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京都SFフェスティバル2019参加記録(前編)

前置き

10月12日(土)〜13日(日)京都SFフェスティバル2019に参加してきました。本noteは前後編です。

公式HP

去年の参加記録

10月11日(金)

会社の有休が余っていたので、今年は前日に関西入りすることにした。木曜夜に夜行バスで東京を発ち、金曜朝に大阪・天王寺着。各種バス・宿の予約をした段階では天気の状況はわからなかったけれど、蓋を開けてみれば台風と重なってて前日入りしておかないと関東から関西に来ることもできないという有様だったので結果的に正解であった。

天王寺行きの夜行バスを使った理由は、巷で話題の「サウナでととのう」体験をしてみたかったからだ。天王寺近隣にはスパワールドというスーパー銭湯が存在する。年中1300円で一日中お風呂入り放題のすごいところ(深夜帯に利用したら+1300円)。大阪で時間をつぶすのに困ったらここに行くべき。


肝心のサウナは、未知の体験でした。元来、毎日の風呂はシャワー5分で済ませるような人間だったのでサウナに5分もいられるのかという不安があったけれど、完全に杞憂だった。サウナから出て即水風呂に入るときの感覚に病みつきになりました。内側は熱いのに皮膚が水風呂で冷たくなるときの変な感じはたしかに独特のものがある。サウナ5分→水風呂1分→外気浴1分を最終的に5セット繰り返した。まあスパワールド内にサウナが4つ設置されてて1回ごとに違うのに入る楽しみがあったからというのはでかい。高温サウナ・低温サウナ・塩サウナ(サウナの室内全面に塩が山盛りになってて、身体にすりこみながら入る)、スチームサウナなど。

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写真はスパワールドのこのすばコラボ。
8時に風呂から上がり、リラクゼーションルーム(ここも広い。簡単に眠れる簡易シートが200席くらいある)で読み物仕事をしようとしたところ、そのまま10時半くらいまで爆睡。11時頃に離脱して移動。新世界を通り抜けたけど私服の修学旅行生がたくさんいた。

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一旦梅田に出て荷物をロッカーに入れ、大阪スパイスカレーを梅田で食べる。旧ヤム鐵道は大阪スパイスカレーの中でもトップクラスのユニークカレーです。

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昼食を済ませた後は万博公園へ向かう。「驚異と怪異」展が面白いと話題だったので、タイミングが丁度あった坂永雄一さん・橋本輝幸さんなどと訪問してみることにしたのだ。

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驚異と怪異展、人魚とか龍とか悪魔とか鳥とか、そういったテーマ毎に古今東西の民族品を揃えていて、奇想デザイン博覧会の様相を呈していたのがすごくよかった。行ったあとで気づいたんですが、民俗学は別に歴史的な物品を集めるものではないんですよね。だから、1980年代以降に作られた版画とかがガンガンあるんですよ。ある程度「見ていて/デザインとしておもしろいもの」を選別して展示している。正しい意味でのキュレーションがなされているなと感じました。五十嵐大介がシンボルイラスト書いてるとか、FF15のモンスターポリゴンデモムービーを提供・展示してるとか、その辺が特に驚きだった。なお、図録はAmazonで買えます。河出書房新社が出版している。


常設展も見たのですが、あまりにも多すぎてまともに見られなかったのが残念だった。常設展だけで見に来る必要がある。

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個人的にテンションが上がったのはアスマットのトーテムポールがあったことですね。

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アスマットとは何か。1961年にロックフェラー財団の御曹司マイケル・ロックフェラーがパプアニューギニアで消息を絶ちました。彼はモラトリアムの最後の期間に先住民のプリミティブアートを収集するためパプアニューギニアを訪れていたんですが、その原住民はカニバリズムの習慣がある人々でした。彼が消息を絶った場所が場所だけあって、おそらくマイケル・ロックフェラーは彼らに食べられて殺されたのだろう……という噂がまことしやかにささやかれたのであります。その食人族がアスマットであり、みんぱくにあったのはもしかしたらマイケル・ロックフェラーが集めたものの一つなのかもしれませんね……という想像を膨らませるなどした。
なお、マイケル・ロックフェラーが殺されて食べられたという推測は、当時現地にいた宣教師が現地民に行った聞きとりの内容・彼らが真新しい人骨の装飾品などを持っていたということなどからほぼ正しい、しかし米国の大財団の御曹司が食人族に喰われたなんてことがわかったら外交問題に発展する可能性があるので当時の政府にもみけされたのだ……ということを明かすのがカール・ホフマン『人喰い』の内容。
マイケル・ロックフェラーが一族の御曹司としてのアイデンティティに悩んでいたことの裏返しとして「ただの個人」になれる東南アジアでのプリミティブアート収集に情熱を注いでいたこと、しかしその振る舞いが「金にものを言わせて現地民にとって重要な意味のある物品を簒奪する」行為でもあったこと、それに加えて先進国がアスマットの文化をめちゃくちゃにしてきたという歴史的文脈があることから、マイケル・ロックフェラーを殺して食べることがアスマットにとってどのような意味があったのか/彼が殺されたことは当時のパプアニューギニアにどんな影響を与えたのかを浮かび上がらせる意欲的なノンフィクションです。


16時半頃に自分は一旦単独行動に移り、梅田に戻る。京フェスに持ち込めそうな面白アルコールを探した。結局手頃な酒は見つからなかったので今年は何も持ち込みませんでしたが……。梅田、洋酒を探すのによさげな酒屋は少ない。ワインや日本酒の店はたくさんあるんだけど自分はそちらの知識が薄い……。
それはそれとして、最近探しているのは辰巳蒸留所のお酒です。辰巳蒸留所は岐阜県の郡上八幡にある新興の蒸留所で、国産のクラフトジン・アブサンを小ロットで製造しはじめたのが近年話題になっています。今年で稼働3年目? 

市場に出た瞬間即完売→メルカリで1.5倍くらいの値付けで転売されるという現状がクッソむかつくので最近は意地でも店頭で見つけてやるという気持ちになっていて、時間があれば探しているのです。結局見つからなかったんですが。

知人と夕食を食べた後、21時頃に解散。自分は京都に向かう。四条河原町駅に到着して地上に出たら京都の懐かしい風景が広がっていたので、そのまま徒歩で四条〜丸太町を散歩するなどしてしまった。チェックイン23時。ホテルのひとごめんなさい。今年は試しにホステルを利用してみたんですが、自分は宿泊環境にそれほどこだわりがないので、ホステルで全く問題ないことが判明した。ホステルの寝室は共用ルームなわけですが、自分が泊まったところは各ベッドは簡易的な仕切り(ベニヤ板)があったので、実質的にカプセルホテルみたいなもんだった。

(後編に続く)


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