UVERworld Warm-Up GIG 2022 大阪 夜公演
6月6日
UVERworldにとってもcrewにとっても特別で大切な日
バンドの結成記念日だ
この日は例年バンドの生誕祭としてライブをやることが通例であったが、ここ数年は思うようにライブが出来ずにいた
今年は実に3年ぶり、しかも記念日では本当に久しぶりの関西で有観客ライブがアナウンスされた
会場はZepp Osaka Bayside
ライブハウスとしては最大級の規模ではあるものの、アリーナクラスを容易くソールドさせてしまう程の人気がある彼ら
しかも単発のライブと言う事でチケット抽選は激戦となった
タイトルにWarm-Upとも付いているが、果たしてどんな内容になるのだろう
そんな貴重なライブの模様を脳内に焼き付けて、僕の言葉としてここに残して置こうと思う……
18:59:00
開演1分前になると照明スタッフの計らいなのか少しだけライトを動かして『もうすぐ始まるよ』と合図してくれる
最後に参戦したライブ(2021年12月31日)の時はこんな演出は無かったので驚いた
18:59:30
手拍子が大きくなり待ちきれないのか感覚が1秒よりどんどん速くなる
18:59:50
最早拍手に近い手拍子、興奮と期待が最高潮に達した時
19:00:00
慣れ親しんだSEが流れて会場が暗転
最新アルバム30の最後に収録されたインストナンバー
NEVER ENDING WORLDが流れる
『その笑顔が布で覆われ隠された日も』
『君の姿が遠く離れ見えなくとも』
『俺達は不安を感じることは無かった』
あの曲の歌詞から抜粋されたメッセージがスクリーンに映し出される
そしてステージどころかフロア前方まで覆い尽くす程のスモークが焚かれると、1曲目のイントロが流れ出し
まるで朝霧に包まれたようなステージに彼のシルエットが
透き通るようなクリーンボイスに多彩で絶妙なエフェクトがかかった歌い出し
照明の効果も相待って山頂から観る夜明けような……
まるで自然が作り出す幻想的で感動的な光景そのもの
ただ1人、中央のお立ち台に立ち
打ち込みの音源に合わせて丁寧に歌を紡ぐTAKUYA∞
サビに向かって霧が少しずつ晴れていくと残りのメンバーもゆっくりとそれぞれの配置に付き
サビの『Will take you to the light from the dark night』に合わせて一気にUVERworldのサウンドを爆発させる
アルバム30からアルバムバージョンのAVALANCHEで幕を開けた
これほどドラマチックで壮大なオープニングを……しかもライブハウスでやってのけるロックバンドが他にいるだろうか
「行くよ!23年目!1発目のライブ‼︎夜公演‼︎」
熱い煽りから流れるように歌い出しの『生きると言う全てのanswer』へと繋ぎ始まったFight For Liberty
一転して激しく突き上げられる拳が多発
早くもライブハウスに熱気が充満した
かと思えば一瞬の静寂から聴こえてきたのは久しぶりの浮世CROSSING
『ありのままが素敵だと言ってくれた事が うれしくて』と本当に嬉しそうに歌うのだからなぜかちょっと気恥ずかしくなる
それにしても冒頭のたった3曲
ここだけでもこのバンドの歴史の深さと世界の広さが垣間見える
AVALANCHEではBPMが早く無くても熱く盛り上がる……より音と言霊に特化した今の彼らのトレンドと言えるような空間になったし
Fight For Libertyではむき出しの情熱でダイブやモッシュが乱立するような熱くてスリリングなあの頃の光景が目に浮かんだし
浮世CROSSINGでは座席指定のホール会場でよく見る分かりやすくて優しいノリ方で一体感に包まれ
それにどこか懐かしさを感じてしまう
「22年もやってると色々言ってくる奴らがいたなぁ‼︎
UVERworldが1発屋で終わるとかさぁ‼︎あれ言っちゃってたの誰だ⁉︎」
誰が言ったでは攻撃的で台詞のような歌い回しを駆使し
決してこの道のりが順風満帆では無かった事を表現
ラストのワルツのような部分も、ピンスポットで照らされたステージ中央でTAKUYA∞と信人が社交ダンス?を繰り出し締めると言う遊び心も忘れない
「3年ぶり、バンド結成日のライブ………俺達としてはライブが出来なくても平気!って振る舞ってたんだけど………ここにあるもの………俺達の唯一無二の空間は誰にも奪われないって確信してたのに2020年、こうもあっさり全て奪われてしまって……… やっぱりどこか不安もあったかもしれないね」
