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選ばれるために必要だった2つのブランディング

名もなきライターさん。

フリーランスのライターなら、一度は聞いたことのある人ではないでしょうか?noteのマガジンやサロンなどを運営、ランサーズで上位に表示されているライターさんです。

最近まであんまりネットの表面上での関わりはなかったのですが、実は一年ほど一緒にお仕事をさせて頂いています。自分でもびっくりです。なんで名もさんが、私のことを目に留めてくださったのか…

今回は、名もさんとのやりとりから発見したことを書いてみます。

一年前の私の状況

ちょっとだけ売り上げが立ってきたかな?というくらいの、まさに駆け出しでした。安定性もないし、画力もそんなにあるわけじゃない。ただ気力とやる気だけで走ってる、というなんとも先行きの不安な状態でした。諸先輩方に仕事を教わり、学びながら仕事を探しつつ目の前の仕事に取り掛かる…そんな毎日。

応援してくださる方もいれば、「1年後に果たして生きてるかどうか」と懐疑的な方も、「やっぱり就職して安定した生活を送った方がいい」と真剣に考えてくださる方もいました。他から見た私は、おそらく「若さと勢いだけでなんとか凌いでる」風に見えたことでしょう(実際、今もそんな節はあるんだと思います)。

ある時、イラストレーターを探していた名もさんにリプで突撃したことがありました。別にそれまで関わりがあったわけでもないし、なんなら初めまして状態です。その時の私は、ある「仮説」を胸に仕事を探していました。

名もさんはその時、おそらく「イラストレーターいないかなあ」みたいなツイートをされていたのでしょう。そこにおりゃおりゃーと突撃した私は、まあ当然のように、敢えなく撃沈しました。他の方が採用されたのです。

(なんで採用されたの?)

画力が足りないのは重々承知していました。経験も足りない。実績もほとんどない。何も足りてるものがない。
最初から競争に勝ち目の薄い私は、それでも勝ちたかった。
悔しかったので、「応募を締め切られたのを拝見しました。お仕事が良い方向に運びますように。もしまた何かあればご相談ください」とメッセージを送りました。
不採用の際にもらうメッセージを「お祈りメール」と呼ぶのなら、これはいわば「逆お祈りメール」。不採用になった私が送りました。これがビジネス的に正しいのかどうかはわかりませんが、その時の私はとにかく必死で悔しくて、もし次があるなら…そのわずかな可能性にすがっていました。

後日、私のところにメッセージが届きました。差出人は、名もさん。…名もさん?この前不採用だったのに?

このご連絡こそ、その後一年間お仕事をご一緒させていただく最初のやりとりでした。名もさんは「イラストが上手だから」と言ってお仕事に誘ってくださいましたが、疑い深い私は「いや絶対違う」と妙な確信を持ちました。

だって世の中にこんなにもたくさんイラストレーターが存在して、私に声がかかる理由って何?前回応募したから?そんな都合のいい話ってある…?
実績が豊富な人、絵柄をたくさん持っている人、とにかく画力が高い人…それぞれ特徴を持ってそれが評価されているなら、私の特徴はなんだ?

しかし、その場では理由を尋ねることはできませんでした。「なんで採用してくれたんですか?」って訊く勇気がありませんでした。どんな現実を直視することになるのか、未知の怖さゆえだったのかもしれません。

「なんで私なの?」という疑問を胸の奥にしまって、そこからお仕事をずっとご一緒してきました。

で、聞けないまま一年が経った

いやいい加減聞けよ…!!!

分かっています。本当なら一年前に聞くべきことでした。でもなんだかんだで機会を逃し続け、後回しにし続けたらいつの間にか一年経ってた…!

