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初めてのガチファンアート

これまで憧れて止まなかった、ファンアートについて遂に満足できる形でやり遂げられたのでその喜びの制作後記を残す。過程や心情などめっちゃ細かく書きます故、くっそ長いので読んでくださる方はお覚悟を。。。

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Vtuberを推すようになってからもう優に2年以上。これまでいろいろな推し事をやってきた。

・Twitterでの絡みや拡散・配信でのコメント・スパチャ類・お手紙・プレゼント・フラスタ・欲しいものリスト・FANBOX支援・ファンアート・切り抜き

そう。ファンアートもチャレンジしてこなかったわけではない。1年以上前、iPhoneのAdobeSketchだかというので指描きしてシンプルなデザインのマスコットキャラクターを描いた。当時忙しかったこともあっていくらか描いたところで断念。あまりうまくできてもなかったので、その状態で人型の推しを描くということへの抵抗感もものすごかった。。。

意識が変わったきっかけは愛尾みすずちゃんというVtuber。感情豊かに愛らしく自由に様々な活動する彼女は神絵師でもある。配信でもちょくちょくお絵描き配信をしたり、メイキング動画を出したりしている。7/18のイラスト添削配信の終了後ツイートに、僕もかいてみようかなぁという一言をリプをした。それに対してみーちゃんはいつものような調子で、「かいて!!」と。たぶん、無邪気な彼女にとっては本心でありながらも何気ないストレートな一言。すらすらと絵を描く様を見せてくれる彼女の姿をこれまで幾度となく見てきて、僕もまた本気でかいてみようかなという気持ちになっていたらしく、今や最推しとなっていた彼女のその一言はトドメの後押しとしては十分だった。この時から、描くなら彼女が所属している愛尾家というグループの半年記念日である8/22をターゲットにしようと決めていた。

まず、機材の購入から。指書きやマウスでは結局また自分を許せないレベルのものになると思った。もし絵を描くならと決めていた機材があった。それがiPadPro。もともとちょっと欲しかったし他にもいろいろ使えるだろうと。しかし、ネットで探したものの全然ものがないらしい。翌日はちょうど日曜だったので行ける範囲の電気店へ数店探しに行くもやはりなく、店員さんに相談しても手応えなし。家に帰り、再びネットで探すと、偶然にもAmazonアウトレットに出物が。希望よりオーバースペックだったけど、アウトレット品で結構安くなっていたのもあり購入。そうして品薄にもかかわらず幸運にも7/21には入手することができた。

構図は届くまでの間にあらかた決めてあった。しかし、人型の絵を描くのは初めてでずぶの素人である。まず、「絵の出来に関して、どんな結果になっても自分相応として受け入れる」これを強く自分の胸に刻んだ。ただ、推しのために描きたい。どんなものであってもがんばって描いたものを喜んでくれる子であることはわかりきっている。そのためなら自分自身のプライドやこだわりは捨てる。それでももちろん素人なりにできる限りの品質を追求する。本気でやる。当然何も考えずに進めてもたかが知れたものになるのは目に見えていたので、素人なりにどうすればいいものになるか考えた。いっぱい考えた。そして、公開されているMDDモデルを使って構図通りのポーズを取ってもらい参考にすることにした。

いきなり描いてかけるとまではさすがに思っていないので、まずはポーズをとったMMDをみーちゃんが配信で紹介してくれていたIbisPaintに取り込んで、トレースしてみることにした。5時間程度かけて、きれいにトレースできた。このままこのトレースを線画にして進めたい気持ちを抑えつつ、次はそのトレースした絵を目視で模写しての練習へ。また5時間ほどかけて模写が完了し、思いの外模写もいい出来であることに驚く。そしてまたもこの模写でそのまま進めたい気持ちを抑えつつ、その次はその模写からものすごく大雑把にあたりだけを取って、たまに参考資料を見るレベルでラフへ移っていった。ラフでもそれまで脳裏に焼き付けたイメージや線は案外覚えていたようで、思っていた以上のラフが4時間ほどで出来上がる。ラフを眺めると顔の輪郭だけ気に入らず、数十分ひたすらに頬から顎まわりの線の引き直しをし続ける。満足いってから線画に取り掛かり、2時間かからないくらいで完了。いやいやいや自分割とこう、できる子やん!?という感じで満たされる線画の出来だった。

