあなた自身がどんな形でもいいのでご一緒に語る、発信する人になっていただけませんか?

よろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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