DeFi回復 FTX崩壊の影響は？

DApps（分散型アプリケーション、通称ダップス)のランキングサイトであるダップレーダー（DappRadar）が発表した最新業界レポートによると、ブロックチェーン業界は11月FTXの崩壊やDeFi（分散型金融）のハッキング・詐欺の増加などに直面したにも関わらず、力強い回復を示している。（詳細）
 
2022年11月、DAppsに接続された1日のユニーク・アクティブ・ウォレット（Unique Active Wallets：UAW）は190万で、10月よりわずかに5％減少したのみである。ダップレーダーによると、UAWの減少幅が少ないことから、先行きが見えない状況であるにも関わらず、ブロックチェーン業界には強い回復力があることがわかる。
 
また、ブロックチェーンゲームのUAWは80万7000で、45%から42%に減少したに過ぎない。ダップレーダーによると、ブロックチェーンゲームのUAWの減少の背景にはDeFiへの関心の高まりがある。
 
BNBのデイリーUAW は月間平均651,669で、最も人気のあるブロックチェーンとして、トップの座を維持した。ダップレーダーはBNBの人気の理由をDappsゲームの多くがBNBチェーン上で開発されており、ゲーマーに人気があるためと分析している。一方、FTXと深い関係にあったブロックチェーンのソラナ（Solana）は先月のFTX崩壊により、デイリーUAWが最も減少した。
 
最も取引されたブロックチェーンゲームはゴッズアンチェインド（Gods Unchained）で、11月には326,592枚のカードが購入され、取引高は1830万ドルを記録した。しかし、これらの数字は前月比でそれぞれ47％減、61％減であることから、ブロックチェーンゲームの分野はFTX崩壊の影響を受けていると言える。この他、人気ゲームのアクシーインフィニティ（Axie Infinity）のNFT取引量は前月比で38％減少し332万ドルにとどまり、売上も37％減少した。しかし、ダップレーダーによると、アクシーインフィニティの取引量はすでに3カ月前から減少していると言う。
 
11月のNFTの取引量と販売数はそれぞれ前月比17.47％減、22.24％減であった。しかし、11月にはエイプコインDAO（ApeCoin DAO）とユニスワップ（Uniswap）という2つの新NFTマーケットプレイスが立ち上げられたため、NFTは今後ますます長期的な資産として投資されていくと予想される。
 
FTXの破綻を受けて、DeFiプロトコルの時価総額は全般的に下落している。DeFiチェーンの王者イーサリアムの11月の預かり資産（Total Value Locked： TVL）は前月比24％減の321億ドルであった。
 
DeFi市場ではソラナのTVLが前月比71％減の3億6600万ドルと大幅に減少し、苦境に立たされている。最も影響が少なかったのはBNBチェーンとアービトラム（Arbitrum）で、TVLはそれぞれ前月比3％減、5％減であった。
 
11月、投資家は詐欺、ハッキングなどの不正行為、取引所の破綻や取引停止などにより合計48億8000万ドルの資金を失った。ダップレーダーによると、今月最大の被害はジェネシス（Genesis）である。2022年は投資家の資金が最も多く失われた1年となった。
 
これらの出来事により、DAppsのユーザーが激減すると思われたが、ダップレーダーの11月の業界レポートによると、ユーザーはネガティブなニュースに慣れてしまったため減少はそれほどではなく、かえって暗号資産業界の底堅さを強調する結果となった。
 
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