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UVERworld "THE LIVE" ~誠果生誕祭~ 昼公演 ライブレポート



2022年9月25日、ここはZepp Haneda

外からは羽田空港が一望できる開放的な空間にある比較的新しいZepp系列のライブハウスだ

今日はここでUVERworldのライブ、しかもメンバーのサックス・マニピュレーター担当である誠果の生誕祭が今始まろうとしていた

UVERworldは各メンバーの誕生日にワンマンライブを敢行、もしくはライブイベントに出演するルーティーンがある

それがワンマンライブの場合、誕生日のメンバーが好きなようにセットリストを組んで良いと言う仕様だ

直接、しかもライブでメンバーに祝福の気持ちを伝えられるのもこの生誕祭の魅力であるが

そのメンバーからの逆サプライズ的なセットリストも毎年話題となっている

そんな生誕祭に、今日はほぼ最大収容人数の約2500人近いCREWがチケットを勝ち取り

誠果をお祝いするべくZepp Hanedaに集結した


開演時間に向けてカウントダウンが始まり、14:00ジャストでライブはスタート

アルバム30が発売されてからある意味封印されていたまだ名前もないオープニング。まずは真太郎による爆音のドラムプレイ、続いて登場した本日の主役である誠果がサックスの音色を響かせる。

普段はポジション的にどうしても後方で、アグレッシブなパフォーマンスも魅せる機会が他のメンバーより少ないため

ライブ中比較的注目がされにくい2人が明確に脚光を浴びるこのセッションは2020年に披露されてから人気が高く

実に約10ヵ月ぶり、しかもライブハウスでの復活にもう既にZepp内は『盛り上がってる』状態が出来上がっていた

更にドラムソロで追撃をかけると楽器隊がステージに集結、すると5人によるパーカッションが始まる

続いてTAKUYA∞も颯爽と登場しお昼一発目とは思えないほど温まった歌声をお見舞いするとテープが盛大に発射されド派手なスタートとなった

この日の1曲目、Wizard CLUB

随所にサックスの魅せ場があり、心躍るようなリズムで何度もライブのハイライトを創り上げてきたキラーチューンいきなりの登場に

集まったCREWは完全に心を奪われ何度も何度も拳を上げて応える

「してやったり」とでも言いたそうな笑顔でグータッチするTAKUYA∞と誠果

曲終わりに誠果が持ち場に戻りPCの前に立つと次曲へのスイッチを押す

途端鳴り響く聞きなれた電子音に更に会場のボルテージが急上昇、まさかの7th Trigger

TAKUYA∞「っしゃぁぁぁぁぁぁ!!いくぞおらぁぁぁぁぁぁぁ!!」

この時点で今日はもうとんでもなくヤバいことになると確信したが後半に向けてセーブするなんてナンセンスだ、と言うかそんなこと不可能なほどに撃ち抜かれたCREW達はもう「最高潮」の状態で盛り上がる

続いてTAKUYA∞へ誠果が何かを投げ渡すと、極上のイントロとそこから抜けて来る場違いなほどに高らかなホイッスルの高音でエミューがスタート

誰しもが思ったであろう、これは「男祭りなのか?」と

「来い来い‼︎」と煽るTAKUYA∞に早くも人間臭さで充満するほどの熱気を放つCREW達

ツアータイトルでもある、THE LIVEに相応しいカオスだ

TAKUYA∞が拳を突き上げると流れるようにstay on

コーラスは既に全国のCREWが吹き込んでくれている、そこに身振り手振りで更に魂を吹き込む会場のCREWの一体感と

サビで炸裂する電子音とサックスのメロディに意識が飛びそうだ

一瞬の静寂の後、先ほどまでの熱気を一瞬で落ち着かせたTAKUYA∞が切なく歌い出す

『愛って 口先で簡単に言えるけど 究極の愛の姿ってどんなんだろう・・・』

このワンフレーズだけで多くのCREWが驚き、歓喜し、涙していた

数ある曲の中でも屈指の人気曲、AWAYOKUBAー斬るのサプライズ

【誕生日は祝ってもらう側が、祝ってくれる人を幸せにする】

UVERword各メンバーの生誕祭共通のテーマだが、まさにここまでの流れはそれを体現するかのようなセットリストだ

サウンドはロックなのに歌詞と歌の表現で泣けてくる、UVERword独自の魅力だがこの曲はその魅力が特に強い

『もうダメかもとか言っておいて 今年も一緒に居れたね』

こんな世界で今日この場所だからこそ、ほんの歌詞の一部ですらまた違った形で目頭を熱くさせる

開始約30分、汗と涙でぐしゃぐしゃにした強烈な前半戦となった


TAKUYA∞「今日は・・・UVERwordの個性を創ってるといっても過言ではない・・・サックスの誠果が考えてきたセットリストを否が応でもやる日です。それじゃ、主役から一言」