さてここまでは練習の範疇。しかしながらここから先は完全に未知。それでも下塗りはなんとなくこなす。みーちゃんが絵を描いているのを見てきた経験が活きる。しかしこの先はかなり途方に暮れる。この時点で8/5。さすがに塗りをイチから勉強している時間など、ない。みーちゃんのイラストメイキングを穴が開くほど見直してみるも、何をしているのかさっぱりわからない。意を決してもうとにかく塗ってみることにする。なんとなく使ってきたレイヤーについてとにかく試行錯誤しながら徐々に理解し、結局何かを参考にするということはなくトライアンドエラーしながら、思うように塗っていく。もうとにかく髪の塗りだけでどれだけ時間を費やしたのかわからない。ツヤベタブラシで先割れするのを利用してなんとなくぎざぎざ感出してみたり、光源意識した影をつけるためにずっとぺたぺたやってたり、黄色とか緑とか赤とかの色んな色を微妙に乗せてみてバランス見てみたり、とにかく色々試して、やめての繰り返し。もしかして、白髪ってすごい難しいのでわ_(´ཀ`」 ∠)_とか思いながらも髪を乗り越えてからはペースアップし、肌を塗って、服を塗って。最後に目を塗ったんだけど、これ最初にやるべきだった。目を塗るにあたってレイヤーの減算・乗算・オーバーレイなんかの使い方が必要になったので調べて理解して、この知識が最初からあったら色々仕上がりは違っただろうなと。更に目を塗った後にこだわりポイントが発動。やはり尻尾とお耳は、もふもふにしたい。しかしどうすればうまくもふれるのかわからない。ド素人で塗りよりも線画を下のレイヤーにしていたことから、毛先が抜きで揃ってけばけばするブラシを太くして線画の下から抜き線をはみ出させることを思いついて、元の線画を消して塗りから抜き線をはみ出させていく。このためこの絵の線画のしっぽと耳の部分は実はすごいことになっている。更に背景。凝ったものや時間がかかるものは技術的にも時間的にも無理と割り切っていたので、草原と青空と最初から決めていた。草原の表現はうまくいかなかったのでパターンブラシに頼ることにした。空はなんか四苦八苦していたらいつの間にかいい感じになった。そうやって塗りに入ってから20時間近くかけて、8/10にようやく一旦塗りや調整を終えた。

さてこの時点でメインのみーちゃんはあらかた終わって、期日的には余裕が生まれた。”時間が許せば”と考えていたことがあって、最推しみーちゃんを描くにしてもこの半年記念は愛尾家みんなのもの。姉である愛尾セナねぇや愛尾ちかげちゃんの二人もなんとか登場させられないかと、そう考えていた。されどさすがに同等の時間をかけて2人追加することはできないとは最初からわかっていたので、デフォルメキャラとして登場してもらうことに決めていた。先に次女のちーちゃんに肩に乗ってもらうことに決めて、ラフを描き始める。ポーズがわかりやすかったこともあってかとってもスムーズに4時間かからないくらいで完成。レイヤーの使い方を多少理解し始めていたこともあって、みーちゃんの塗りとはだいぶ髪の塗り方が違う。次に長女のセナねぇに取り掛かるわけだけど、ここで欲が出る。13日がセナねぇの誕生日。折角なら、誕生日のお祝い、したいな。構図もせっかくなのでこだわって、セナねぇのもっふもっふのしっぽを自分で抱きかかえて眠る姿に。あたり取るだけでもむずかったよね。更にそれをデフォルメキャラでということだったので、描けたあたりの頭身を落としていく。今回はMMDに頼ることもなかったけどなかなかうまくできた。ちーちゃんを描いた経験も更にプラスされたことにより、デフォルメながらシンプルめにいい感じに濡れたと思う。なんだかんだ8時間ほどかけてセナねぇのしっぽ抱っこデフォルメが完成し、誕生日用にデコって13日に間に合わせて公開することができた。その後半年記念絵の方にマージして、影とかを調整。結果的に流用するような恰好になってしまったので申し訳なかったなぁとも思っている。まだ全部うまくやれるほどちゃんと絵を描けないので許して欲しい。。。

