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モノを捨てることの難しさ

最近、10年ほど前に購入した電子ピアノを手放した。当時、仕事のストレス発散になればと、衝動買いしたモノだ。

けっきょく、まじめに練習することもなく、手放すことになってしまった。実は3年ほど前に引っ越しをした時にも、手放すか迷った。だけど、手放す決断ができずにズルズルと持ち続けていた。

不要なモノなのに手放せない時って、いくつか理由があると思う。

・高価だったから捨てるのがもったいない
・思い入れがある
・いつか使うかもしれない
・捨てるのに手間がかかる

よくある理由はこんな感じだと思うけど、今回私をいちばん苦しめたのは、『思い入れ』だった。とは言っても、私が所有していた電子ピアノ自体に、ではない。

子どもの頃、ピアノ教室に通っていたが、発表会の前しかまじめに練習しない子どもだったため、一向に上達せず、中学の卒業と同時に教室はやめてしまった。

にもかかわらず、本当はもっと上手に弾けるようになりたかったのだ。そして、その夢をずっと持ち続けていたのだ。だから電子ピアノを自分で購入したのだけど、練習が続かず、弾けるようにはならなかった。

私が電子ピアノを捨てられなかったのは、『ピアノを上手に弾ける自分』への憧れが捨てられなかったから。そして、せっかくもう一度練習するチャンスがあったのに、がんばれなかった自分を認めたくなかったから。

そして先週やっと手放す決断ができたのは、いまの自分のがんばりどころは他にあるということを明らかにできたから。ピアノは弾けるようになれなかったけど、新しい夢は絶対に諦めたくないと思ったから。

あんなに悩んで手放せなかったモノも、業者に引き取ってもらう時は一瞬だった。もう電子ピアノを見るたびに罪悪感を感じることもない。そして、その勢いで他の『今まで手放せなかったモノたち』の整理にも取り掛かっている。

お盆休みが明ける頃には、部屋も心もスッキリしている予定だ。

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