あの頃の部屋

夢日記


受付に来た

ここは 空間 を提供する施設だ

小学生の頃仲が良かった友達に連れられてよくわらかないまま話を聞く

''コースはいかがされますか''

''学生で''

友達は即答した

店員は淡々と鍵を手渡し左の重い扉に案内する

105号室

友達の目はキラキラしていた

どうやら 当たり らしい

重い扉を押し 階段を降りる

そこにはたくさんの空気があった

看板と扉が並んでいる

''旅の部屋''

''自然の部屋''

''高校の部屋''

''夏の部屋''

奥に進むと 105 ''小学校の部屋'' が見えた

扉を開けると そこには嗅いだことのある空気で溢れていた

落書きで溢れた木の机   小さいチョークと汚れた黒板   奥に見えるなれないパソコン室   遊び道具の算数セット   

私はすぐに引き込まれた

荷物を放り投げて説明が流れるテレビに目を向けた

まずは服を着替えるらしい

小学生の頃の服を着て 砂で薄汚れた靴を履く

ポケットのスマホを取り出してカバンに入れる

この部屋ではスマホを触ってはいけないらしい

なぜなら 私が小学生の頃はスマホがほとんど普及されていなかったからだ

家の固定電話 ''懐かしいね 君の電話番号忘れちゃったな'' なんて話しながら準備を済ませる

ここでは しなければならない事なんてない

懐かしい物に囲まれて あの頃の記憶に触れる

走り回って遊んだ

身体が軽かった

トイレに行きたくなって 奥の扉を開けると そこには小学校のトイレが広がっていた

色んな種類の手洗い場も用意されていた

トイレの手洗い場 理科室の手洗い場 家庭科室の手洗い場

横には色んな石鹸が置いてある

緑色の液体の石鹸 市販で売っているような石鹸

私は白いネットに入った柑橘の香りがする石鹸を手に取った

あの頃の香り

水を掛け合ったり 石鹸を取り合ったりして 部屋 に戻った

我を忘れて長い時間が流れた



突然 音が響く

聞き覚えのない音 しつこく頭に響く音

奥から聞こえる

黒いカバン

中を探ると 四角の機械から鳴っている

どうやって止めるかわからない





スマホだ 

スマホの通知が鳴っていた
私は 部屋に 吸い込まれてしまっていたのだ

何時間   いや何日ここで過ごしただろう


友達に声をかける 

''そろそろ帰らないと ほらしっかりして''

''何言ってるの?教室に戻らないと''

引っ張られた腕を振りほどいて 何度も何度も声をかけた


友達の表情が変わった

戻ってきたのだ

''帰らないと''

2人で荷物を持って 走った

何度も立ち止まりそうになった

''まだあの頃に居たい''
''もう少しだけ''

そんな心を無視して 走り続けた

扉を開く



出られたのだ

しかし突然足に力が入らなくなった

もう小学生の身体ではない

重い足を持ち上げて 帰った


危険な場所だった

出てくる人が居ない時点で気付くべきだった

焦りと安心を抱えて 無事家に着いた




あなたは 今の部屋を 現実だと証明出来ますか

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