【Helltaker:感想】いい意味でくだらないゲーム
Helltakerのあらすじはこうだ。
主人公は悪魔っ娘のハーレムを作る夢を見て単身地獄へ向かう。
たったそれだけ。
ゲーム内容もシンプルな倉庫番パズルゲームだ。
指定手数以内に箱を押してゴールへ向かうだけだ。
ゴール後に選択肢から口説き文句を選んで成功すればクリア。
失敗すれば悪魔っ娘に殺されるので倉庫番パズルからやりなおして正しい口説き文句を選びなおす。
…ここまで読んで「くだらなそうなゲームだなあ」と思った?
違う、ホントにくだらないのである。
そもそもパズル自体もスキップ機能があって実績とちょっとした隠し要素を除けばEDまですぐ終わる。
ヒント機能を使っても悪魔っ娘たちが騒ぐばかりで「スキップしろ」とまで言われる始末だ。
ところがこの「くだらなさ」はプレイしていくうちに不思議と好意的な意味に変わっていく。
印象的な選択肢、個性的なキャラ、軽妙なアニメーション、コミカルなBGM。倉庫番という古典的な内容に反して、演出面において妙に気合が入った作りになっている。
「あっ、本気で悪魔っ娘のハーレムのゲームを作りたいんだな…」
という情熱にすこしづつ飲み込まれついつい、その「くだらなさ」に
付き合ってしまう。
パズル自体も絶妙だ。
1面のマップも大きくない、動かせる岩の数も多くないので
「これくらいだったらイケそうだな」
と思わせるデザインになっている。
パズル自体の難易度は少しずつ上がっていくが、
中盤から最後まで大きく情報量は変わっていないので常に「イケそう」な感じがキープされてる。
「イケそう」なものがあるといってしまうのが人の性だ。
落ちそうなクレーンゲームの景品をみたら欲しい物でなくてもやっちゃうし、FPS、TPSで倒せそうならギリギリまでリロードしないし、ターン制シミュで気に入ったユニットなら命中100じゃなくても攻撃する。
俺たちはいつもそう、そしてドツボにはまる。
そして「スキップしろ」と煽られてもやってしまう。
脱ぐ要素はないが脱衣ブロック崩しとかFlashエロゲに近い発想のゲームといえば紳士諸君はピンとくるかもしれない。
エッチな画像くらいすぐ検索できるのになぜゲームを走るのか。
このゲームは餌場へ向かわず、ぶら下げられたニンジンに向かって走る紳士の嗜みを思い出すだろう。
ただそのコンセプトからここまで丁寧な作品が海外からでるとは思わなかった。
(一応DEEP SPACE WAIFUとか全くないわけではないが)
そんなわけで以下に当てはまる人にオススメです。
・無料で2時間ほどで終わるゲームがやりたい。
・カリスマがあるフリしてみんなから絶妙にナメられてるクッソポンコツな地獄の女王にパンケーキを食べさせたい。
・カフェイン中毒の娘が出てくるゲームがやりたい。
・歪んだ恋愛感情を持つ娘が出てくるゲームがやりたい。
・人懐っこい三つ子の犬耳娘が出てくるゲームがやりたい。
・雑で強引な姉貴が出てくるゲームがやりたい。
・COOPキャンペーンの相手に困っているオタクが出てくるゲームがやりたい。
・無駄に真面目で天然な天使も出てくるゲームがやりたい。
・お気楽すぎて攻略を避けるほうが難しい娘が出てくるゲームがやりたい。
・圧倒的暴力を持ちながら容姿を褒めちぎられてオチる娘が出てくるゲームがやりたい。
つまり全人類はどれかに当てはまると思います。レッツプレイ。
英語だけど日本語MODもあるので是非。
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