14日から16日の週末で、最後の仕上げに取り掛かる。セナねぇとちーちゃんのデフォルメを描いたことによってレイヤーの使い方の理解が素人ながら少しばかり深まっていた。髪は、試行錯誤しすぎていてあまりいじれなかった。影だけふわっと乗せて、バランスを取った。以前はあまり参考にできなかったみーちゃんのイラストメイキング。少しだけ参考にできる部分が増えていて、しっぽに影を乗せた。服の影と質感はデフォルメを描いていなかったらこの領域には到達できていなかったと思う。このタイミングで再び手を入れることによって劇的に良くなった。みーちゃんのういままのイラストがかなり近い構図だったのを参考に、足側の部分に少しぼかしを入れて、もともと入れてあった背景のぼかしも調整した。みーちゃんみたいにキラキラな仕上げも入れたかったので、ここでブラシの設定をいじった。草原に少し風が吹いている感じを出したくて、細長い何かが舞っているようなブラシとラメ系のブラシを調整して用意してから軽く入れて、色々いじっていて気に入った、白く何かが漂って幻想的な雰囲気を出してくれるものを散りばめた。そして、お祝い用の文字いれ。ものすごく丁寧に書いて、その場ではうまく書けたと思ったのに、時間が経ってから見るとへたくそな字だなぁって思うのなんでなん・・・。

かくして、たぶん練習まで含めたら50時間程度を費やして、16日に1週間近い猶予を残しての完成となった。制作期間3週間ちょっと。翌週仕事で死んでたのでほんと早めに完成できてよかった。ここまで時間をかけると思っていなかったけど、平日でも日によっては数時間費やしてあれやこれやとしていた時間は、きっと楽しかったからこれだけできたのだと思う。出来上がった作品の出来映えやいかにというと。もう大満足の出来というか、自分がこれを完成させたというのが信じられないくらいだった。やり切った。本当にできる限りをやって、その限りにおいての最高の形ができたと思う。自分は絵はさほどまともに描いたこともなく、へたくそだろうと決めつけていたんだなぁと。みーちゃんの「かいて!!」という言葉に応えたいという気持ちと、最愛の推しを絶対かわいく描く!という執念だけでここまでのものが出来上がるなんて正直思ってもみなかった。そして、それによってもう申し開きのしようもないほどにみーちゃんが一番なんだなってのを理解した。前にもチャレンジしてその時は頓挫したけれど、今回はやり切れたから。

毎回この熱量で描くのはさすがに難しいけれど、これからも少しずつ描いていこうと思う。世の中にはファンアートやそれ以外のことでも、素晴らしい形で推しを応援できる人がたくさんいて、僕はずっとそういう人たち、特にクリエイティブな形で応援できる人たちが羨ましかった。それでも、できることや得意なことは人によって違うし、それができる人は相応の積み重ねや努力があってのことだからと、自分にできる範囲でのことを精一杯やってきた結果が、冒頭に書いた様々な推し事。今回、みーちゃんへの想いによって今まで破れなかった殻を一つ破って憧れていた人たちと同じことができたこと、とても、とてもうれしく思う。

そして迎えた8/22。予約ツイートで絵が投稿された。自信はあったけれどものすごくドキドキした。フォロワーの方々がいいねやリツイートをしてくれる中、ほどなくしてみーちゃんがその絵にいいねとリツイートをつけて、コメント付きリツイートで喜びを表してくれた。

ほんとがんばった。ほんと嬉しかった。できることが少しだけ増えた。一行でまとめてしまえばそれだけの話なのだけれど、この得難い経験を折角なので残しておきたかった。ここまで話を読んでくれた方がもし居たなら、ありがとう。


おまけ。描いた絵のこだわりポイント

とにかくみーちゃんの教えで取り入れられるものは取り入れた。目の上部の薄紫とかハイライトの入れ方など、目はモロに影響を受けていると思う。仕上げで髪を足しているところなんかも。ほっぺはもうちょっとぷっくりさせたかったけど、やや上向きからの角度と両立できる技量がなかった・・・耳としっぽはとにかくもふもふにしたかった。

ぶーちゃんがもっている花3色は3姉妹の色。その光が風に乗って遠くまで届くようにと。

白黒ぶーちゃんはみーちゃんがうつ伏せになるときに逃げ遅れて潰れた。

何気に気に入ってるのが自分のサイン。今回の絵を描く中で何となく思いついて書いてみたらよかったので、今後使うと思う。