誠果「今日はお昼から集まってくれてありがとう! 今日のセットリストなんだけどさ、自分で組んどいてなんやけど・・・ヤバない?wwwめちゃくちゃ楽しいです!! でもまだまだこの後も色々仕込んでるから!!」

真太郎「と、いうわけですw はい、今日は誠果さんの生誕祭、通称【せいかんたい】と言いますw もうね、先ほど誠果さんも言ってた通り、物凄い構成になっております・・・我々も大変ですw かっちゃんもコケるくらい熱が入っててw。。。え?何?流血してるの?w」

流石にフロアに見せないようにしていたが、ギターの克也が前半戦でどうやら負傷していたようだ

とはいえライブに支障は無さそうで、本人も笑顔で逆に楽しげだ

真太郎「まぁね、ほんとは声を出して『おめでとう!』を伝えたいとこだとは思いますが・・・グッと堪えてね、拍手や身振り手振りで『おめでとう!』を届けてください!」



イントロをスキップしていきなり歌い出しから始まったUNKNOWN ORCHESTRA

色々仕込んでるの『色々』の1つが早速登場し、特に古くからのファンは懐かしいおなじみのフリで楽しむ

ダンスホールのような照明演出と、スクリーンも各メンバーをまるで電子空間にいるかのようにして映し出す等

細部まで曲の魅力を引き上げるこだわりに引き込まれる

続いていつか必ず死ぬことを忘れるなではドストレートなメッセージとサウンドに胸が熱くなる

歓声がないからこそ曲中の静寂からの金属音にはスリリングな緊張感に包まれた

懐かしい、珍しい曲がきた時のCREWのリアクションは特に分かりやすく

ステージのメンバーにも伝わっているのだろう

「いいね!その調子でどんどんいこうぜ!想像以上の今日を、理想以上の現実を!IDEAL REALITY

しかし歌い出してすぐに「ちょっと待って!」と演奏を止めさせる

「お前(信人)・・・ベース弾くの忘れてたろ! もぉ!!集中!! 俺も今日久しぶりの曲多くて緊張しててめっちゃ集中してんだからな!」

「分かった‼︎ お前今までで一番いいベース弾けよ!」

仕切り直しが逆にメンバーの集中力を高めることとなり、それが曲とマッチする力みの取れた演奏になった

またこの曲のサックスは優しく寄り添うような音色で心地いい

『心の距離現場に、埋めに来たんだね』

歌詞の一節をそう変えて歌うTAKUYA∞のにくい演出も

【メンバーが組んだセットリスト、そこに込められた想いを汲み取って歌や言葉にして届ける】

以前そう語っていたTAKUYA∞、このアレンジも何かを感じたからこそだったのかもしれない

「行こう行こう!更にグルーヴ高めていこうぜ!!UVERwordの新しい扉を切り開いた曲!! MakingitDrive!!」

懐かしさから現在まで、UVERwordの歴史を体現するような流れに感動する

先ほどの集中力がメンバーをゾーン状態にしたかのようなグルーヴを生み出していた

決してテンポが速く音数の多い曲ではないが、だからこそ1音1音に込められた爆発力がたまらない


「さっきの・・・俺たちと一緒にジャンプするの気持ちいいって言ってる人をネットで見て・・・10人くらいかな?いたから皆そうなのかなと思ったけど・・・さっき10人くらいしか飛んでなかったw あれ?そうでもなかったのかなw 今日はその10人全員来てくれたってこと?w」

「いや、ノリ方はなんでもいいんだよ。ライブは底なしの自由な場所なんだから。俺だって一番好きなノリ方ってこう(腕組んで地蔵w)だもんw 皆は俺よりもライブの楽しみ方や・・・盛り上げ方が上手だから色々やってくれてほんとにすごいと思う」

「それで言えば・・・今日、エミューをやった時、笛を誠果から受け取るんだけどアレめちゃくちゃ好きなんだよね‼ うまくキャッチできたら通じ合ってるなぁってテンション上がるというか・・・ほんとはそのまま笛持ってりゃいいのに、今日はあえて誠果に返して・・・また必要な時に受け取るというwww だから今日は最初しか吹けてなかったねwww」

