プラスチックを食べる微生物と分解酵素の世界②

動画解説はこちら↓

前回、プラスチックを食べる微生物がいて、PETも食べる微生物がいるっていうことを紹介をした。

これで問題も一件落着かと思いきや、そうはうまくいかない。

なぜかというと、PETボトルは、PETの化学構造の中に、結晶部が3-40%ほどあって、分子同士が強固にくっついているため、なかなか分解できないのだ。

一方、プラスチックはガムと一緒で、熱をかけると、柔らかくなる性質があり、PETでは70℃ぐらいで柔らかくなる。

じゃあ、70℃で温めて、PETボトルを柔らかくして酵素をぶっこめば良いのか?そううまくはいかない。酵素がへばってしまう笑。

一方で、熱に強い微生物が世の中にはいる。いわゆる好熱菌というやつだが、奴らは、温泉などに生息している。これらの菌やその酵素構造から学び、耐熱性を上げて、70℃以上の高温でも分解されないようにできないか?そのようなことが今の最先端だ。


90℃にも耐えれるような酵素があり、フランスのスタートアップCarbios社ではそれの実用化を進めている。

エビデンスもしっかりしており、なんとnature の記事にもなり、注目された。

別グループにて、最近では、機械学習で耐熱性構造を上げるという研究もなされている。

最新、酵素工学の良いターゲットになっているようだ。今後の耐熱化など、注目していきたい。


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