にゃるら-「蜘蛛」感想① そうです。あのコが僕の畏敬する天使様なのです
ゲームNEEDY GIRL OVERDOSEやエッセイで有名なにゃるらさんの初の文芸作品「蜘蛛」を読みました。
とてもステキな作品で読んでいて色と浮かぶ、感想や思考を改めて整頓するため備忘録も兼ねてnoteの方に記します。
願わくばこの文章が作中の終末時計さんの様になっていませんように…
※作品のネタバレを含みます
・あめちゃんと天使と善
にゃるらさんの最近のエッセイは「祈り」などの宗教的な美や善に関する見解や考察ががたくさんあったのですが、今回その辺り代弁一端をニディガの主人公であった「あめちゃん」が務めている様に思えました。
今回のあめちゃんは原作での印象とは違い創作に於ける宗教的な至りに王手を掛けている「超越者」のような要素を兼ねた印象を受けました。
半面、原作でも描写されていた俗世の人間とは異なる道理や倫理で動いている為か古のロックスターの様な破滅的な振る舞いも見れて菩薩と夜叉の様な2面性が今作でより明らかになり更にあめちゃんが好きになりました。
これらの要素は原作のニディガでもルートによっては持ち合わせていた精神的内面なのか、または主人公の視点を通して美化された表象なのか…
作中で主人公のかなちゃんに仏学的な宗教や善悪を説く重めの主題を軽妙な会話劇や描写に落とし込んでいるのがとても美しい
教会のあめちゃんには荘厳さと畏敬の念を感じずにはいられない…
やっぱり超てんちゃんは天使なんだ…
そうです。あのコが僕の畏敬する天使様なのです
原作ゲームでは感じなかったあめちゃんの新たな要素は尺や媒体の都合上描写しきれなかった部分なのか、それとも作者であるにゃるらさんが至った新たな境地なのか
今回の作品の作風がとても好きなのでにゃるらさんがこのまま創作と美の化身になってより洗練された作品が読めるのはファンとして嬉しい半面、作中で描かれる美や善の至りへの思想は相当に過酷なので心配にもなる...
心が2つある...
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?