舟木一夫のコンサート

「舟木一夫のコンサートに行ってくれる人いませんか~」
前回の青春ポップスのお楽しみが終わった後、ホールの出口で古くからの会員の女性から呼びかけられた。
舟木一夫? 何と懐かしい響きではないか、「高校三年生」は私が中学三年生の時に流行った歌だ。御年79歳、舟木一夫は昔とちっとも変わらない体型と歌声で、同世代の女性たちを魅了しているらしい。私を呼び止めた彼女も、月に一度はコンサートに通う熱狂的な舟木ファンなのだそう。相模大野のグリーンホールに来るからと随分前からチケットを手配して、楽しみにしていたのに急きょ膝の手術の日程を重なってしまったと。空席にするのは嫌だから、チケットをあげるから行ってきて~と言うのだ。
面白がり屋の私は遠慮なく頂くことにした。2枚あるからだれかに声を掛けよう…。こういうコンサートは初体験だ。子育て時代に同じマンションで苦楽をともにした仲良しグループのLINEに流してみると…。さすが同世代、食いつきがすごい。ただ急な話で都合がつかない人も多い。あれこれやりとりが続いたあと、Yさんから「私行きたい」と遠慮がちなメッセージが届いた。
2年前に旦那さんが急死して、すっかり落ち込んでいたYさん。やっと3回忌をすませたけれど、寂しい、寂しいと言うばかりだった。そんな彼女の「行きたい」の声に、グループ全員が歓喜の言葉を送る。「是非行ってきて、楽しんできて」「報告聞かせてね」
なんてあったかい仲間ではないか。
次の土曜日、彼女と2人で相模大野まで舟木一夫を聴きに行く。


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