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2022年夏のウイスキー投資は何が起こっているのか?

春から初夏にかけて、当サイトでは「ウイスキーの値段が上がる」と予想しました。8月も後半になり振り返ってみると、確かに正規販売店の値上げや、長期熟成ウイスキーを中心に品切れが目立っています。

全てのウイスキーの値段が上がったわけではなく、春先をピークにして二次流通価格が下がり続けている国産ウイスキーも存在します。そこで、現在なにが起こっているのかを、図解にしてまとめてみます。

ウイスキーの価格を左右する原理は主に5つあります。

1.円安と円高の進行

①は最も理解しやすいです。
現在は1ポンド162円ですが、円安が進行して仮に1ポンド=200円になったとします。すると、1ポンド=100円の時と比較して商品の仕入れ価格が2倍以上になってしまいます。

過去に逆のことが発生しました。
実際に2007年には1ポンド=240円でしたが、2011年には119円にまで円高になっています。すると240万円だった商品が119万円で買えることになります。

この影響は「円/ポンド」だけではありません。例えば円/ポンドのレートが変わらないとしても、米ドルや人民元に対して極端に円安が進行すると、日本にある在庫が外国人に買われてしまい国内在庫の値段が上昇します。
逆に円高進行すると、アメリカなどからウイスキーを輸入すると安いので並行輸入で利ざやを得ることができ、国内価格が収まります。

2.流通量の増減

これも分かりやすいです。ウイスキーは少々特殊で、スコッチウイスキーの場合は製造してから早くとも8~12年経たないと製品になりません。最近でこそNAS(ノンエイジ)などビンテージ表記ないものが増えてきましたが、毅然10年以上のシングルモルトが人気です。

ウイスキーには世界的なブームがあり、人気の無い頃に少ししか製造していないと、人気の出たときに流通量が不足します。山崎18年が分かりやすいですが、18~20年前の原酒を用いるので今慌てて作っても、四半世紀経たないと市場で販売できません。

そのため、流通量が多くなれば価格が収まり、需要に対して少ないと価格が上昇します。ウイスキーではありませんが、ワインのロマネ・コンティは世界中の富裕層が買い集めるのに、年間たったの5,000~6,000本しか作ることができないため高級外車価格で売買されているのです。

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2008年より趣味で『ウイスキー収集』を続けるうちに、ボトルの価値が100倍以上になるものが出てきて驚きました。そこで独自の手法で、ウイス…

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