転倒、捻挫

私の前をとんでもなくゆっくりあるいている2人の高齢女性がいた。何やら楽しそうに話しながら、止まるか止まらないかくらいの歩調で狭い歩道を陣取っているから、せっかちな私、右側の車道に退避して追い抜かそうと、植え込みの小枝をよけて…、よけたつもりが足に何かが引っかかり、ひっころんだ。ドスンと大きな音を立てたのは、手提げ袋が地面にたたきつけられた音。何が起こったのか全く理解できない女性たちは、目を丸くして立ちすくんでいるから、「すいません、手を貸してください」と声を掛けて引き起こしてもらった。幸い自転車も、車も通っていない。
あっけにとられている彼女たちを尻目に、私はすっくと立ち上がりスタスタ追い抜いていった。よかった、膝も骨も壊れていない。出血もない。
いつものようにはいかないけれど、人並みのスピードでわが家に帰り着いたのだが、右足首を少々捻ったらしい。ちょっと痛いし青くなってる、同時に左膝と脛にも擦り傷が…。薬箱をかき回し、以前処方してもらった足首用の大きな湿布を貼った。キズも消毒してガーゼを貼り付けた。
捻挫や骨折の経験が多すぎる私。事の発端はいつもこんな感じなのだ。スマホを見ながらのゆっくり歩きの人や、急に飛び出す何かをよけようとして転ぶ。若いころのイメージで、ホイホイ飛んで歩いたり、急ぎすぎる私がいけないのは分かっている。頭と身体のミスマッチ、思ったより鈍くさくなっている自分を認めなくちゃいけない。
でも、大事に至らなくてよかった。

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