産休までの仕事の話。

病棟看護師。

長患い系患者さんたちにはご長寿が多く、介助量が多い。
若い患者さんも多いけど2〜3泊の予定入院がほとんどで回転が速い。
土日は回転の早い若者(70代は若者に含まれる業界)が退院するためベッドが多少開くが、平日にはほとんど満床。空いてるベッドには「なんでその疾患がうちの病棟?」って思う緊急入院が遠慮なく詰め込まれる。

そんな病棟で働く看護師でございました。

ちなみにまだ臨床経験5年未満のピチピチ。本当にピチピチだった時代を別業種で使い潰された転職組。

看護業界、全くもって人手不足。7:1看護なのに日勤受け持ち12人とかついてんの。馬鹿じゃねーの?まあ仕方ねーか、やるしかねーな。みたいな状況。

学生時代、業務部長の偉い先生に「看護師を目指す若者が多い時代。看護師が余る時代がすぐ目の前に来てるのよ。一生勉強し続けて実践していきなさい。あなたたちは決して職にあぶれる看護師になるんじゃないわよ」と何度も言い聞かせられてきたけど、どこにそんなに人手があるんだ。
(また話が逸れてしまった)

そんなわけで、どうしても身体に負担のかかる業務が多い仕事。
前回の流産の反省から9週を越えたあたりで早々に妊娠公表。

色んな人が負担の大きい仕事を代わってくれたけど、人手不足でどうしても自分一人で患者さんのおむつ交換や保清をしなければならない場面もある。お腹が張ってきても、それがしゃがんだ体勢でのトイレ介助や車椅子押しながら坂道を登っている最中だと休憩できない。
体重40kg未満の軽い人なら、ほぼ抱っこで抱え上げて車椅子に移すなんてザラ。
私身体大きいし百姓家系の出身なもので、他の華奢で綺麗な同僚ナースたちより明らかに力仕事に向いてるんです。
はっきり言って力仕事を代わってもらうより自分で動いたほうが精神的な負担が軽い。過去の妊婦さんたちの力仕事は「妊婦さんがそんなことしないでください!」と代わってたのに、自分が妊婦になると「いやいや妊娠しようが出来ることは出来るので!」と本気で思ってた。

力仕事をすることで、前回の流産に対して「ほら、こんなに力仕事して働いてもお腹の赤ちゃん元気に育ってるじゃん。リトルちゃんが亡くなったのはやっぱりどうしようもなかったんだよ。じゃないと今回だってダメになってるはずじゃん」という実績を作りたかったんだと思う。
多分リトルちゃんに関して思い出す時、何したってなんらかのネガティブな感情は一生伴うんだろうな。

妊娠しながら力仕事をしてるのが誇らしかった。「私、やるじゃん。」みたいな。

これが後々ブルーズに響くとも知らずに。私、やっちまったな。

うちの勤務先は妊婦の夜勤免除の制度が無いもんだから、ギリギリまで夜勤をせざるを得ないんだけど、最少人数で患者さん見てるわけだから突然休んだり勤務中に何か起きて早退したくなった時の周囲への負担がヤバい。多分私の性格だと無理して夜勤してしまう。
何もなくても、深夜帯は仮眠で看護師2名ずつ働くわけだから、その2人でおむつ交換に回らなきゃならない。やれば身体はキツいし、「私1人で大丈夫」なんて先輩に言わせてしまう状況も本当に申し訳ない。
勤務先に言いたいのは、そんな訳だから力仕事な全業種に告ぎたい。妊婦の夜勤は免除してくれ。

夜勤明けの気持ち悪さ・眩暈がひどい。そもそも夜勤をしている妊婦が流早産になるリスクが高いって研究も出ており、もう無理だなと。今シーズンは(夜勤手当て欲しさに頑張ろうにも)絶望的だなと自覚。

産院の先生にお願いして夜勤免除してもらえるよう書類を書いてもらい、妊娠7ヶ月から夜勤免除してもらった。それが却って身体に負担をかける結果に。

その頃の病棟は人手不足が加速してるのに業務量は増えていくばかり。
日勤で欠勤が出ても、減った人数のままでカバーしなきゃどうしようもない状況。
他部署から応援も時々は来てもらえるけど、みんな「この病棟ヤバいですね」と同情の声を残していく始末。私そんなヤバいとこで働いてたのか。育休明けどこに配属されてもやっていけるなと訳の分からない自信に繋げて自分を励ます。

超気さくな先輩が「夜寝てる方が自律神経崩れにくいから妊婦さんには悪いことじゃないけどさ!でも夜勤は勤務人数確保されてるしやることも少ないから、今は日勤してるより夜勤してる方が楽だよー。」と。(文字に起こすと煽られてるように見えるけど、全然そんなことなくて100%心配してくれてた)
日勤しかしてないのに出勤するたびに夜勤の申し送りを聞いてたな。ロング勤務じゃないのに。毎日疲れ果ててた。

この無理がマタニティブルーズの引き金になったんだよ。私、やっちまったな(2度目)

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