大学講義ワンショット
今の仕事は大学教員です。
朝、1限の講義に行きました。
自民党総裁選挙でも、立憲民主党の党首選挙でも、日本の経済が成長し、雇用が増え、賃金が上がる、という話を聞きたい人が多いと思います。
加藤氏が「所得倍増」、
石破氏が「地方創生」、と言っても、・・・どうかな?
日本経済が活気をとりもどし、高成長国に変身する、とは容易に信じられません。
枝野氏の「ヒューマンエコノミクス」、立憲民主党の各党首候補が「人への投資」「教育」と言うのも、
それが正解なら、どうして今までやれなかったのか? と思ってしまいます。
現代の世界において、成長を刺激(加速)する政策は、容易に形を成さない。
それが、論争を聴いた後に残る、正直な感想です。
イギリスでは、労働党が政権を取りました。ちょっと<立憲民主党>のイメージです。左派は政権を取って何をするのか?
先日は、多くの都市で、極右の扇動する暴動がおきました。
スターマー党首・首相もリーブズ財務大臣も、国民医療サービスNHSの改革や貧困対策を期待されていることに、むしろ極めて慎重な、抑制された姿勢で応じてきました。
改革を進めるなら、経済は改善する前に悪化するだろう、というわけです。
財政引き締めに本気で取り組む。
そして、冬季燃料補助金を打ち切ったことで、多くの支持者を失望させました。
どうしてか?
The GuardianのOpinionで、Jonathan Freedlandはこう考えています。
これは、左派政権になっても、財政赤字を膨張する姿勢は取らない、というメッセージである。
そして、インフレが鎮静化する中で、金利引き下げを促している。
金利低下、住宅ローンの支払いが減って消費を増やす、政府債務の利払いが減って改革のための財源を得る、
安定した政権に対する信頼によって、内外から投資を刺激する。
2カ月たらずで崩壊したリズ・トラスの保守党政権から学んだ、と。
もうすぐ誕生する自民党総裁が、日本の首相になるとしたら、なにをするのでしょうか?
たしかに、移民排斥や人種差別、難民の国外追放を唱え、人種暴動を予言する政党が支持される欧米に比べて、日本の政治は安定しています。
しかし、変化を求める声も強くあるでしょう。
日本の政府は成長戦略が容易にみつけられる、とは、とても思えません。
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