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突発性難聴記 その1

一昨日、突発性難聴を発症した。
今後のためにも記録を残しておく。

2/10

仕事が少し長引き、22時15分頃に帰宅。シャワーを浴びてドライヤーで髪を乾かすところまでは何も感じなかったが、リビングに移動したときに耳鳴りがしていることに気付いた。22時30分頃。普通耳鳴りは弱→強→弱のように山型の波があるように思うが、このときの耳鳴りは一定の音がずっと鳴っていた。左の耳の奥のほう。嫌な予感がした。脳の病気になった知人が何人かいる。これは何か脳にまずいことが起きたのでは、という考えが頭をよぎる。頼むからおさまってくれと祈るような気持ちになっていたが、耳鳴りは止まず、音はどんどん大きくなっていく。左耳が聴こえにくくなってきたような気がする。10分ほど経過しても状況は悪化するばかり、これはさすがにまずいと思い、子どもと寝ている妻を起こすことにする。寝室に移動するために立ち上がり歩いたときにめまいを感じる。グルグル回るようなめまいではなく、前後左右が合っていないようなめまい。完全におかしい。妻を起こして状況を説明。夜間診療に問い合わせてもらう。自分は水分を摂ってベッドで横になる。心当たりがないではない。ここ数ヶ月、変なめまいがすることがたまにあった。一瞬まっすぐ歩けなくなるような。今は頭痛はなく思考はクリアだが、脳に障害が起きている可能性もあるという考えが頭から離れない。自分にはまだ小さな子どもが2人いる。障害が残るかもという恐怖からか、布団の中で体がガタガタ震えてきた。夜間診療に電話してもらったが、県ではこの時間には耳鼻科は対応していないとのこと。電話を代わってもらい、状況説明。動悸なし、心拍数異常なし、頭痛なし、耳鳴りが止まず聴こえにくくなっていっている。なるべく早く診察してもらった方がよいとのこと。他府県の夜間診療では0時30分まで耳鼻科をやっていることを教えてもらい、すぐに行くことにする。23時10分頃。着替えて用意して23時20分頃に家を出る。タクシー会社に電話したがこの時間に呼べるタクシーはないらしい。めまいで歩くのが少し心許ないため妻と一緒にタクシー乗り場へ。23時30分頃タクシーへ乗車、40分くらいで着くためなんとか間に合いそう。

夜の高速道路をタクシーは快調にとばしてくれるが、外を見る気力はない。めまいの影響か少し気持ち悪く、ただぐったりするしかない。タクシーで移動している間も左耳の聴力がどんどんなくなっていくのがわかった。感覚的にはほぼ聞こえなくなっている。思考は変わらずはっきりしていて、頭は大丈夫そうだというのが救いだが、この時点で左耳は一生ある程度聴こえなくなることを覚悟する。生まれつき聴覚障害者の知人がいるが、自分よりもはるかにパワフルに生きている。不便だし色々悲しいが、何とかなるだろう。

0時10分頃到着。夜間診療に着くと人はほとんどおらず、小児を連れた親御さんが何人かいる程度。自分も昔よく長男でお世話になった。看護師さんはコロナの防護服を着ていて大変そう。何やら申し訳ない気持ちになる。

耳鼻科へ行くと自分の6歳下の弟と似たような雰囲気の若い先生がテキパキ診てくれた。頭痛がないか、めまいで頭がグルグル回らないかを聞かれた。いずれもなしと回答。次に右耳、左耳を順番に見られた。異常は黒目の動きに出るようで、先生の指を目で追うように言われ、黒目の動きをチェックされた。さらに目の部分に何かマスクのようなものを装着しさらに黒目の動きをチェック。黒目の動きは特に異常ないとのこと。後で知ったが、おそらくメニエール病かどうかをチェックされたのだと思う。次に聴力検査へ。

聴力検査では正常であろう右耳から検査したのだが、左耳が聴こえないせいか、右耳が妙な音を拾ってくる。携帯電話が鳴るような音、子どもの泣き声。幻聴でも出てきているのかと思うような。これに反応してボタン押してたら、まだ何も鳴らしていませんよと怪訝な目で見られる。検査で鳴る音はいつものピーピープープーという音だとわかり、気を取り直してボタンを押す。

検査の結果をすぐに先生から教えてもらう。右耳は正常、左耳は中程度の難聴。ただし左耳もまったく聴こえていないわけではないらしい。平均聴力レベルは以下の通り。

3分法 右15.0dB、左55.0dB
4分法 右15.0dB、左53.8dB
6分法 右14.2dB、左58.2dB

結果、突発性難聴と診断された。突発性難聴の治療は発症後1週間以内に治療することが重要で、簡単に確率を示せば、1/3は完治、1/3はやや改善、1/3は全く改善なしに分かれるとのこと。総合病院でステロイドの点滴を受けるよう言われた。夜間診療所には点滴の設備はなく、明日は祝日でどこも空いてないので、土曜日の午前空いている総合病院を探して必ず治療してほしいとのこと。飲み薬を4種類処方された。0時40分。病名がわかり対処法がわかって安堵。この時間に診てくれた病院・医療関係者の皆様に心から感謝するとともに、医療アクセスの重要性について実感。タクシーで帰宅。

1時30分頃。タクシーを降りて家まで歩いているとやはり違和感。右耳がいろんな音をすべて拾ってくる。車の音がどこからしているのかがわからない。何でもない音がすごく大きく聴こえたりする。これは厄介だなと思いながら帰宅。

妻が色々と調べてくれていた。血行の巡りが問題のため、鍼灸治療などを併用する人もいるらしい。ハリは好きなので、効果あるかは知らないけど、別に悪くはならないだろうということで何でも試すことにした。いずれにせよ明日は祝日で、病院も鍼灸院も空いてない。ようやく晩ごはんを食べ、処方されたステロイド経口薬などを飲んで寝た。

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