「去年なんかはカンタ(水溜まりボンド)に来てもらってメンバーみんなでファン達とゲームしたり……柄にもなくメンバーみんな走り出したりさw それでも………音楽やライブが否定され取り上げられても……俺達は自分達の未来に絶望だけは感じてなかった‼︎」
前半戦の締めは在るべき形
この数年間、誰よりも早く高クオリティな配信ライブを敢行し
年内にはアリーナツアーも行い
更にファンのコーラスを募り、規制下でも新しいライブの形として進化を続けてきた姿を見て体感したからこそ説得力が更に増したメッセージに目頭が熱くなる
「3年分の時間を取り戻すようなライブを、今日は楽しみましょう‼︎」
一旦ブレイクを挟みMCへ
真太郎「改めましてUVERworldです‼︎………楽しいですか?笑 楽しめてますか皆さん?笑 え〜……どうですか信人さん?w」
信人「ヤバいわ……ヤバい……うん……ヤバいしか出てこぉへんわこんなの。 うん……………もっと喋ろって?笑」
真太郎「いやぁw22年分の溜まりに溜まった想いを是非w」
信人「そんな溜め込んでへんわ‼︎w あっても精々ここ2、3年分や‼︎w つかもう既に熱い‼︎熱気でもうステージヤバい‼︎(汗で)びちょびちょやでもうw」
2階席後方も確かに熱い……本来は換気と空調で多少はマシなはずなのだが笑
真太郎「えー今日はですね、先程も言ってましたがこの、6月6日にライブするのは3年ぶりになります……… まだまだ規制はありますが……久しぶりの記念日ライブですので!ルールの中で思いっきり……最後まで楽しんで下さいね」
真太郎「因みに……今日が何の日か知らない人います?……流石にいないか?笑」
TAKUYA∞「いやだってさ、今日ほとんどFCの人達だぜ?めちゃくちゃ激戦だったんだって‼︎ お昼も来てて夜も来れてる人……確か30人くらいしかいなかったと思う……でもお昼とだいぶセットリスト変えてきました‼︎」
TAKUYA∞「これさ、セットリストを変えていくのって凄く大事な事だと思っていて………今日来れなかった人達もセットリスト見て喜んでくれるんだよ。あの曲やったんだ!じゃあいつか聴けるかも‼︎って………だから色々変えていく事は凄く大事………なんでしょ⁉︎」
会場からは大きな拍手が沸き起こる
「任せてよ」と笑顔でグーサインをするも
「気持ちが入りすぎて歌詞飛んだりするかも笑」と緊張することもちゃっかりアピール
「…………22年続けてきて……まさかこんなに続けようなんて思っちゃいなかったけど……常に最高の状態でパフォーマンスが出来るように、いい音楽が届けられるようにって今もメンバーそれぞれ色々やってるんだけど…………これほどのライブができていい曲を作れてるのが間違って無かったって証明してるよね。みんなも俺達を見て何か感じるものがあるならこれを思い出して。俺達も昔は……
〜あなた達と同じ場所にいた〜
証明完了と告げたQ.E.D.で中盤戦がスタート
crewのコーラスがミックスされてからは初めて聴くが
この曲の感動的な側面をいい塩梅で引き立たせていた
「今日来れなかった人の事も思って……」と会場にいないファンにも向けて奏でられたシリウス
夜空を連想するような照明とスクリーンに映し出されるリリックビデオが曲をより心の奥にまで届かせてくれる
「最近フェスばかりでやりたくてもやれない曲もあってフラストレーション溜まってんだよ‼︎やりたい曲どんどんやります‼︎」
一転して真っ赤な照明とクラップから始まり暑苦しいほどの声に変わって拳でレスポンスしたPLOT
2018年、ベストアルバム発売された頃の定番曲達が続く
1月末から3月にかけて新旧織り交ぜたセットリストを組み込み盛り上がったライブハウスツアーで
絶妙に選曲して来なかった部分をまとめてもってきたのは流石の演出
そこからフェスではやっていない最新アルバム30からTHUG LIFEへ
トリッキーな歌詞とキャッチーメロディーにダンサーが登場するリリックビデオ
ついつい体が動き出す
「結成した時は…………まさか22年も続けるなんて全然思ってなかったし…………音楽っていつ、どこでやるかでメッセージの受け取り方……感じ方って変わってくると思うんだけど………これ作った時も今日みたいな日が来るなんて思いもしなかったなぁ………そんな、今日この日にひときわ輝く曲」
やっぱり結成記念日に1番聴きたかったこの曲、earthy world
