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俳句幼稚園 ~弐~

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⚜️各自note内で俳句を詠み、俳句幼稚園タグ付け&マガジン格納。⚜️【コメント欄は宝物】互いの句をコメント欄で鑑賞し高め合いましょう。(無理せず、自分のペースで) 投句時『意見(甘…
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#私の作品紹介

「ひよこ句会」第三回目以降について。

「第二回 ひよこ句会」の結果が開きましたので、第三回目以降、今後の予定についてをお伝えいたします。 参加は毎回自由、投句数も一句から三句まで自由です。 皆さま、それぞれ無理のないペースでご参加ください😊 半年すぎたあたりで、「進め方」「兼題」「題詠」などについてのご意見を一回伺い、その後に繋げていけたらと思っています。 よろしくお願いいたします。 投句方法など詳しいことについては以下をご参照ください。

花の雨ひとりの部屋の壁白し 碧萃生 東京で一人暮らしを始めた頃、まだ何もない部屋で、新しく買ったスチールの本棚もすかすかで、まだ連絡を取れる友人もなく、そんな時の雨はどこか寂しさを誘い、それはホームシックとはまた別の感情であったと思います。 初めて都会を感じる時かもしれません。

銀幕は大団円に春休 碧萃生 「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」を見た後の、妻との語らいの時間です。

【俳句】新社員〜碧 萃生

同じ服同じ返事の新社員 今はまだノーとは言はぬ新社員 僕は入社式の風景が嫌いだ。 みんな同じスーツ、同じ髪型、僕には同じように見える目をして、同じ方向を向いている。 いったいどこの国の儀式なのだろうと考えてしまう。 強制されてもいないのに、みんなが同じような服を着てくる国は、それを強制される国よりも危険な香りがする。 会社には入社式はあるが、学校のように卒業式はない。 入る時には社長まで出てきて、こんなに歓迎されるのに、辞める時には人知れず去っていく。 それが会社というも

【俳句】四月馬鹿〜碧 萃生

あれこれの初めが四月馬鹿の国 双子座の順位見てゐる四月馬鹿  四月馬鹿休日出勤してをりぬ 一年も四ぶんのいち四月馬鹿 妻からの連絡遅し四月馬鹿 4月1日は年度初め。 早生まれと遅生まれの別れる日。 入学、進級の日。 新社会人は入社式。 人事異動、昇格、昇給。 営業目標など、新しい年度計画が始まる日。 新しい法律や制度が施行される日。 こんなに重大な日が、エイプリルフール、四月馬鹿とはね。 つらつらと駄句を肴に四月馬鹿 お粗末でした。

【俳句】雪柳〜碧 萃生/非正規/老朽化マンション

契約は満了ですと雪柳 大学を卒業して、61歳で退職するまで、ずっと正社員で働いてきた。 その間、バブルが崩壊して、世間では倒産やリストラが横行した。 しかし、幸いにも働いていた会社は、多少ボーナスが減ったり、昇給が少なくなったりしながらも、リストラなどすることなく持ちこたえた。 非正規の大量解雇がニュースになったこともあるが、「大変だなあ」と他人事だった。 退職後、1年間を失業手当で過ごして、働き始めた。 家の近くのマンションの清掃。 週に4日、または3日。 8時から16

【俳句】雛の間 古雛 雛の段〜碧 萃生

小暗きをみな足早に雛の間 歳月を一身に受け古雛 空箱をいくつ重ねて雛の段 母の実家(と言っても、祖母の再婚相手で母の実父ではない)は、福岡県田川市であった。 炭鉱で羽ぶりがよかったのであろう、大きな家で広い庭に池もあった。 幼い頃には、母に連れられて何度が訪れていたが、その中に雛祭りの時期もあったのだろう。 五段か七段の立派な雛人形が飾られていた。 しかし、何故か、飾られるのはいくつもある部屋の中の、人気のない薄暗い部屋。 薄暗い部屋に人形は、ホラーの黄金コンビだ。 当

