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料理をする人は魔法使いだ。

一人暮らしを初めて2半近くなるのだが、最近になってようやくちゃんと自炊をしている。

最初の頃自炊自体はしていたけれど、美味しく食べることへの工夫が億劫でだんだんお惣菜に頼るようになってしまっていた。

ドイツの滞在経験では、ホストファミリーが近郊ながらもミニ農園をもっており、自家で収穫した野菜を家族みんなで協働して料理をしていた(ちなみに滞在先はシェアハウス兼ゲストハウスで家族と言ってもあかの他人同士だ)。
その経験を通して、食を提供してくれる地球への感謝や人と共に食事をする喜びに気づいた。帰国後、相変わらず外食等が多かったけど、朝にドライフルーツを食べるなど少しずつ食べるものに気を使うようになった。

最近になって、ようやく毎回の食事を自分で作るよう習慣づいてきた。

すると、今まで「美味しいもの」と思っていたものが、実は素晴らしいノウハウと食品研究の積み重ねで生み出されているのだな、ということを感じられるようになってきた。

例えば、僕が大好きなパスタは本当に多くの種類の品目があるけれども、例えば同じカルボナーラでもお店によって使われる具材も味付けも全く違う。特にパスタは調味料ひとつで全く別の品目に変わる、お手軽だけど奥が深い料理だと思う。

自分で適当にフライパンにパスタと卵と野菜を入れて作ったものと、お店で出されるあのとろっと麺に絡みついてふんわり甘い香りが漂うカルボナーラ。一体どうしたらあんな風に美味しくなるのだろうか。コックさん、本当にすごい。


今日のお昼ラーメンを作ったんだけれど、その時にまた感動した。

麺と粉末と調整材が入ったインスタントパックを使って豚骨ラーメンを作ったのだけれど、ちょっとおもしろくて粉末は湯を沸かすときじゃなくてあらかじめお皿に入れる手順だった。

それまで麺と具材が浮かんだいるだけでちょっと鶏肉の出汁が取れてるかな?って感じのただのお湯が、お皿に注ぐうちにみるみるラーメンになっていく!って本当にすごい。

料理は魔法だな、と思った。

なんでそれまで食べられなかったものが、決まった手順に沿って手を加えると食べられるものになるんだろう。
これって、そのへんにある自然エネルギーを呪文とか魔法陣とかの作業を行うことで治癒したり攻撃したりできる魔法が使えるようになるロジックと同じじゃない?

特に現代では、調理器具や化学調味料などの"魔導具"が普及し、誰でも料理という魔法が使いやすくなっている。

そう考えると、今まで億劫だなと思っていた手間暇かけて美味しいものを作ることって、なんだかとてもすごい営みをしているようで、もっともっと美味しいものが作れるようになりたいなって思えてくる。


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