強い美女、ノートをはじめる。
わたし、ふゆこさん。
モデルとか役者の勉強をしながら、ライターをしていた。
そう、過去形。
去年、カクシンハン・スタジオというところで一年間シェイクスピアを演じる勉強をしている間に
某Lからはじまるページにログインすることもままならなくなり(気持ちの面で)
追い討ちをかけるようにコロナがはやって、所属していた芸能事務所がなくなってしまった。
つまり、じんわり一年ほどかけて無職になってしまった。
無職、何回目やろか…
■家族
では、なぜ食うに困っていないのか。
それは結婚しているからである。
もう事務所もなくなってしまったし、いいかな。
事務所NGで結婚していることを公表していなかっただけで、わたしは大学を辞めるとともに結婚した。
もうずいぶん前の話だ。
夫はとてもいいやつで、顔がちょっとラブラドールレトリバーに似ている。
一時期あんまり痩せていて、うちの母に
「アウシュビッツに収容されてたん?」
と真顔で聞かれていた。
確かに痩せるとユダヤ系ドイツ人のような顔になる。
そのユダヤ系レトリバーはプロ向け通信電話受付みたいな仕事をしていて、このコロナ禍において
「世の中がほぼ一斉にリモートワークになるサポート」
かなにかしていたらしく大変忙しかったらしく
夜勤の上に残業
という苦行をこなし、文句も言わず風呂に入り、風呂を自分で洗い、ご飯を食べ、食器を自分で洗って片付ける、そしてうにゃうにゃといいながら朝のへんな時間からベッドに入る、というような暮らしをしていた。
六月いっぱいはこのライフスタイルらしい。
コロナウイルスは意外なエッセンシャルワーカーを生んだな、と感じる。
そうだろう?
■ねこ
夫のほかにも同居しているやつがいる。
ねこだ。
去年の10月に保護施設から貰ってきた。
「保護猫」というやつで、とにかくめちゃくちゃ顔がいい。
推定3歳、雄、雑種。
名をひゃくのすけという。
ゴールデンカムイのスナイパーの名前だ。
強い子になってほしい、といいながら既に病院の常連と化している。
物を壊さないし、爪も切らせてくれる、風呂にも入ってくれる、ちょっと心配になるくらい、いい子だ。
コロナでわたしが外出自粛になったのを最も喜んだのはこの毛玉であることは間違いない。
ものすごく人に甘えるタイプの猫である。
■わたし
そして、わたし。
わがままでマイペースでウィルキンソン炭酸が大好きで、胃が弱い。
胃が弱い人にありがちなメンタルの妙なベクトルの強さを兼ね備えた厄介な美女だ。
美女であることはもう絶対に間違いない。
自分で言っていくスタイル、鏡に聞く必要もない、私は美女。
このノートは、そんな美女がたびたびこんなものが好きとか何とか言いにくる場所です。
今後とも、よろしく。
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