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MY FIRST STORY(THE BONDS 2020)

8月1日
中止となった野外フェス「ジャイガ」のスピンオフイベントとして「THE BONDS 2020」が大阪城ホールにて開催された

「今だからこそ生のライブを届けたい」と言う信念の元、国のガイドラインに従い徹底された感染症対策が施されまさに「今だからこそ」の形で当日を迎えた

時間差による規制入場がアナウンスされ、入場口まで進むとまず追跡アプリのDL・登録のチェック、チケットは全て電子チケットで操作も来場者がスタッフの指示に従い行う
更に入場毎に行われる体温チェックと、フロアの入口には履物の消毒が行われてようやくフロアに入ることができる

アリーナは1m四方の枠が設けられ、その枠内からハミ出る行為は禁止されており
スタンド席も両隣りに人がいないように調整されていた

常にスタッフが巡回しており、感染リスクが高くなるような行為を厳しく取り締まると何度もアナウンスされ、開演までどこか重苦しささえ感じるような空気だった


しかし始まってみればすぐにアーティストも来場者も新しい形に順応して、ダイブモッシュどこかコール&レスポンスやシンガロングもままならない中でも熱気に包まれた


そんな1日のトリに抜擢されたのが「MY FIRST STORY」
個人的にライブを観るのは2度目で、前回は7曲ほどの短い持ち時間でのライブだった。


今回はトリで持ち時間は約50分、そして奇しくもトリ前の「マキシマム ザ ホルモン」が9ヶ月ぶりの復活ライブとなり攻めに攻めたセットリストで圧倒した直後。

大事な初日をどう締めるのか、ある意味この日一番期待していた。

アリーナ席はソールドとなってはいたが、直前新規感染者数が増加傾向となった現状を省みて、行かないと英断した人も少なくない。

リスク回避のため最後まで残ることを断念せざるを得ない人もいて、少し寂しさを感じる中でサウンドチェックが始まった。


「MONSTER」「LET IT DIE」「REVIVER」と、とにかくキラーチューンを小出しにリハを進めていく。
本編のセトリが全く予想できない笑

予定時間を少し過ぎた頃、ゆっくりと暗転しいよいよ本日最後のライブが始まる

SEの重低音に合わせた赤い照明が照らす中、Kid'z(Dr)、Teru(Gt)、Nob(Ba)が配置につき、最後にHiro(Vo)が勢いよくステージに立つ

「久しぶりだなぁ大阪‼︎ 始めようか‼︎」

歓喜に満ちた叫びと爆音で始まったのは「ALONE」
声にできない興奮と感動を拳やヘドバンで体現するフロアにステージのメンバーも数ヶ月のブランクを感じさせないパフォーマンスで返す

そのまま「Missing You」に入ると飛び跳ねたりガッツポーズで喜びを表現する人達
今までのライブの形ならフロアは凄いことになってたんじゃないだろうか笑

嬉しいのは来場者だけではなかったようでTeruとNobがグータッチする場面や、モニターに笑顔で気持ちよさそうにプレイするKid'zの姿が何度も映し出された


Hiro「大阪どうですか?楽しんでますか?……本当にお久しぶりで……なんか臭ぇな?www なんか雑巾の搾り汁みたいな臭いがwww」


トリ前のライブ、マキシマム ザ ホルモンのダイスケはんがMC中に「これ消毒してると思うでしょ?じつはこれ雑巾の搾り汁です!次マイファスのHiroがここ来て歌う時に『クサッ‼︎』ってなるようにしてますw」と振ったネタもしっかり回収していく笑

「フェスに出るとね……たまにあるんですよwww 行儀の悪いバンドの後はねwww 色々www しかしこーゆーのも久しぶりですね‼︎ 色んなイベントができなくなって…….僕らも自分達のツアーを中止にしなければならなくて……さっきホルモンも言ってたけど何が正義とかは無いんだけど….…でもそんな中こうやって勇気を持って開催してくれ事、本当に尊敬します。そして何よりこんな中集まってくれた皆さんに本当に感謝してます。ありがとうございます」


「僕らもこんなにライブしなかったの久しぶりと言うか今まで無かったんじゃないかな……ね、皆さんどうですか?……久しぶりの……あ、そうかみんなは声出せないんだ……今日セットリストさぁ……めちゃくちゃ歌って貰うやつ多いんだよねwww」

Kid'z「ALONEとかもういきなり笑」

Hiro「そう‼︎そうなんだよ‼︎www 歌いながらどうしようかと思ってさwww 『we are not alone』俺のパートじゃないしwww」

Kid'z「いやそこ本来あなたのパートですからね⁉︎」

Hiro「違うよ〜‼︎www てか待ってよ、次も歌うとこあるでしょ?次の次もそうだし‼︎ なんでこのセットリストにしちゃったの⁉︎www

Kid'z「なんか楽しみたいが先行しすぎちゃった感あるねw」

Hiro「あと俺さぁ、よく歌詞飛ぶから分からなくなったらこう(マイクをかざす)……してみんなに歌って貰うから今日はそれができない‼︎www やばいですねぇ……我々が今までどれだけ皆さんに頼り過ぎていたのかwww いつまでも皆さんに扶養して貰えると思っていたのにwww 扶養バンドwww」

