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YouTube参考資料)ベトナム語基礎講座⑧ 最重要な3つの動詞 英語のニュアンスが大事

 フーおじさんのベトナム語基礎講座をご視聴いただき、ありがとうございます。今回からいよいよ文法を説明します。過去7回の講座を見ていただいた方はベトナム語を読むこと、書くこと(=スマホ等で入力すること)はできるようになったはずです。基礎の文法が理解できれば、ますますベトナム語が楽しくなりますよ。
 絶対に覚えておいてほしいことはベトナム語の文法が英語とほぼ同じだということです。「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」、「主語(S)+動詞(V)+補語(C)」などの文構造が同じであるほか、単語の持つニュアンスもよく似ています。日本語で理解するよりも、単語が本来持つ意味を理解しやすくなるので、英語に変換して考える癖を付けると良いと思います。

làは主語と補語を結ぶイコール

 まず最初に紹介したい動詞が(発音はリンク先のGoogle翻訳で確認してください)です。これは英語のbe動詞と同じで、主語と補語(「私は日本人です」の「日本人」。文の構成要素の一つ)をイコールで結びます。英語との違いは二つあります。一つ目は活用がないこと。主語が変わっても、時制が変わっても、làのままです。ちなみにベトナム語の全ての動詞は活用がありません。二つ目は「いる、存在する(exist)」の意味がないこと。「I am here.(私はここにいるよ。)」と言った時は別の単語()を使います。例文で見るのが分かりやすいと思います。

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*例文をGoogle翻訳でベトナム語入力してみましょう

 単語の意味や細かい説明は現段階では無視していいです。主語と補語が等式のようにlàで結ばれている文構造だけ理解してください。
 余談ですが、ベトナム人はlàの使用頻度がとても高く、会話の途中で「えーと」のような感じで「là,là,là....」と間合いを整えるのに使ったり、「とても美しい(rất đẹp)」のような副詞+形容詞の言い回しの時に「rất là đẹp」と本来不要なのにわざわざ入れたりします。

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会話の途中で「là,là,là…」と連呼する人も多い(ハノイ旧市街)

ởには動詞と前置詞がある

 次に紹介したい動詞がです。làの説明で少し出てきましたが、「いる、存在する」というのが本来の意味で、文脈によっては「住む、生活する」などとになります。こちらも例文で見た方が分かりやすいと思います。

*例文をGoogle翻訳でベトナム語入力してみましょう

 ởに関しては注意点があります。ởは動詞以外に、前置詞(ベトナムの研究者によっては「関係詞」などと言うこともある)の場合もあるのです。例えば「どこに住んでいる」という場合、「(Em=you) sống ở đâu?」という言い方をしますが、このởは機能的に見て前置詞に当たります。ベトナム語の品詞分類については筆者もかなり勉強してきたつもりですが、結論から言うとあまり厳密に分ける必要はないと思います。学問的に探究する意味は否定しませんが、そもそも品詞分類自体が違う異言語で、どちらに取れる場合もある品詞をああだこうだと定義づけする意味はほぼありません。日本語において理解しやすい品詞分類で認識してあげれば文を作る上で役立ちますので、その程度の認識でよろしいと私は考えます。

「家が犬を持つ」=「家に犬がいる」


 3つ目に紹介したいのがです。本来、英語のhaveの意味を持っており、それが転じて「ある、いる」の意味を持った動詞です。ベトナム語の言い回しでは「私は子供が二人いる」と言う場合、「私は子供を二人持っている」と言う言い方をします。英語と同じですね。「あの家には犬がいる」なんて言う場合も、「あの家は犬を持っている」と言う言い回しをします。例文で見ていきましょう。

*例文をGoogle翻訳でベトナム語入力してみましょう

 注意してほしいのが一番上の文です。最初の4つの単語は「at / garden / house / my」で、一見すると場所を示す節に見えます。英語ならば「There is a tree in my garden.」となり、主語はthereになります。cóの場合は主語を取らず、文章を作ることもできるのですが、場所を表す節を文頭に置くケースが多いです。そしてこの節はあたかも主語のように機能します。「私の家の庭に」はあくまでも木がある場所を示す節なのですが、文章としては「私の家の庭が木を持っている」の意味なのです。
 難しく感じる方もいることでしょう。しかし、すぐに慣れます。大事なことはこの3つの動詞がいずれも英語と同じニュアンスを持っていると言うことなのです。つまり、là=be、ở=live / exist、có=haveです。


ベトナム語の辞書アプリ画面。たくさんの日本語が羅列されている

 上の画面はベトナム語の辞書アプリの画面です。訳語の羅列は”日越辞書あるある”なのですが、こんなにたくさんの日本語を並べられても、よく分かりません。英語のイメージさえ持っていれば、それが意訳されて意味が変わることが容易に分かります。
 例えば、同じ「行く」と言う言葉でも、điはgoの意味ですが、sangはgo across/ go abroadと言う意味になります。sangは間を遮るものを超えていく、という意味があるからです。日本語ネイティブの私たちは日本語の文脈力が高いことが足枷となり、逆に外国語の正確な意味を掴みかねることがあります。ベトナム語と親和性が高い英語の語彙を関連づけて勉強することはベトナム語上達の早道であると私は思います。

*フーおじさんのベトナム語基礎講座⑧最重要な3つの動詞 英語のニュアンスが大事




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