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1998,London②

当時のユースホステルは出会いと国際交流にあふれていた。

なにせSNSという逃げ場がない。

人がいるところで日本の友人たちへポストカードを書いているといろんな人に出会えた。英語もできないのに根本的なところを無視してわくわくしていた。

初めに声をかけてきたのは日本人だった。

英語でどこからきたんですかと尋ねられ、あなたと同じだよ。と日本語で返した。関東から来たという同い年の青年は人に飢えていたようでとても嬉しそうだった。

旅の計画を話すとどの人からももったいない、と言われた。

今思うと本当にそう。欲がなさ過ぎた。

私のこの夏の計画はわずか二週間それもロンドンを巡るだけの計画だった。

今練り直せるのならひと月は欧州を巡るだろう。

その時はなんの疑問も感じないままあこがれの街を訪れるだけのプランが最高だと思い込んでいた。

夏のイギリスの夜は20時を過ぎても明るくて、これは本当に驚いた。

同じ宿の今度はフランスから来たという3人組の女子と仲良くなり、トランプに興じ入った。

本当は三つ子だという二人と、そのいとこの女子3人だ。

彼女たちの英語は非常に聞き取りやすかったし、若いというだけでなぜかこころを通わせることができた。

消灯を迎えるまでユースホステルの外で楽しむそんな夜に私の夏の計画に間違いはなかったと実感できた。


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