この間キャッチボールするかのように何度もホイッスルを投げ合う二人に癒される

「これからは何度手間でも毎回投げ返すwww」と宣言


「あ・・・信人お前・・・さっきホントは弾いてたろ? よくよく考えたらお前が忘れるわけないよな。自分の魅せ場一番分かってるのに。スタッフさんが音出し忘れたの庇ったのか? ッお前愛くるしい奴だな!!」

なるほど、先ほどのトラブルはどうやら音響側のミスだったようだ

何気ないワンシーンだったが、それでも怒ることなく責めることなく何なら罪を被ってでも更にいい状態を創る彼らの懐の広さが垣間見えた


「すごい内容だしね、トラブルもそりゃ起こるよ・・・それにしても今日のセットリスト楽しいな・・・今年は夏フェスにもいっぱい出たからフェス用のセトリで沢山やってきたけど・・・やっぱり一番やりたいのはこう言うワンマンだよね‼ 久しぶりの曲も沢山あって緊張してるけど・・・あ~・・・そうだね・・・昔の曲をやると・・・なんかちょっと変な感じになるような・・・いや、きっともっといい空間になるはず!次の曲はUVERwordの隠れた名曲10選に入る名曲・・・・・・・・ッ・・・・体温

これには「わぁ~」と言う悲鳴が防ぎきれず漏れるCREWも多かった

比較的演奏されるのでは?と予想されていた曲ではあったがいざ本当に演奏されると感動してしまう

バラードベストにも収録されるほどの名曲が、当時より更にアップデートされたTAKUYA∞の歌と表現で耳に入る


「歌詞を書くときは思いついたことを日記のように書き綴っていくわけだけど、その中には実体験も含まれたりしてて・・・曲をやるとその時のことを思い出して寂しくなったり・・・悔しくなったり・・・嬉しくなったりするんだよね。 次の曲も、所謂古参の人にとってはもしかしたら思い出深い曲なのかもしれないね」

そう言って披露された君の好きなうた

原曲には無いサックスパートが曲をより深く切なくさせる

「今の珍しい曲、なんと夜はやらないからね!お昼公演もっといい所へ行こうよ!」

Ø choir、誠果が正式にメンバーとなって始めて制作されたアルバムのタイトル名と同じこの曲

誠果自身にとって、メンバーにとって一つのターニングポイントとなった大切な一曲であり

始まりの合唱と称されるこの曲は、今日この日だからこそ余計に涙を誘う


「さぁ次はメンバーからの音のメッセージ‼︎」


新たなインストナンバーANOMALY奏者。まだ数えるほどしか披露されてない上に音源化すらされてない産まれたばかりの新曲だ。

ギターの2人から始まり徐々に音が集まってきて終盤全員でセッションするような展開に圧倒される

そして一転、薄暗い照明に只ならぬ雰囲気の中内臓を揺らす程のパーカッションが始まる

「ところで!今日夜来れない人どれだけいんの!?・・・なんだよ!ほとんどじゃねぇーか!じゃあ余すことなく!全部味わっていけぇぇぇぇ‼」

再び序盤のような熱狂を呼び戻したのはCollide

歌に、演奏に、振り上げられる拳に一層熱が込められ天井知らずのラストスパートが始まった

「まだまだこんなもんじゃない!最近あんまりやってなかった!UVERwordの必殺技‼いけ誠果‼」

極上のサックスのメロディーから始まるUVERworldの代表曲ナノ・セカンド

ここしばらくは披露される回数も減っていたがやはりかつての定番曲は強い

体と心に染み付く程聴いた曲ほど一体感が産まれる

「俺はもう夜のことなんか考えてねぇぞぉぉぉぉぉ!余力なんて残すつもりねぇからなァァァァァ‼︎全員の導火線に!火をつけるくらい!全部出し尽くしてやらっぁぁぁぁ‼Touch off‼︎ 」

各地のフェスで盛り上がりのピークを作るポジションに抜擢されたこの曲も毎回盛り上がりが更新され続けている

「おめぇらも来い!」とCREWに煽るTAKUYA∞

それは『声を出せ』では無く『全部出しきれ』と言う喝のようだった

【規制されたライブでステージ上のアーティストがいつも通りでいい訳ない】

そう感じれる彼らだからこそのパフォーマンスがそこにあった



「マジで最高‼ こんな最高な空間を一本一本大事にしていきたい。当たり前だと思ってたことが、ある日突然あっけなく奪われてしまうのを経験したから・・・だからこそ今一番大切に歌いたい曲を・・・心を込めて歌うよ誠果」