TAKUYA∞は勿論だがよく見るとメンバーも演奏しながら所々口ずさんでいるようだ
そしてGOOD and EVIL
サビでは特徴的な電子音と音源より押し出された楽器の爆音が絶妙にミックスされてどうにかなってしまいそうなほど音に酔いしれる
「ホントは夜公演はやらないつもりだったけど………みんなが凄く喜んでくれてたからやります……マダラ蝶」
タイトルコールで軽くどよめきが起こり、紫の照明に照らされて始まったマダラ蝶
アルバムに収録されてないカップリング曲にも関わらず未だに隠れた名曲として支持されているこの曲を持ってくる辺り
ファンの声を確実にキャッチしてくれているのが良く分かる
「さっき俺またやってた………ホントはね?9曲目やってGOOD and EVILだったんだけど思いっきりあーしー‼︎ってwww 俺たまにやっちゃうんだよ……ってかお前(誠果)良くやれたな‼︎ 」
「いやほんとに最初気付いて無くてwww 曲が始まってからPA卓の方みたらみんながもうこーんなん(お手上げのポーズw)なっててwww えっっ⁉︎ってよく見たら1曲飛ばしてた事にようやく気付いてwww ………でも凄いよね、何も言わなくてももうこことここ入れ替えるってすぐやれて、プロだね笑」
「それにしてもさっきのマダラ蝶みたいな昔の曲……UVERworldはどんどんやらなくなっていくんだけど……それは別に昔の曲が嫌いになったとかじゃなくて……なんだろ……月日が流れていくと曲を作った当時と気持ちが変わってたりしてるとかもあるし…………その時に感じてた悔しさとかもどかしさみたいなのを思い出して………なんかあの頃に戻っちゃうような感覚になるから楽しいよりちょっと切ない?みたいな気持ちが勝っちゃったりする事があるんだよね……」
「まぁでも………みんなが喜んでくれるし、今のUVERworldだからこそ表現出来るものがあるとも思っているので。ちょっと緊張するけど……心を込めて……恋いしくて」
マダラ蝶もそうだったが今のUVERworldが演る懐かしの曲は物凄く聴き応えがある
1番はただでさえリリース当時も感動的だったTAKUYA∞の歌が更にアップデートされていて
この2曲に関しては特に切なさの表現に磨きがかかっていてたまらない気持ちになった
「それでは、夜しかやらない曲を」
そして新しいUVERworldのロックバラードとも言えるNAMELY
いつか終わりが来ると分かっていても今は幸せを噛み締めたいと言う先程の2曲とはまた違った切なさ
そして最新の音作りがバラードゾーンのいい緩急となっていた
「こっから後半戦に向かって‼︎次はメンバーからの音のメッセージ‼︎」
『歌ありき』を意識して出るとこは出て引くとこは引いているメンバー達もこの時は我こそはと存在感を示す
特にこのSpreadownではそれぞれの見せ場が明確に存在し
そこに合わせてスポットライトが当てられると言う思わずニヤけてしまう演出も
全身でメンバーからのメッセージを受け取った後はいよいよラストスパートへ
「っしゃあァァァァァァ行こうぜぇぇぇぇ‼︎」
ゴリッゴリのロックサウンドが炸裂したace of ace
ここまで来たらcrewも各々1番熱いノリ方で応戦する
アリーナより遥かに音圧を増して響く事前に募ったcrewのコーラスが
また気持ちを規制の無いライブ並みに昂らせてくれる
「22年本気で積み重ねてきた音楽やメッセージは伊達じゃねぇぞ!」
いつぶりか分からない
本当に久しぶりの僕の言葉ではない これは僕達の言葉
コーラスは我慢だったが
それでもイントロや間奏のあのクラップで一体感は更に高まる
「どんな状況下でも、俺達の心は自由であるべき、あなた達に更に愛して貰えるような誰にも奪わせないこの自由を」
TAKUYA∞を筆頭にメンバーもcrewも飛び跳ねたり体を左右に揺らしたりしながら自由さを表現したOne stroke for freedom
そうだ、この曲も今年新たに選ばれたcrewがコーラスをレコーディングしていた
それが見事にミックスされている
あえてマイクを通して歌わずにレコーディングされたコーラス部分のみを会場に響かせる場面もあり
本当に全員で歌ってるような気分になるほど素敵なワンシーンとなった
「俺達のこの空間は絶対誰にも奪えない、奪わせないと思ってたのに……あの日からこうもあっさり奪われてしまって……でももう闇は抜けてると思うんだよね。まだ規制とかはあるけどさ!もう夜明けに入ってると思うんだよ!だから……みんなも改めて自分のやりたい事を見つけて、やりたい事をやって生きてほしい。俺達も………まだ皆には言えないけど新しい目標もあるし、それに向かって全力で生きます。」
