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【第三話】宇宙からラフマド商会さんが来ました

光の商人「ラフマド商会」

ラフマド「どうも〜いつもご縁をありがとうございます、私共は無限なす光の商人!宇宙貿易商のラフマド商会でございます〜〜〜」

自己紹介がもうすでにどこから突っ込んでいいかわからない。
宇宙人の初めましてのご挨拶は「我々は宇宙人だ」じゃないんだね……
宇宙人であること前提で話が進むのね……

展開早過ぎて登場人物の紹介すらままならないという状況、正直エッセイ漫画を描いてる立場の私としては大変遺憾でございますよ……

という気持ちのまま、漫画は進みます。
テンション低いですよ私は、ええ。もうわけわかんねえもん。

ラフマド「さっきの漫画では概要的にお伝えしましたが、私どもの商会に加盟していただく場合は、一点だけ、条件がございます」

……私、加盟すること前提っすか????

「え、だってそうでしょ?ねえ?

ハイヤー姉「うむ」

やはりお前か。

ラフマド「加盟の条件は、無限の定理の実践者であること。これを満たせない場合は加盟できません。また、もし何らかの状況の変化によって実践ができなくなった場合、自動的に除名されます」

…??????

「要はせこい商売したり我欲で儲けようなんてしたら即除名、てことです。一応こちらから注意喚起や指導などはできる限り行いますが、改善の見込みがなければ強制退会です。
こちらはその除名の通告の義務を負いません

こええええええでも仕事ってそういうところあるよねええええ

「無限の定理」の詳しい説明

ラフマド「需要と供給のバランスの話ですね、これは」

まあ、需要と供給が成り立ってはじめてビジネスになるよってことでしょ?
それはわかるよ、普通のことだし。

「そこは宇宙ビジネスにおける、共通の一般常識ですね」

そんなんあるんだ……

無限の定理
必要なものに、必要な分だけ、過不足なく、絶対に存在する
ラフマド商会の人が言ってたのコピペ

ほーーーん…
必要なものに必要な分だけ、ね。
適量を渡せ、ってことよね。

「ええ、そうです。
まあ、私どもが最も重きを置くのはその次の部分ですけれども」

あーーー、これか。
「過不足なく」?
あれだね、余分なものはあげちゃだめ、でもちゃんと足りるように供給しろってことでしょ?

「そのために、あなたはどうしますか?」

…ん?そのために?

「(ニコニコ)」

……、

…。

……とりあえず多めに作っといて余ったらどっかに渡します。

「ええ、それは地球的な考え方ですね。でもそれは宇宙では通用しません」

あああああ〜〜〜
出 た よ  !
出たよこの「地球じゃいけるだろうけどうちじゃそんなことしませんよ〜」のこの態度!
うわ〜〜〜〜〜〜

「宇宙の方によって、本来需要と供給のバランスは完全にピッタリ釣り合うはずなんですよ。だから多めに作ろうとすると、確実にどっかで余る。
それでは困るんです」

…なんで困るんですか?
多少は余力残した方がいい、みたいなのは普通では?
足りなくなる方が困るでしょ?

余る方が大問題ですよ。
なぜなら余ってしまったものに存在価値を与えないこと、というのはかなりの重罪にあたりますから」

え?

余らせるということは、それが存在している意義を与えないのと同義です。
それは、余らせた側が負う罪。
そして、余ったものに存在意義を与えることができるのは、余ってしまったものと世界全体です。

…そんなことをビジネスの場で発生させるなど言語道断です」

なんか思ってたよりもきついなそれは。

足りない場合は、必ずどこかに余剰があるはずなんです。
宇宙の法によれば、
需要と供給は本来であれば釣り合っているはずなので。

……それが私どもの理念であり、美学なのです」



宇宙ビジネスの常識

思ったよりも深い話っぽいぞ?と思いつつ、
でも実際は需要と供給のバランスって釣り合ってるかと言われたら…

「まだ調整できてないですね」

ですよね???????
そんな簡単に「整いました!」みたいに釣り合いそうな感じじゃないよね???

「ええ。おっしゃる通りです。
私どもは手を尽くしておりますが、まだその実現に至っておりません。

…だからこそ、私どもの理念と美学に賛同し、加盟してくださる方を募集しております!」

おおおおっとここでいきなり勧誘ムード!!!
ちょっと話は聞いてみたけど、あれだからね?聞いてるだけですから。

加盟するなんて一言も言ってねえからな?????

「はい。
説明はしましたし、加盟してくださるなら大歓迎ですがそれはご自身でご決断ください

加盟した方がいいよ〜と誘導する気などさらさらございません。
デメリットもありますので

え。

「儲からないんですよ。余剰がないということは。
ピッタンコなんです。究極的には経費も営業利益も釣り合います。
それが嫌だという方はたくさんおります」

贅沢な暮らしはできません

…え、プチ贅沢も無理?

「まあ、豊かに暮らすことはできますが」

じゃあそれデメリットではなくない?…いや待てよ?
これってあれでしょ、「地球上で言う豊かさと私どもの言う豊かさは、別の概念ですドヤアア」的なあれでしょ!?

ドヤアアなんてしてません。
豊かさの価値観については、うーんまあそちらの理解で差し支えないかと」




……と、いう会話をしたのは実は一年以上前です。
結局一年間考えて、悩んで、いろんな人に相談して、1ヶ月前に正式に加盟しました。

そう言うわけで、儲からないそうです。
無駄なお金は一切入らないし出ていかないし、
仮に無駄っぽく見えるものがあったとしても絶対にどこかに意義がある、……それを知るために一年かけてこの無限の定理を勉強しました。

…全て真理を獲得したわーとはとても言えませんし、むしろ理解できてないことがほとんどですが。
でも学んでいくうちに気に入って、賛同できるなーと思ったので、この定理を実践し続けようと思います。




てかさ、

せこい商売なんてしたかねえよ!!誰がするかよ!!万が一させようとしたら全力で逃げるし断固拒否るからな!?!?



ラフマドさんのところ、この前大きな商船がすれ違った際に、ちょうど需要と供給がピッタリ釣り合って「プラマイ0」になったそうです。
スタッフ一同で「美しい〜〜〜〜〜」ってお祝いしたそうです。
小噺でした。

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