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Battlefield1の思い出

最大64人が2勢力に分かれて戦うFPSゲーム、バトルフィールドシリーズ。

コールオブデューティ、ヘイローと並んで恐らく世界で最も有名なFPSゲームの一角だろう。

このバトルフィールド、略してBF1は
第一次世界大戦のヨーロッパ、アメリカ、東欧とロシアを舞台に様々な国の兵士となって戦う。

ある時は戦火に焼けた街で。
ある時は舞踏室を擁する城塞で。
ある時はガスと泥沼が広がる荒野で。

時に火炎放射器を装備した兵士が。
時に空から威圧する飛行船が。
時に毒ガス弾を発射する戦車が。

互いの勝利に賭けて様々な条件下で、様々なルールの下、壮絶な死闘を繰り広げる。

開発元のEA DICE社が、第一次世界大戦を題材にするにあたって最も重要視したという「第一次世界大戦の雰囲気」をとても上手く引き出した名作である。

私が初めてBFシリーズに触ったのは、確か大学生の時だったと思う。

当時はオンラインゲームを触ったことがほぼなく、遠距離の見知らぬ人とゲームをする事などほぼ初めての状態だった。
精々がモンスターハンターシリーズだったが、あれも4人が最大プレイ人数だったことを考えれば、不特定多数の人間と共に戦う、広義的な意味でのオンラインゲームのデビューは間違いなくBFだった。

当時はオンライン故に起こるトラブルなどを見聞きしてはそのハードルの高さにビビって敬遠し続けていた。所謂食わず嫌いである。

しかし家族から片手間にコントローラーを借りて初めてプレイしたBF1に、自分はあっという間にハマった。

遂にはその為にゲーム機を譲り受け、ゲームを買ったほどである。
それから余暇を見つけては、一人暮らしをいい事に遅くまで、目が疲れてプレイできなくなるまで、ぶっ続けで楽しんだものだった。

そんな青春の詰まったこのゲームも、リリースから6〜7年の月日が経って仕舞えば、かなり過疎化が進んでしまった。
特に据え置きゲームの人口過疎化は如何ともし難く、日本サーバーは2つしか起動していない状態である。

それでも未だに歴代のBFシリーズでもトップクラスの人気を誇るのは、やはりあの没入感、マニアも目を見張る珍武器やクラシックウェポン、そしてそれぞれの武器や兵科の個性が爆発しているからこそだろう。
この作品の後、更に2作の続編がありながら、未だ攻略ウィキにもコメントが更新されPC版や海外サーバーでは少なくない人口を誇っているのだ。

これは素直に嬉しい事だ。
パソコン版に関して言えば、一年ほど前にセールがあったらしく人口が復活したんだそうな。

サービス終了などという言葉は考えたくもないが、あまり人気がなくなればひっそりと消えてしまうかもしれない。
そうならないためにも、据え置き機にももう少しだけ人が帰ってきて欲しいところだが…。

BF1というゲームに関して

第一次世界大戦は、端的に言えばそれまでの戦争とは全く違う、人類が初めて経験するものばかりの戦争であったという。

産業革命以降、加速的に向上した科学技術は、爆薬や蒸気機関や毒ガスを生み出し、それらは軒並み兵器へと転用された。
そうして剣・槍・弓が主体だった頃の戦争の戦力、速力、距離の全てを塗り替えた血みどろの戦場へと変貌させてしまった。
初めて人類が踏み入れた前例の無い残虐な総力戦は各国の想像を絶する被害を生み、後世に残る教訓と軍事技術と深い爪痕を残した。

このBFというゲームは、その前例の無い容赦の無さと雰囲気を大変上手く引き出している。
黒煙と火柱が立ち上がる背景、迫撃砲や戦車砲で抉られた砲弾跡、雨と泥に塗れた陰鬱な塹壕。
戦闘エリア外では列車砲が発射されたり、フランス兵の銃を構えながら斜面を走る影が描写されたりと演出がとにかく細かい。
視界に映る戦場はまるでそこに自分がいるかのようで、FPSゲームならではの没入間を醸し出している。

どの国でも同じ戦車や武装が使えたり、実用化されなかった兵器が使用できたりと、史実との多少の齟齬や食い違いなどありこそすれ、当時の当たり前をゲームとして上手く昇華しているのだ。

兵科には4つの種類が存在する。兵科とはそれぞれの戦場での役目を担う歩兵の種類である。
プレイヤーはいずれかの兵科を選択して戦場へと降り立つ事になる。

  • 突撃兵
    その名の通り、敵の塹壕や拠点に切り込んで制圧したり、敵の戦車を破壊することが求められる兵科。
    まだ車両兵器主体では無い時代のため、彼ら歩兵が最も大きな戦力だった。
    そんな彼らは狭い塹壕で起こる突発的な戦闘に対応できるよう、腰ダメでばら撒ける連射力の高いサブマシンガンを装備している他、至近距離では即死級のダメージを誇るショットガンを持っている。近距離戦は彼らの専売特許である。
    また戦車などに対応するためのグレネードや対戦車用ロケット砲を持っており、戦車ともやり合える戦力を有している。

  • 看護兵
    看護兵は仲間を回復したり、蘇生することがメインの兵士。
    回復用の包帯ポーチを投げ与えたり、救急箱を設置して仲間を断続的に回復できる。
    また強心剤の入っているらしい注射器を突き立てて、斃れてしまった仲間を即座に復活させることが出来る。
    一部の倒され方では助けられないこともあるが、仲間が全滅しないよう立ち回れば不死身軍団を作り上げて防衛を強固に出来る。
    単発のセミオートライフルを担いで、遠近共に万能に戦える兵科でもある。

