狛江と立川

日曜の昼下がり、暑くなる暑くなるという予報のわりには涼しくて、着るものが定まらない。上着を脱ごうかと足を止めた狛江駅の前で、突然声を掛けられた。
マスク姿の穏やかな女性、えーと誰だっけ、とっさには思い出せない。確かに知っている人に間違いはないのだが・・・。なぜ? どうして? というオーラ丸出しで目をぱちくりしている私に、「2年前に娘が狛江に越してきたの」と彼女は言い、隣にいた犬連れの女性に私との関係を説明する。おひとりさまのグループの仲間のひとりだった。しかも、立川でもごくご近所、羽衣町在住同士。立川の人と狛江でばったり会うなんて、ここはどこ?状態だ。もう笑うしかない。2人とも頭が混乱してくる。
私が、今、狛江に住んでいるだという事すら、彼女は認識していなかったはずだから、「なぜ? こんなところに?と思いながら、思い切って声を掛けたのよ」と。二ヶ月に一度くらい、彼女は娘さんのところに遊びに来ているのだって、知らなかった。ふたりとも、立川と狛江を行ったり来たりしているなんて、不思議な縁だ。多摩川をはじめとして、緑に囲まれた住宅地、都心ではないが、田舎でもない。狛江と立川、何となく似ている。どっちも捨てがたい、好きな街である。

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