【俳句】春疾風 うららか 朧夜〜碧 萃生

ともかくはトートバッグに春疾風 うららかや投句葉書を指先に 朧夜の足どりはオー・シャンゼリゼ 昨日、初めてのリアルな句会に参加してきた。 場所は、小さなアトリエの一室。 平均年齢は高めで、最初は賑やかにおしゃべりしていたのが、句会が始まるとみんな真剣そのもの。 出句したうちの二句に並選をいただいたが、点数の高い句が必ずしもいい句とは限らない。 「みんなの感想が同じ内容ということは、類想句でもある」 主宰のこの言葉が印象に残った。 とにかく有意義な3時間。 「俳句は座の文

【俳句】バレンタインの日 バレンタインデー〜碧 萃生

チョコはチョコ黙ってバレンタインの日  バレンタインデーの義理とか人情とか おはようもどこかバレンタインの日 チョコレートは、カカオ豆の栽培から始まり、多くの人の手を経て、その手にやってきた。 義理とか本命だとかつべこべ言ってないで、まずは感謝していただけばいい。 僕は自意識過剰とも思える、関西弁で言うところの「気にしい」だ。 だから、バレンタインの日の朝は特に気を使った。 もちろん、義理でもチョコレートは欲しい。 でも、そんな気持ちにもし勘付かれでもすれば、パワハラ

【俳句】建国記念の日 建国祭〜碧 萃生

建国記念の日や顎髭も白髪に 好きなもの数へ建国記念の日 肉まんを昼食にして建国祭 植字工建国祭の活字組む 活字組む建国祭の植字工 父は印刷工として小さな印刷所で働いていた。 当時は活字をひと文字ずつ組んでいく活版印刷が主流で、本や新聞もそれで印刷されていた。 だから、新人と熟練工では1ページ組むのに大きな時間差があったらしい。 ひょんなきっかけで父は新聞社に移り、そこで新聞の印刷に携わる。 印刷方法も活字を組む活版印刷から変化していく。 詳しくは知らないが、写植、DT

【俳句】冬を惜しみながら〜碧 萃生

粉雪や古紙回収の「罪と罰」 半ドンの子ら風花を眉に受け 雪雲に包囲されたり敵味方 駅までを妻と歩みし寒月下 硬球の音らくらくと春隣 血管の図に似てゐたり枯桜 作業着のポケット多し春隣 古紙回収の朝、この冬一番の寒気み見舞われ、粉雪が待っている。 古新聞や雑誌に混じって、「罪と罰」の文庫本が出されていた。 新潮文庫の米川正夫訳。 それも、表紙にドストエフスキーの顔が印刷された、今から40年くらい前に出回っていた版で、僕もそれで読んだ。 出された方も、僕と同じくらい

【俳句】豆撒 鬼は外〜碧 萃生

豆撒の福より鬼の人気かな 結局は鬼も豆食ふ鬼は外 もう、夫婦二人で豆撒きなんかしない。 せいぜい恵方巻きを頬張るくらいか。 そもそもは大阪の寿司と海苔の組合が仕掛け人だとか、セブンイレブンが広めたとか、いろいろな説があるらしい。 今年の恵方は、東北東のやや東だとか。 まあ、信じて食べればいいことがある。 ところで、恵方巻きって、関西だけ? だとしたら、「秘密のケンミンSHOW」に出て来る地方の女子高生みたいになってしまうやん。 「えー、それってここただけですか」 節分、

春近しカーディーラーのビートルズ カタログの車美し春隣 今日は愛車の一年半の点検。 待っている間に、コーヒーをおかわりしてしまいました。

もしもウルトラマンが俳人だったら 【俳句】冬霞 冬ざれ 寒昴〜ウルトラマン/碧萃生

冬霞溶けるジャミラの目の雫 冬ざれの怪獣墓場なんまいだ 平和といふ戦ひ終へて寒昴 もしもウルトラマンの趣味が俳句だったら。 ウルトラマンになったつもりで詠んでみた。 これが、なかなかに面白い。 みなさんも、ぜひ自分の好きな、今風に言えば推しのヒーロー、ヒロインになったつもりで詠んで見られては。 ただ、難点は、興味のない人にとっては理解不能になるケースも。 例えば、一句目のジャミラ。 知らない人にとっては、誰、何、それ? 溶ける? でも、ご存知の方は、もしかしたら、もう