  • 援護兵
    大型のマシンガンを担いで前線へ向かって掃射し、様々なアイテムで後方からでも仲間を支援する兵士。
    バイポットと呼ばれる、地面に突き立てて銃を固定する足があるマシンガンを持って、即席の固定砲台として迫り来る相手を薙ぎ倒す。
    元々凄まじい量の弾薬を持ち歩いている上に、弾丸やグレネードを補給できる弾薬ボックスを置くことができる。
    他にも迫撃砲で遠くの相手を爆撃したり、リムペット爆弾を置いて建物を爆破したりと幅広い支援を行える。
    中でも重要なのはツールという工具を使えば、味方の戦車や置いてある大砲などを修理できる点だろう。

  • 偵察兵
    敵より優位に立ち回るには、敵の位置を知る必要がある。偵察兵は敵を発見する事に特化した狙撃兵である。
    本作では兵士の上に名前や所属などが表示されないし、服装も当時の戦闘服に則っている為、極めて見つけづらい。
    偵察兵はそんな敵を見つけてスポットする事で味方に敵の位置を共有し、味方と共に相手を追い詰めるのが仕事だ。
    どんな遠くにいる敵にも届きうる程の長射程のライフルを持っていおり、近づかれる前に相手を狙撃して前線にいる仲間を守ることができる。連射できないが、その分の火力が高く、上手く当てれば相手を一撃で戦闘不能に追い込める。
    彼らは味方に沢山の敵の位置を一辺に知らせるフレアガンや対人地雷を設置して、間接的に相手を倒す事も出来る。
    身を守る手段に乏しく、プレイヤースキルが最も問われる兵科である。

この基本的な4兵科を駆使して戦場にを駆け回り、相手を倒したり拠点を奪ってしてチケットを獲得、よりチケットを稼いだ方が勝ちというゲームである。

ステージによっては戦車、装甲車、飛行機、戦艦などがリスポーンし兵士を蹴散らす一助となる。
更にどちらかのチームが劣勢となると、当時使用されていた「巨大兵器」が一度だけ登場する。
それぞれ「飛行船」「装甲列車」「弩級戦艦」「巨大戦車」のいずれかがステージによって出撃してくる。
いずれも強固な装甲に包まれた兵器で4〜6人ほどが同時に乗り込んで弾幕を張り、近づく者を悉く吹き飛ばす火力を持つ。上手く活用すれば逆転勝利も夢では無い。
これらの兵器は普通の銃弾では壊せず、大砲や爆弾といった高火力な武器が必要になる。

史実に則った有名な戦場をモチーフにしたステージが登場し、砂漠、荒野、森林、要塞など様々な場所で戦闘が繰り広げられる。
さらに時間経過で雨が降ったり霧が出たり砂嵐が来たりと戦いに影響するような変化も訪れ、緊迫感を煽る。

このゲームの魅力の一つはやはり、第一次世界大戦時を象徴するクラシックな武器だろう。
今では博物館で飾られているような銃が多数登場するし、中にはクロスボウにグレネードを装填して遠くまで飛ばすクロスボウランチャーなるものもあったりして、時代の古さと流れを感じさせられる。

肝心の銃の良し悪しはその状況に左右される為、一概に言えないという点は面白いところだ。

現代戦でいえば、中距離の武器は火力、連射性で勝るアサルトライフルなどが一般的だが、このゲームはそういった連射武器が黎明期の時代背景。

単純に連写できる武器が強い、とはならないよう工夫が凝らされている。例えばサブマシンガンは跳ね上がりがすごく、乱射するだけでは当たらない。反対にライフルは長距離まで飛ぶが連射は出来ずカバーは効かない。

また弾丸を入れるマガジンも未発達だった事が、逆にバランサーとして機能している。
沢山の弾丸を持てるのは援護兵擁するマシンガンの特権。乱射していては頻繁に弾切れを起こして、その度リロードして隙を晒す事になる。

立ち回り次第ではどんな武器でも敵を倒せるし、逆に立ち回りが悪いとどんなに頑張っても倒されてしまう。
そんなゲームバランスと時代背景を上手く兼ね合わせている。
この理由から基本的にこのゲームでは4種類の兵科のどれかが偏る、という事があまり無い。
戦場を上手く回す為に、割と均等に分かれる傾向にあるのだ。

当然の話だが、今では当たり前の兵器がほぼないし、武器によっては残酷なほど使い勝手が悪いものもある。
現代戦FPSのように便利な移動手段なども乏しい。

そもそも弾が真っ直ぐ飛ばない、銃の反動が凄まじい、携帯できる飛行機への対抗手段が作中一種類など、良くも悪くも昔の兵器をそのままゲーム化しているので下手をすればあっという間に死んでしまう。
仲間がいてもそれ以上の敵が来てあっさり壊滅する事もしょっちゅうである。

それらを31人いる仲間と共に、短所をカバーし合いながら、時には地の利を生かして、時には人数による利を生かして、戦略的に戦うのが醍醐味なのだ。

このように様々な状況に対応しつつ仲間と共に勝利を目指すFPS、それがBFなのである。

これから私が書く記事はそんなBF1で数年遊んでいた私が、ただただ思い出や起こったことを振り返っていくだけのクソ退屈なエッセイである。

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