サーキュラーエコノミーを見据えた生ごみ処理

今後のサーキュラーエコノミーを回していこうと考えた時に、生ごみの処理は重要なポイントです。生ごみは水分が多く含んでいるので、燃やすのにエネルギーがかかり、焼却施設の負担となります。その生ごみを逆にエネルギー源として取り出すことができれば良いですね。世界のトップ水メジャーであるveoliaはメタン発酵というシステムで、生ごみをメタンに変えて活用しているようです。日本でも新潟県や香川県でメタン発酵が大規模に実施されているようです。なぜメタンなのでしょうか?

メタンは牛のゲップから出てくることで有名ですが、腸のような酸素がないところを好む微生物によって作り出されます。この酸素がないことが良くて、酸素が必要な菌では、ばっ気処理といって、酸素を発酵層内に入れてあげて、かき混ぜないといけないのですが、この場合、酸素が必要ないので、ほったらかしで発酵が進んでいくのでコストが低くなるのです。

取り出されたメタンは主に燃料として、発電に使われ、エネルギーを得ることができ、サーキュラーエコノミーに貢献します。

また、生ごみを昆虫に食べさせるというアプローチもあります。長期旅行から家に帰ってきた際に、台所のゴミ入れにコバエがわいているということないですか?ハエは増殖が速く、2週間ほどで卵から成虫になり、さらに産卵します。昆虫の幼虫はプリプリしててタンパクが豊富なので、魚や家畜の餌として使えます。

これらのアプローチは大変有効なのですが、導入にはある程度の生ゴミの量が必要です。ただし、今は、ゴミ処理は法律で自治体が主になって対応することが決められており、その量を集めて、誰が音頭をとって処理するのか というところなどが難しいようです。統合化などで大量に生ごみを集めて、一気にメタンや昆虫作って産業化したいところです。

未来を考えたゴミ処理を進めていくタイミングは今が良さそうです。なぜなら、今、全国設備が老朽化しているからです。過去ダイオキシン排出の基準が定められて、それに合わない設備が2000年頃更新されていて、そこから考えて、今が20年目ぐらいで、施設もそろそろ更新しないといけない時期になってきました。地デジ移行のタイミングでテレビ更新みたいなものですね。

このタイミングで、自治体のゴミを統合し、大規模なメタン発酵設備を入れれば、日本はサーキュラーエコノミに一歩近づけるかも。と思う次第です。

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