どこまで冗談なのか分からないくらいのゆるいMCが続くw

「どうしようかなぁ………やべぇな……なんも考えできてなかった…………ふふwww……まぁあのさっきホルモンが言ってたみたいにどうしても声が出ちゃう時はこう手で塞いだりしながら……うまいことやっていきましょうw」


MCの後、囁くようなクリーンボイスで始まった「君のいない夜を超えて」
手で目頭を押さえる人や思わずその場に座り込んでしまう人もちらほら
大きく変わってしまった世の中で、丁寧に歌い上げられる歌詞の一つ一つが感動的に伝わってくる


「mine」のサビではステージ上をクルクルと踊りながら気持ち良さそうに歌い上げ
本来ならシンガロングを煽る間奏で
「声は出さなくてもいいよ、(皆の声は)ちゃんと届いてるから、そのかわり、みんなで手をあげてくれないかな⁉︎」

歌えない分会場中が腕を上げて想いを届ける光景にHiroは優しく「大好きだよ」と伝えラスサビを壮大に歌いきった

「新曲やります」と、ニューアルバム「V」から既に公開されてるアンダードッグでもハイエナでもない新曲が披露された

重低音がズシズシ響く中でメロディアスでもありどこか哀愁も感じさせる展開はマイファスの良さが詰まったような完成度だった

「さぁ後半戦、楽しい時間はあっという間に過ぎますね、でもこっからもう一度盛り上がっていけますか⁉︎」

「無告」が始まると聴くモードから暴れるモードへ
拳を上げたりヘドバンしたりツーステップしたりと各々の好きなスタイルでフロアは盛り上がる

「さぁさぁまだこんなもんじゃないでしょ?一緒に踊ってくれるやつはどいつだ⁉︎」

「モノクロエフェクター」のサビはダンサンブルな面が照明と相まってより強まり各々自由に踊り楽しむ
演奏に集中していたTeruやNobもフロアを身振り手振りで煽る煽る


「さぁもう終わるぞ‼︎」と休む間もなく「不可逆リプレイス」へ突入
メンバー4人とも歌と演奏に集中し、息の合ったステージングを魅せる
本当はダイブとかしたいんだろうなぁと伝わってくる程限られたスペース内で荒ぶる人も


「ラスト一曲です」
「今日は本当にありがとうございました、ラスト、声が出せなくても関係ない、みんなで一つになりましょう‼︎」

この日のエンディングにふさわしい曲「With you」

「今の世界に何を想う?今の世界をどう思う?今日このイベントを一体どう思うよ⁉︎
どう思おうがお前らの自由だ、でもな、忘れちゃいけないことが一つだけある。 俺らにとって音楽は不要不急なんかじゃない‼︎ 今確実に必要なものだ‼︎ 世界は目に見えないコロナってやつに怯えきってる……でもそれと同時に俺たちは目には見えない音楽で繋がってるって本気で信じてる‼︎ バカだと思われるかもしれないけど…………今日ここに来てくれたお前らのことを誇りに思ってます、みんなの勇気に感謝します、今日は本当にありがとうございました‼︎」


間奏中に入りきらないくらいの熱いメッセージと共に今日1番の一体感を生み出した


演奏が終わった後メンバー全員が長く長く頭を下げる
アンコールはなかったが、フロアからの拍手はメンバーがステージを後にして規制退場のアナウンスが始まるまで鳴り止まなかった

素直に魅了されまくった50分だった
あと次はワンマンでたっぷり堪能したいと思った
もっと贅沢を言えば来年はジャイガとして舞洲の野外で開催され、そこでまた彼らのステージを今日を思い出しながら観てみたい笑


ここまで徹底した運営とアーティストから受け取った想いを受け取り、来場者は真っ直ぐ帰路に就いた


この後公開されたマイファスの新しいアー写はまるで暗い地下の天井を切り開き、明るい青空が広がる外へ連れ出してくれそうなものになっている


まだ中止になってないツアーに新しいアルバムも含め、何かしでかしてくれそうな気がする笑 楽しみだ。


そしてこの世の中に先陣を切って開催してくれたTHE BONDSスタッフの皆様と、出演してくれたアーティストの皆様に今一度敬意と感謝を。

THE BONDS 2020  MY FIRST STORY    セットリスト
01. ALONE
02. Missing You
03. 君のいない夜を超えて
04. mine
05. 新曲
06. 無告
07. モノクロエフェクター
08. 不可逆リプレイス
09. With You

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