こりゃいかん、今後のためにもちゃんと聞かないと!意を決して、名もさんに聞きました。なんで私だったのか?彼女の回答はとても明快でした。

選ばれる理由は逆算して作る

①イラストの清潔感
②提案力

この二つだと、名もさんはさらっと答えてくれました。

…実はこの二つ、ある「仮説」を元に一年前の私が狙って作り出した特徴そのものでした。(のちに私はこれがブランディングであったことを知ります。)

①の清潔感は、ビジネスに使うイラストとして良い意味で万人受けする絵柄で勝負する、と決めた際に生まれた特徴でした。
強烈すぎる個性は逆に嫌う人も出てくるから、程よく「普通」に、でも無個性なものは選ばれないので程よく特徴的に見えるように。ビジネスマンに選ばれやすいであろう絵柄」で、自分に描ける絵柄ってなんだろう?と言う視点で構築されたのが、それが今の私の絵柄です。何気なく描いてる風を装って、実はごりっごりの人工物。線や色なども、自分で決めた設定に則って描いています。
逆に、上記に添わないような絵は極力描かないようにしました。趣味で描いていた頃はがっつりゴシック風でダークファンタジーな世界観が好きだったのですが、なるべくその絵柄の露出は控えるよう心がけました。

そして②は、仕事の本質を教えてくださった師匠のような方の強い勧めで、意識した特徴でした。
「言われたことをただやってるだけじゃ、他の競合との戦いになる。戦わないで勝つには、提案力を鍛えなさい。相手はイラストが欲しいんじゃない、イラストによって起こる何かが欲しいんだから、その本質を見失うな」
本質が見えれば、相手が求めていることが見える。すると相手が求めている未来に近づくために必要なイラストがなんなのか、逆算できるようになる。その力があれば、どんなに高い画力を誇る人とも、比較にされない段階でこちらが選ばれるようになる。

…まあ、最初聞いた時は「なるほどー」とは思っても本当の意味でそれを理解できていたかは微妙でしたが…

でも、生き残るのに必要なスキルであるとは思ったので、とにかくどうすれば相手がより良い未来に辿り着けるか、というところを真剣に考えるようにしていました。どうすれば相手はより良い未来を迎えられるか?そのために自分ができることはなんなのか?それを考えて相手に伝えることが「提案力」である…そう仮説を立てて、その通りにやってみようとしました。それが一年前のこと。

で。

ものの見事に、その仮説は正しかったことが、名もさんからの言葉で立証されたようでした…絵柄の清潔感と、言われたことをやるだけじゃなくて提案ができること…

理想的な回答を頂いて本当にありがたい限りです。ありがたや…ありがたや…!

イラストを使うことで実現する未来

例えば、イラストを見た人が喜んでくれること。
例えば、イラストによって商品やサービスのイメージが伝わること。

「こういうイラストが欲しいから、描いて」という依頼から一歩踏み出して、「将来的にこういう風になりたいんだけど、あなたに何ができる?」この問いに、自分の考えの軸を持って答えることができること。
それこそが弱小イラストレータである私に必要なことなんだ、そう心から確信できることができました。

働いていると、どうしても目の前の作業で手一杯になったり、自分の実績のことや収入のことばかり気にしてしまったり…そんなことが多々あります。
自分のことで精一杯になってお客様の求めるものが見えなくなってしまう…そんな失敗を何回も繰り返して、その度に凹んで、悔やんで、次は!次こそは!と思って試行錯誤してはや1年。
仮説はきっと間違ってない、と今なら自信を持って言えるようになりました。

少しづつ、お客様が求める未来にたどり着くお手伝いができる人に近づいていきたいな、なんて思います。

名もさんからコメント掲載OK頂きました↓

私がはこしろさんにお声がけしたのは、直感的に、
スキンケアとイラストの相性がいいと判断したからです。
スキンケアサイトにイラストレーターさんおらんかなと、自分がいただいたDMを探していたのですが
イラストのチャームが高くて、直感的にぴったりだと思いました
そのあと、私が、イラストの指示出しがわからないといったときに
「記事読みましょうか?」といってくれましたよね
そのときはもう、ずーっとはこしろさんで全部いくつもりだったんですか
ますますありがたいなと思った次第です!
第一選択は純粋に画力ですね!

曰く、発注に慣れてくると、どのコンテンツにどの絵柄が合うのか、が分かるようになってくるのだとか。発注者目線のお話もいつか詳しく訊いてみたなー、なんて思いつつ、今回はこの辺りで筆をおきます。

(で、なんでこんな記事を書いたかって?本当は名もさんのコメントにあったスキンケアサイトの「ハダノリソウ」の自主PRをするつもりで書いてたんですよね!!!!でもなんかそんな雰囲気じゃなくなっちゃった????おっかしいなー…(^^;)

頑張って書いてみました!もし良ければサポートよろしくお願いします!