ダンガンロンパ無印〜V3感想【ネタバレあり】

ダンガンロンパ「推理ゲーム好きならおすすめ!」という友人の言葉を信じて、推理ゲームということしか知らずに無印、2、V3をプレイしました。
めちゃめちゃ面白かったけどめちゃめちゃ疲弊したので感じたことを吐き出します。

ダンガンロンパポータルサイト (danganronpa.com)

ちなみに推しは無印、葉隠くんとさくらちゃん。2、田中くんと罪木ちゃん。V3、東条さんと王馬くんです。

~~~~~~(ここからネタバレあります)~~~~~~~

ダンガンロンパ、一言で感想を述べると悪趣味なゲームです。
人の必死さをあざ笑うというか、人間の汚い部分にクローズアップして、あたかもそれをその人の全てであるように見せる演出が悪趣味だな~と思います。

ダンガンロンパ、登場人物はみんな普通の高校生なんですよね。特殊な才能はありつつも、平和に生きている高校生がほとんどです。そんな彼らは、突然生きるか死ぬか、殺すか殺されるかの環境に閉じこめられて、何が起こっているかわからないままに、色々な動機、大切な人、夢、暴かれたくない秘密を使って不安を煽られ、揺さぶられる。
死に怯えていて、同級生を信じたいけどでも誰かが裏切っていて、そんな極限状態で「死にたくない」「おうちに帰りたい」「大事なものを守りたい」と人を殺してしまった子どもに対し「ほら~!!人間って結局自分が一番かわいいんですよ~!!」「それが人間の本性だ、醜いでしょ〜??」って見せ方をするところは、嫌らしいなと思います。

人間追い詰められたら本性がでると言いますが、その本性や醜さを隠して見せないでいるのこそ人間らしさだと思うんですよね。優しく人を思いやれる穏やかな人が、生死の瀬戸際で相手を殺してしまったとして、それで優しいその人は嘘だったということにはならないといいますか。人の獣の部分を引き出しておいて、「ほらほら〜!優しくみえてこの人は獣なのよ〜!!」とこれ見よがしに言うのは悪趣味だし、弱って追い詰められた人の言葉や行動をその人の全てというのはかわいそうだと思うのです。健康であれば胸に秘めていられたはずの言葉なので…

また、ダンガンロンパの悪趣味というか、攻撃の矛先はゲームのプレイヤーにも向いているように思います。
そもそも学級裁判という仕組みが、本来デスゲームに巻き込まれた被害者たちを、犯人を追い詰める加害者であるかのように扱う、嫌な仕組みだなと思います。その中で「この子が犯人だと気が付きたくない」「これが真相だと暴きたくない」と思わせるような謎もあり、でもプレイヤーは物語を進めるためには解かないといけない。また「こんな悪趣味な人が死ぬゲームを好んでやるプレイヤーも悪趣味だよね」「こういう悪趣味な展開が見たいんでしょ?好きなんでしょ?」といわんばかりの展開は、ゲームを楽しんでいたはずのプレイヤーも、加害者にされるような、この悪趣味な展開をプレイヤーが望んだと暗に責められているような、気分の悪さを感じました。

一方で、ただ、悪趣味なだけではないのがこのゲームの魅力でもあると思います。
デスゲームに閉じこめられて、疑心暗鬼を誘発され、揺さぶられながらも、どうにかしよう、助けあおう、なんとか謎を解こう、立ち向かおうとする、そして死しても次へバトンを繋ごうとする登場人物の姿には、心を動かされます。

特に無印の苗木君、2の狛枝君、V3の王馬君の3人の働きには、時には気分が悪くなるほど感情が動かされました。当たり前の善良さで物語を動かしていく無印の苗木君はもちろん、自身の矜持、信念を貫いて物語を揺れ動かした2の狛枝君、王馬君の生きざまは「すごい…」と思わずつぶやくほどでした。

同級生の死を目撃した高校生の子どもたちってだけでケアが必要でしょ……子どもが心の弱いところを揺さぶられて深く傷ついているということがしみじみしんどい……と思いながらプレイしていたので、V3の王馬くんの「自分達の命をもてあそぶようなゲームを考える奴らもそれを楽しんでいる連中も全部むかつく。だからどんな手を使おうとゲームを終わらせて見せる」というようなセリフはぐっと来ましたし、それを受けて最後に登場人物たちが「自分たちはこのゲームの登場人物になってすごく苦しかった。だからもう、ゲームを止めたい」と言ってくれたのはすごくよかったなと思います。

楽しいけれど、傷つく部分も多いゲームだなと思っていたので、「そうだよね、その世界はすごく苦しい世界だよね…」と登場人物と一緒の認識を持ってお話を閉じられたのはすごくよかった。

ダンガンロンパ、すごく面白いゲームではあるのだけど、感情を揺さぶられ続けてエネルギーをめちゃくちゃに持っていかれました。ネガティブな感情って抱えるのもぶつけられるのもそれを見るのも、ものすごく疲れますね。

1番傷ついた裁判は2の5章、しんどい死に様はV3の2章、なんだかんだで面白かったのは無印、最推しはさくらちゃんという感想です。追い詰められた人は、人を殺しもするが助けもすると、もう一度はやりたくないけど心に残るゲームではありました。面白かった!!!


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