ここでようやく最新アルバム30からの選曲

特別なライブでも欠かせない存在であり続けているEN

間奏中に

「今日の涙を忘れるな!今抱えてる悔しさを忘れるな!そして!諦めない限り!絶対終わることはねぇぞぉぉぉぉぉ! だから!また、会えるかもしれない場所を探してそこに行く!」

とその日その場所で伝えたいメッセージを付け足して毎回表情が違う

今日のメッセージも真っ直ぐ心に響いた

「もっといい曲を作りたい!もっといい歌詞を書きたい!もっと売れたいし愛されたい!だからこそ、俺はこの歌を唄う」

更に同アルバムからOne stroke for freedom

こんなCREWが喜ぶセットリストをくらってからこの曲を聴いたら、いつも以上にどれだけファンの事を想ってくれているのか伝わってくる

「ありがとうございました!もう夜に余力残すことなく出し尽くしてますw もう間もなく、皆が待ち望んだ空間が戻ってくると信じてるんだけど・・・もしかしたらまだそこまでに壁があって・・・もっと強くならなきゃいけないかもしれない・・・でも、それで人の痛みが分からないような人間にはなりたくない・・・そう思って書いた曲です・・・あー最後の曲です!ありがとうございました・・・・・・ッ・・・ピグマリオン

先月リリースされたばかりの新曲

1番の歌い終わりまで一切楽器の音が入らず歌とそれを彩るボコーダーエフェクトのみと言う究極に削ぎ落としをした曲

それゆえに歌とメッセージが何の障壁もなく届くし1番の終わりから入る演奏が物凄く壮大に聴こえる

「本当に最高だったぞぉぉぉ‼また、必ず日本のどこかで会いましょう!新しい時代に足跡付ける!俺たちがUVERword!よろしくどうぞッ!」

とてもじゃないがこの数時間後に再びライブをするバンドのペース配分じゃない全身全霊の2時間がエンディングを迎えた

TAKUYA∞「じゃ、お昼しか来れない人いるらしいから誠果。挨拶して。じゃーね‼︎」

主役を残して全員が手を振りながら捌けると思ったが

「寂しいやろから一緒に喋るわw」と信人が残りトークする

誠果「どうやった?お昼のセットリスト」

信人「ホンマに楽しかった、ありがとう!! 楽しすぎて・・・いいライブの時ってさ、意識がどこかに飛んでいくことない?俺今日何回かメタバースに飛んだわw

誠果「仮想空間に!?www

誠果「みんなはどうでした?良かったです?よかったでしょ?w 知らない人もいるかも知れないけど先月duoでやった時にSNSでみんなの聞きたい曲を募ってん。それを参考にしたり・・・自分のやりたい曲も入れたり色々混ぜて・・・俺たちお昼の方がなんちゅうんかな、すごくコアな人が来てくれてると思ってるからもしかしたら知らない人もいっるかもしれないような曲も入れて・・・気が付いたらすごいセトリになってw 自分が一番楽しんでましたw俺ってさ一番冷静でいなきゃいけないの、マニピュレーターだから。でも楽しぎてライブ中何回か意識飛んでたw これメンバーに怒られるやつw でも皆が喜んで盛り上げてくれたおかげで最高のライブになりました!ありがとうございました!」

深く頭を下げて感謝の意を伝えるとドラムセットと誠果の台の間で見守ってた真太郎に締めを託す

「保護者みたいw」と笑いつつも

真太郎「ありがとうございました・・・皆さんの気持ちはね、声出さなくても届いてますから・・・ね?」

誠果が深く頷くと大きな拍手が

「はい、UVERwordこれから年末にかけてツアーもやるので、よかったらまた遊びに来てください、ありがとうございました‼」


こうして『バグってるセットリスト』と会場内外、全国各地のCREWが驚いた昼公演は幕を閉じた


誠果はこの後、メンバーや夜公演に来るCREWも喜ばせようと

お昼とは全く違うセットリストのサプライズを用意していた



9月25日

誠果の生誕祭はまだ続く

https://note.com/white_liverepo/n/n05d9bb99882a


01.Wizard CLUB
02.7th Trigger
03.エミュー
04.stay on
05.AWAYOKUBA-斬る
06.UNKNOWN ORCHESTRA
07.いつか必ず死ぬことを忘れるな
08.IDEAL REALITY
09.Making it Drive
10.体温
11.君の好きなうた
12.Ø choir
13.ANOMALY奏者
14.Collide
15.ナノ・セカンド
16.Touch off
17.EN
18.One stroke for freedom
19.ピグマリオン





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