ガンダム・エヴァオタクがWebtoonの歴史を変えた!Lezhin comicsの創業物語
こんにちは!フーモア代表の芝辻です。
志をもって起業する人もいれば、趣味の延長で起業する人もいます。
私にも、とあるキッカケがあり、フーモアを創業しました。詳細は以下なのでお時間があれば読んでください。
さて今回のnoteは表題の通り、webtoonの歴史の続きです。前回のnoteを読んでいただけると、前提となっている背景が分かるので是非読んでみてください。
1.Lezhinの創業者はエヴァ・ガンダムオタクでブロガー
Lezhinの創業者ハンヒソンはエヴァやガンダム馬鹿といわれるほどのオタクで有名な方でした。
※Lezhinの創業者ハンヒソンさん
その創業者ハンヒソンは2004年から「レジンドットコム」という名の有名なブログを運営していました。オタクでかつ、エロい発言をするのが非常にうまい方でもありました。女性の反感を受けないつぶやきをしていました。
こういう背景もあり創業者のハンヒソンにはファンが元々多くいました。事業をやろうとはしていたかどうかは不明ですが、リュージョンヒ(博士)という有名なエンジェル投資家がLezhin創業者のハンヒソンを説得し投資をして、2012年にLezhinを創業、2013年にwebtoonプラットフォームのLezhinComicsをはじめることになります。
2.2013年にLezhinのサービス開始以降webtoonの歴史が大きく変わった
当時の韓国で有料のwebtoonサービスがない中、有料モデルで成功したのがLezhinでした。
元々の創業者のハンヒソンにコアのファンがいたことから、ティザーサイト的にブログからLezhinComicsにユーザーを送客するようなことを初期はしていました。
ハンヒソンの目利きによって、凄く質の良いwebtoonだけがあったので、ブログから人が流れた時に読者のハートを掴むことができました。ハンヒソンのブログ読者の6割は女性だったこともあり、初期のLezhinComicsは女性ユーザーが多く、LezhinComics自体もそこまでビジネスライクにやっておらず、創業者ハンヒソンの人柄がそのまま出ているような進め方をしていました。
ブログからの送客されたユーザー、質の高いwebtoon、エンジェル投資による資金、有料のビジネスモデル、などの各種条件も揃い、LezhinComicsは良いスタートを切ることができたと言えるでしょう。
結果的にアダルトのwebtoonばかり課金されることにはなるのですが。
3.作家さんに7割還元!レンジは2013年のスタートアップで注目No1だった
2014年に資金調達をするなど、韓国スタートアップ界隈でも注目度No.1でした。
グローバル展開も動き、一時期はアメリカのiOSのbookカテゴリーで13位になるなど、急成長をしていきました。
※スクショは2014/6/25のアメリカのAppStoreのブックランキングのトップセールスランキング
その後、日本の横のマンガ(18禁)も入れ始めて、売上を伸ばし始めたが、少し作品の質が変わってきました。
日韓での著作権処理が比較的スムーズなwebtoonや横の漫画をどんどん取り次いでLezhinComicsに掲載していき、結果いろんなPFに入っている作品をどんどん載せていきました。
そうすることで売上が伸びるし、投資も受けビジネスとして大きく成長していく必要があったのだと思います。
いろいろな作品や作家を入れ始めてから、読者は自分で作品を探さないと行けなくなり、レジン創業者が元々ブログでやっていたような、キュレーション機能がなくなってしまいました。
LezhinComicsとしての独自性が薄くなり始めてからNAVER webtoonやDAUM webtoonに読者が移動し始めました。
4.2015年以降Lezhin内でいろいろと問題が起こり始める
日本とアメリカにもLezhinComicsのサービスをリリースして絶好調に見えたが、2015年に相次ぐ細かい事故が続いてその成長にストップがかかります。何人かのLezhinComicsの作家が、メガロ(メガロとは:韓国のインターネットの女性嫌悪に立ち向かうための女性のコミュニティサイト・メガリアン(Megalian)の略称)を擁護しながら軽率な言動をしたことが問題の発端し、LezhinComics編集部まで、メガロ活動をしているのではないかという疑惑まで出てきてしまい、コミュニティサイト等ではLezhinComicsの読者が脱退をしたことを証明するスクショなどを投稿するなどし、レジンコミックス不買運動が活発化するという悲しい事件がおきます。
5.2018年には著作権問題により更に問題が噴出
2013年5月からLezhinComicsで連載を開始した、「나의 보람(私のやりがい)」の作者「피토(ピトー)」氏が、Lezhin創業者のハンヒソンに、著作権を騙し取られたということを暴露するという事件がおきました。 ハンヒソンが当時16歳で未成年者だった「피토(ピトー)」氏で契約を結んだ当時の「業界慣行」という理由で、ハンヒソンのブロガー名だったレジンという名義で作品作家/原作者に登録し、収益の30%を得たという内容。
以下は当時のスクショで、右上の赤線部分が作者名。
その後のLezhin側の対応も誠実さにかけたせいか、Lezhin本社の前で講義デモがおきるなど、問題はどんどんと大きくなって行きました。
これが直接的な原因ではないと思いますが、2018年2019年にはIPOすると言われていたLezhinはその後、Lezhinは2021年2月にkidari studioに買収されることになります。
この問題は、ついこの前有罪判決が出て終りを遂げます。詳細は以下日本で一番webtoonに詳しい福井さんのwebtoon insightを御覧ください。
今現在、LezhinComics内では描いた作家さんの名前になっています。
6.おわりに
本noteは2014年当時、フーモアがwebtoonのビジネスをするために韓国のLezhinComicsを始めとするwebtoonスタートアップの方々とMTGメモをまとめたものです。
Lezhin側の対応が悪かったということもあると思いますが、流石にここまでするのはやり過ぎなんじゃないかと思い、なにかの闇を感じます。
ただ、契約周りなどはしっかりとしていかないとなと改めての教訓です。日本でもこういった著作権などの問題などは起きていたりします。
最後に弊社採用募集です!フーモアはグローバルwebtoonスタジオとして最新かつ最先端の情報を持ちながらwebtoon制作をしています。このような環境で働けるのはある意味でチャンスだと思っています!是非クリエイターの方々のご応募をお待ちしております!
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