「大切な曲を……心を込めて………………ッ………EN」
あの日からずっとメンバーやcrew達を
なんならUVERworldを知らない人達の心すらも奮い立たせたり寄り添ったり
救ってきたこの曲も日々伝えたい想い次第で毎回少しずつ違った表情を見せる
今日はとにかく背中を押してくれる
そんなENになった
メンバー同様これからも大切になりそうなこの曲を噛み締めてライブが終わってしまう寂しさを感じていたが……
TAKUYA∞がENの最後の叫びの熱さと勢いそのままに
「ありがとうございました‼︎結成記念日‼︎23年目1発目のライブ‼︎こんな湿っぽく終わらせるつもりはねぇ‼︎ロックバンドなめんじゃねぇぞ‼︎ここにいる全員根こそぎ、導火線に火を着ける‼︎Touch off‼︎」
メンバー全員明らかに所謂自動操縦モードに入っていた
それに影響されてcrewのテンションも再びピークまで上がり
FIREのレスポンスでは今日最高地点を更新したと言っていい程の盛り上がりを見せた
『規制下でステージにいるバンドマンのテンションがいつも通りじゃダメだ』
そう感じていた彼らが導き出したこの暴発ギリギリのテンション
間奏で喉を潰しそうなほど叫び煽るTAKUYA∞だけじゃなく
遮音パネルが無ければ全てのマイクに音を拾わせてしまいそうなほど激しくリズムを飛ばす真太郎
目を閉じ音に集中、体全身でビートを刻みサウンドに厚みを加える信人
TAKUYA∞に負けじとアグレッシブな動きに加え、会場を煽るように視線を送りながら曲の表情を作る克也
2階席まで指をさし、視線を送り
普段の緩い雰囲気からは想像付かないほど熱く勢いと凄みを増幅させる彰
ステージの内側から音を管理しつつ
これぞUVERworldと印象付けるメロディーを会場に堂々と響かせる誠果
6人の凄みに圧倒されながらもしっかり喰らい付くcrew
これぞロックバンドのライブ………と言う感覚の更に向こう側のUVERworldとcrewだからこそ作り出せるライブと言っても過言では無い世界がそこにはあった
このとんでもない情熱や興奮が一切冷めないまま曲はクライマックスを迎え
「ありがとうございましたァァァァ‼︎ 22年続けて来て今が1番かっこいい‼︎でもまだまだピークは先‼︎そして23年目も‼︎新しい時代に足跡付ける‼︎俺達が‼︎UVERworldよろしくどうぞぉぉぉ‼︎‼︎」
……あぁ…………これは無理だ、余韻が冷めない、今すぐ声出してアンコールでもしてしまいそうな程に熱が冷め切らない
どうやらTAKUYA∞も同じようで
「アアァァァァァ‼︎UVERworldかっこいいぃぃ‼︎‼︎」と叫んだかと思うと
「また絶対会おうな‼︎‼︎」とマイクをマイクスタンドごと倒してしまいながらライブのテンションそのままで去っていった
その後メンバーが1人ずつ挨拶
今日は特にこれまでの感謝とこの先の想いが込められた内容だった
その中でリーダーの克也からのメッセージをピックアップすると
「ありがとうございました、UVERworldも22歳になりました。22歳のUVERworldが演るからこそ、マダラ蝶も恋いしくても、あとearthyなんかもまた違った表現が出来たりして、やって良かったです」
「何かを続ける事ってめちゃくちゃ難しいんスけど……僕らもやり続けた先にこんな想像してなかった素晴らしい未来が待っていたので。何か1つでも好きな事、やりたい事を見つけてそれをやり続けてみて下さい。必ずその先にはいい未来が待っていると思います」
そんなエールを集まったcrewに贈り
ゆっくりと前から後ろ、2階まで手を振りステージを後にした
23年目に突入したUVERworldは初のインストベストアルバムのリリースが決定
この後ライブもデビュー記念日に北海道、同月急遽決定した武道館で2日間のワンマン
更に夏フェスの出演もアナウンスされている
24年目に向けてもっと自由に、更に研ぎ澄まされた6人の世界がどんな広がり方をするのか楽しみだ
そして……せっかくならcrewとして今日くらいはUVERworldから影響を受けたと言い訳して……
らしくないけど自分の人生をこう振り返ってみようと思う。
〜振り返れば、全てがありがたい〜
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?