さかなへんに、とら

去年の10月から県内にある水族館の年間パスポートを所持している。
県内と言っても、あまり近くはない。全然ふらっと行ける距離ではない。
何故買ったかと言うと、その水族館にいるシャチが好きだから。
そして、少しでも貢献したかったから。
年パスというものを所持したのは、ディズニー以来初。ディズニーは約10万したが、この水族館はたった1万で、特典もたくさん。
きっとコロナ禍でお客さんが減り、多少なりとも経営に影響はあったろうと思う。でも、生き物を飼育している以上、ごはんの量やお世話の頻度は変わらない。ごはん代、スタッフさん、トレーナーさんのお給料、光熱費。
シャチを飼育している水族館は、2か所しかない。(日本)
中でも鴨川シーワールドは、シャチプールの観客席を基本的には解放してくれていて、タイミングが良ければトレーニング風景も見られるし、トレーナーさんとシャチが遊んだり、垢すりしたり、触れ合ってる姿も見られる。私は、ショーより合間の時間が好きだったりする。
到着したら、一目散にシャチプールに行き、ただただ泳ぐシャチを眺めていることも多い。食事とトイレ以外はほぼ同じ場所にいる。食事に関しては、プール内を見られるレストランがあるので、そこで食事することが多く、結果的に9割ほどシャチを見ていることになる。
私の勝手な理想を言うならば、イルカやシャチのショーの実施はしなくても、飼育は続けていてほしい。でも、飼育する以上、健康管理や運動不足にならないためにも、ある程度のトレーニングは必要かと思う。急にシャチはジャンプしたら、大惨事…。
今後もし、群れからはぐれたり、虐められたり、怪我や病気にかかってしまった子を助けるためには、知識が必要だと思う。場合によっては、保護するべきだと思う。飼育をやめてしまって、知識や経験があるトレーナーさんがいなくなってしまったら、保護できない。保護したとしても、育てられるかわからない。
生きれたかもしれない子を、死なせてしまうことは避けるべきだと思う。
イルカが漁で捕獲され、売られたり殺されたりしていることは知っているし、無くすべきだとは思うが、イルカが増えて小魚がいなくなる。漁師さんの仕事が減る。という負の連鎖も起こるのではと思うと、無くせばいいというものではないのかもしれない。
よく水族館が好き。イルカが好き。シャチが好き。などと言うと、批判されることも多い。
気持ちはわからなくもないが、正直鴨川のシャチに関しては可哀想とは思えない。気が乗らないときはショーをボイコットする姿を何度も見ているし、トレーナーさんが裏に下がって様子を見るなどし、無理に演技させることもない。十分なごはんをもらい、身の危険もなく、健康管理もされている。水族館生まれの子たちなので、野生という概念はないだろうが、幸せそうに見える。私の目には。
シャチが口先に魚を載せて、飛んできたカモメに餌付けする姿や、トレーナーさんと魚の引っ張り合いして遊ぶ姿や、口先に魚を載せられて待てする姿や、口に入った魚をトレーナーさんに投げ返す姿を見ると、不満があるようには見えないし、トレーナーさんとの信頼関係が目に見える気がする。
住む場所も、大きさも、まったく違う生き物同士がこんなにも通じ合えるなんてと、トレーナーに憧れていた頃を時々思い出してハッとする。
(カナヅチでトレーナーの夢は諦めた)
違う形で、トレーナーさんやシャチたちに貢献できればいいなと思っている。

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