少女漫画

立川に泊まり続けた理由の1つが、女性総合センターアイム30周年記念事業の基調講演に参加するため。「少女漫画の過去と未来」~30年の変容を考える~というタイトルで、明治大学の藤本由香里教授が話す。少女漫画を通してジェンダー問題の変化が見えるというのだ。
そもそも少女漫画とは何か、少女向けの漫画雑誌に掲載されている漫画? それとも女性漫画家が描いたもの? その定義を質問すれば良かった。私の時代には、「リボン」とか「マーガレット」といった少女向けの漫画雑誌があったのは知っているが、私は読んだことがない。大きなおめめに星が描かれていたり、フリフリのお洋服、王子さまとの恋愛…、そんな話には全く興味がなかった。一世を風靡した「ベルサイユのばら」だって、実際に漫画では見ていない。恥ずかしながら、宝塚や歴史の教科書、情報雑誌などからのつまみ食い程度にしかストーリーを知らない。
少女漫画??? だから今回の基調講演も、参加するつもりはなかった。直前になって、人が集まらないと担当職員に泣きつかれ「それでは…」と、足を運んだというわけだ。
かつては、女の子向けに男性の漫画家が描いていた。登場するのは胸が大きな可愛らしい顔の男目線からの女性、だから面白くなかった。そういう時代から、絵もセリフも構成も、描きたいテーマで自由に作り上げる力のある女性漫画家が増えてきた。さらに、女性が描いた作品を発表してくれる雑誌社が増えたということもある。恋や恋愛、性、結婚という内容ばかりではない。あの「鬼滅の刃」も「ミステリーという勿れ」も、女性漫画家の作なのだと。
それだけでない、いま各局が放送しているテレビドラマは、ほとんど少女漫画が原作なのだって。漫画があって、テレビドラマになって、若い人の考え方や生き方に影響を及ぼし、変わってきたと、藤本教授の話は盛りだくさんだった。
いつまでも夫婦別姓を拒み、家族や家精度にこだわっている自民党の超保守派の人たちは、こういう少女漫画を読んで、若い人たちの現実の姿をもっと知るべきだ。


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