天前学園 出発組


夢日記


気がついたら知らない部屋にいた

教室ぐらいの大きさで本が沢山ある

周りには30人ぐらいの同世代の男女がいた

知らない人ばかりでみんな戸惑ってる

扉が開いて 少し太った中年のおじさんが入ってきた

''こんにちは 私のことは先生と呼びなさい
今から テストを始める   不合格になったものは死んでもらう  この場にいる全員が敵だ''

空気が変わった

問い返す暇も与えられずに テストが始まってしまった

'' ここのブロックをK1とする''

その中年のおじさんが1つのロッカーを指した

''ここからそれぞれに与えられた法則に従い 自分のブロックを見つけ出せ''

私の手元にはB11とかかれた紙がある

何も分からないまま3分のカウントダウンが始まった

隣にいた女の子はすぐに計算を始めた

立ち尽くす暇は無い

理解していないことを周りに悟られないように ブロックを数えた

KからJ I H と戻っていって 9個目のBにあたる場所に行き 11本目の線の前に立った


終了の合図が響く

回答に自信がなく死を悟った私は目をつぶった




''生き残った2人 おめでとう''

無音の空間に中年男性の声だけが聞こえた


30人ぐらいいたのに たった2人しか正解しなかったのか

怖くて目が開けられない

左隣のブロックから物音が聞こえる

隣にいた人と私が生き残っているのか

''すみません 右隣にいた者ですけど 生きていますか…''

小声で話しかけた

''はい  でも怖くて目が開けられなくて…''

返事がきた やっぱり私たちしか残っていないんだ

1人じゃない安心感でほんの少しだけほっとした私たちは同時に目を開けることにした



目を開けると そこには30人全員がそれぞれの場所に立ち 生き残っていた

''ははは 冗談だよ 驚かせてしまったね こんなので不合格者は決めないし 死ぬことなんてないよ ''

さっきとは別人のような暖かい表情で笑う中年男性に その場にいる全員が安心した

'' 次のテストに進む   前に置いてある本を手に取りなさい ''

それぞれに違う本が置かれている

私の手には 「7人の死」と書かれた 気味が悪い 黒の本が置かれていた

''表紙に空が描いている 「LOOK」と書かれた本の人は座りなさい   渡された本から問題がでるから 君たちは少し目を通しておきなさい''

その指示に半分ぐらいの人がその場にしゃがみこみ 本を開いた


中年男性は残った人達の本の表紙を1冊ずつ見て回る

私の前で立ち止まった

''またすごい本をひいたね これは重要になるかもしれないよ''

私の本は とてもテストを合格するのに重要な本らしい

周りにいた人がこぞって集まってくる

'' あなた 自分だけ合格するつもり?
私たちにも見せなさいよ ''

周りの人達の視線が怖い

私は全員で生き残りたかったから みんなで本を見ることにした

読み始めてすぐ 机を叩く音が部屋に響いた

''そうゆうことはしてはいけないな''

中年男性の低い声が聞こえた

物静かそうなひとりの女の子が 本の内容を机にメモしていたのだ

カンニング   そんなことしなさそうな子なのにずる賢いなとも思った

''今すぐ下がれ''

その女の子は下を向き涙をためて立ち尽くす


中年男性が部屋の真ん中に歩いた

''ヒントを出してやろう  このテストの合否は 今ここで 私一人が決める
規則をみつけ 本質を見極めろ''

とても真剣な表情で言った

''全員本を閉じなさい 今から配る冊子を解け''

漢字の読み方や 文章の要約 計算問題等 基礎的な内容のテストだった

これは学力を調べているのか 何が目的なんだ

そんな事を考えながらひたすら問題を解いた


少し経って 中年男性が話し始めた

''まあまあテストはその辺にしておこう''

またさっきの暖かい表情で笑いながら雑談をし始めた

テストを解き続ける子や隣と少し話す子 色んな子が居た


私は 本質を見極めろ という言葉にずっと引っ掛かっていた

それを見つけるために中年男性の大したことない雑談を真剣に聞いた


中年男性が私の目を見て言った

''君 とても真っ直ぐな目で聞いてくれるね 加点しよう''

クラスの意識がその発言に向いた

加点   そんなシステムがあるのか 確かに合否は先生が1人で決めると言っていた

そこからはひたすらに 中年男性に媚びを売るための時間となってしまった

女の子2人組が手を挙げて

''先生〜 私たち帰国子女だから英語が話せるんです ちょっと聞いて貰えませんか〜''

明らかに態度を変えて中年男性に近寄る

少し英語を披露した後 中年男性が笑いながら言った

''君たちいいね  2人とも加点しよう''

きゃはきゃはと笑う2人 私たちだけに見えるようにニヤけた顔をする

みんなが焦り始める


絶対に何かがおかしい  本質を見極めろと言っておいてそんな人達がのし上がっていくなんて


ただひたすらに  本質  を探した


''わかった 皆と話すために少し自由時間としよう''

中年男性がそう言って 休憩のような時間が始まった

我先にと人を押し退け 中年男性に近づくみんなから離れて 見ていた

きっと話し方 内容に規則があるはず

いや この場所自体に何か隠されているのではないか

みんなから少し離れて部屋を見渡した

そもそもここは何だろう

そっと この部屋から出る唯一の扉から外を覗いた

廊下があって 他にも似たような部屋がいくつか見える

大きな施設の1部屋なのか


白衣を着た人達が何人か見える



人じゃない





人に見えるような生き物だが 顔が無い

何か黙々と研究を進めている 人のような者たちがいた


ここは私が普段いる世界じゃない

異世界のような 異次元のような


そうか これは実験なのか

恐怖 安心 いろんな状況での私たちの行動を監視していたのか

そう考えると 男性の別人のような態度も説明がつく


そう気づいた時 男性の声色がまた変わった


''テストは終了だ このテストでは 入学に相応しいか またクラス等を判断するために行った

何を見ていたかと言うと  「思いやり」だ

それぞれ紙が配られるから 読みなさい''

それだけ説明され 皆に紙が配られた



合格

天前学園  出発組

天前学園 とは ''天 がより 前 に進む''ための学校
その組織である

見ていた項目:思いやり

採点詳細………

………………………………




天 とは 天界の事で神や天使が存在するような 私たちとは違う世界のこと


やはり私の見解はあっていた

死を目前にした時や周りがみんな敵の時 そうゆう時こそ人の 本質 が現れる

いかに周りに思いやりのある行動が出来るか

そうゆう人を見極めるために  
そうゆう人こそが今の世界に必要であるから


不合格者は帰り 合格した数名のみが 部屋に残った


''合格した皆さんおめでとうございます
皆さんは 選ばれた人達です
この世界をより良くするために 一緒に頑張りましょう''


先生が 窓から見える宇宙を指して言った

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