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【新説魔法少女:紹介】女子中学生のやべーやつらが死闘と日常の両翼を広げるSRPG

ゲームで新しい仲間が増えるのは嬉しい瞬間だ。新たな戦略がとれるようになりストーリーはより豊かになりさまざまなキャラの成長の喜びが増える。そんな喜びに溢れたゲーム「新説魔法少女」を紹介しよう。本作はフリーゲームでふりーむから配信されている。以前「魔法少女」として公開されたゲームのリメイクだがグラフィック、音楽、UIなどがブラッシュアップされ、新キャラも一人増えて極めて完成度の高い作品となった。今回は始めてこのゲームを知った人にもその魅力を伝えたいと思う。

◯出オチで終わらない怒涛のシナリオ

まずこのゲームを起動して2分ほどで主人公、霧島千代子のイジメが幼馴染の日向遥に飛び火が飛んだことに激昂して5人病院送りにして停学処分されるところからスタートする。ほどなくして魔法少女モノのマスコットのようなネコっぽい宇宙人から街の破壊を阻止すべく戦士として戦うことを頼まれる。こうして女子中学生たちの死闘の日々が始まる。
(一部女子高生、女子小学生男子中学生を含む)
初めは2人だけだが戦士の候補となるキャラは25人もいる。人手が一人でも欲しいので才能のある人物を探し、説得していく。ストーリーの進行上、自動で仲間になっていくのでプレイヤーは戦闘に集中すればいい。

ネタバレかな、とも思ったが今後の展開を考えれば
これすらまだカワイイ方だと判断した…

◯25人様々な視点から死闘に向き合う群像劇

いくら強大な戦士になったといっても話の聞けない怪物との殺し合いには違いない。ときには恐ろしさに泣いたり逃げ出すキャラもいる。戦わなければ町が破壊されるといっても自分の命がかかっている。しかし互いに励まし合い、ときに仲間の戦闘参加について遠慮するよう促したりしながらも、自分たちにとっての戦う理由を見つけていく。そうして等身大の正義を見出していくことが彼女たちにとっての成長につながり、よりチームを強固にしてゆく。

◯殺伐としすぎない女子中学生の日常

命のやりとりだけで埋め尽くされないのが本作のストーリーの素晴らしいところだ。死闘の裏でも学生生活は続いている。彼女たちは勉強、部活、友情に恋愛と青春を謳歌していく。さらに戦士として出会った縁から他校との関わりも増えて様々な友情やハプニングへと発展する。苦しい戦いのなかをそんなドタバタで笑い飛ばせるもまたこのゲームの魅力であり、そんな日常があるからこそ彼女たちは前向きになれる。

◯攻め入る楽しさとやられる緊張感のせめぎあい

SRPGの戦闘場面にも触れていこう。キャラが個性的なら能力も個性的だ。序盤、主人公のわりに攻撃力が低めで体力が高く敵を寄せる挑発のスキルを持つ囮にうってつけの千代子を初め、硬い木のモンスターに炎の有効打を打てる朱莉、守備力にバフをかけられる七海など様々なキャラが仲間になる。

本作は自分のターンで攻撃をしかけたとき、相手からの反撃が半減するという特徴がある。つまりやられる前にやっちまえば被害は少なく済むし、戦闘もサクサク終わる。
しかし、味方は一撃で倒される場合は少ないとしても敵の攻撃を受け続けたままにしておけるほど頑丈なキャラは少なく、囲まれるとあっというまに戦闘不能になる。戦闘によるロストはないが序盤から戦力を失うのは後々大変なのでむやみに突出もさせられない。この一進一退を見極め、各キャラ固有の技で敵の弱点を突き、戦況を切り開いていくのが戦闘場面の醍醐味だ。

戦闘に関するヒントは会話中に出てくることも多い。

◯まとめ

進めれば進めるほど新たな仲間が次々と加わり、ストーリーはより大きく広がり、戦闘は多彩になり、ひとりひとりの成長を楽しむことができる。
そして死闘と日常、攻め入る楽しさとリスク、その両方どちらもたくさんの女子中学生たちとともにぎっしりと詰め込み、新しくプレイする人も改めてプレイする人も満足行くリメイクといえる作品だろう。

総じてキャラの性格と戦闘面での結びつきが強く出ているゲームだ。
中二by…ヒーローものに憧れる榛名七海は技名が漢字四文字に英単語二語で統一されるという…なんというか…「こだわり」がみられる。
ほかにも支援相手がストーリーの展開によって変わっていくなど芸の細かな要素もあるのでときどき確認してみるといい。

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