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矢後憲太の新アルバム『Storyteller』を聞いて…

皆様こんにちは。
ついに!ついに!!
ギタリスト矢後憲太さんによる4thアルバム『Storyteller』が10/1発売!!👏
矢後さんおめでとう!🎉
そしてファンとして一言。
「待ちわびたぜ」

最速フラゲ企画のお陰でもう届きました(速っ!)
早速聴いてます。
曲も、構成も、どこをとっても素晴らしい出来栄えです。
折角なのでここに私の感想を書き殴っていこうと思います。

※以下ネタバレになり得るので、まだCD聴いてない方はご注意を!

もし共感する部分などがあればコメントもお待ちしております。
最後までお付き合いください。


『Storyteller』は無限ループ必至!


まず結論から。

「これはもはや物語ではない。1本の壮大な映画である。」
Never Everとかマジでムリ。…大好き」 
「どこでCD止めたら良いかわからん。無限ループ必至

↑要約するとこんな感じ。

なんか気付いたら何周もしてました。
一回再生を始めると、どこで止めたらいいか本当にわからなくなるんですよ。
「途中で止めたくない」と思って最後の曲まで聴くと、あら不思議。
自然と2周目が始まって、また止められない。(以下無限ループ)


そんなアルバムですが、最初の1周目で個人的に思ったこととか気付いたことを書いていきます。



曲ごとの感想

1曲目:「Once upon a time」


和訳すると『むかしむかし…』というニュアンス。
曲の出だしはまさにそんな雰囲気から始まります。
スター・ウォーズのOP的な壮大な感じではなく、語り部が静かに話し始めるかのような感じ。

この曲で印象的なのは後半です。
同アルバム内の「Storyteller」や「Something Blue」といった曲を彷彿とさせるフレーズが幾つか出てくるんです。
まるでこのCD全体を要約しているような感じ。
この後への期待を高めてくれる。アルバム全体をちょっとつまみ食いさせてもらうような曲です。
(他の曲を知らなければそうは思わないかも…?単に矢後さんの手癖、という可能性も…)

いずれにしても、この曲は次の「Storyteller」とセットで一曲、と考えるとしっくり来ます。


2曲目:「Storyteller」


アルバムと同名のタイトル曲。
日本語にすると「語り部」。
曲の途中途中に変化はあるものの、全体的にはテンポよくサラッとした曲調で、語り手によって物語が読み進められていく感じがします。

とりあえずこの曲の冒頭にご注目!
最初の1音目が鳴る直前(最初の1秒程度)、ほんのちょっとだけ残響音が鳴っていることにお気付きでしょうか。
これ、前の曲「Once upon a time」の残響音っぽくないですか?
もしそうだとするなら、「Onece upon a time」と「Storyteller」は2曲続けてレコーディングされたのではないでしょうか。

1曲目〜2曲目を連続再生すると繋ぎ目があまりにも自然過ぎるんですが、そのギミックがココにあると思います。
(間違ってたら恥ずかしい〜😇)
だからこの2曲はセットで一曲。

ここまでが”序章”と捉えるとしっくり来ます。



3曲目:「you」


通称「初恋っぽいやつ」と呼ばれてた曲。
この曲でガラッと空気感が変わります。

前の曲までは、新しいアルバムへの期待感とかワクワク感が勝った状態で聴けるんですが、ここから物語へグッと引き込まれていくような感覚になります。
一音目から単音弾きがグサッと胸に刺さります(たぶんアポヤンドで弾いてるっぽい?)
とても切なく、胸に込み上げてくる音が多いです。

後半からの追い打ちも素晴らしい。
高音域はあまり動かさずに、間の音がドンドン動いていくフレーズ。
破壊力抜群です。
(そしてこういうフレーズって弾くのは難しそうなんですよね〜、、)

このアルバムにもし主人公がいるんだとしたら、ここで初恋があって。
恋の行方はどうなったんでしょうね?
この切ない曲調からするとその結末やいかに、、
想像が膨らむ一曲です。



4曲目:「Ocean」


ここで再び雰囲気が変わります。
ビーチとかのイメージではありません。
深い海とか荒波といった外洋・遠洋の雰囲気が強い曲です。
海洋深層水ぽい…?←

ストーリー上の解釈はよくわからなかった💦

シングル盤と比較すると、テンポがやや抑えめで、アミアミアミの叩きも静かめに感じました。
※アミアミアミが何のことかわからない方は今すぐ矢後サロンに入会して奏法解説動画を見ましょうね

アルバムに馴染ませるためなのか、新しく録音し直されたためなのか、穏やかめに仕上げてきている気がします。個人的にはシングル盤の押せ押せなOceanも好き。


5曲目:「Butterfly」


聞けば聞くほどハマる曲!中毒性高し。
基本的には同じフレーズの繰り返しなんですが、1:07辺りに変化がほんのちょっと入ることで、その後の上がっていくフレーズが際立つ感じです。
こちらの曲も、アルバムに収めるためか予想していたよりもエフェクト抑えめです。

オクターバーマシマシの音源がいずれ発売されることを願ってます!


6曲目:「Gravity」


矢後さんの曲では今まであまりなかった系統。
第一印象はAntoine Dufourさんとかドン・ロスさんの雰囲気。
低音の感じや、ハーモニクスの使い所、レフトハンドからのタッピングハーモの組み合わせとか云々。
聞けばわかる…!

かっこいいです。
かっこいいです。
とにかくかっこいいんです。
以上!



7曲目:「Wait for You」


ここでアルバム全体のストーリーが大きく動く感じです。
何があったんでしょうか。
タイトル的には「わたし待つわ」って別れていく意味だと思っていたんですが、曲を聞くとむしろ「ずっと待っていたわ」っていう、紆余曲折を経てやっと再会できた的な鼓動の高まりを感じるんですよね。
しかもシングル盤ジャケットの影響か、雨が降りしきる日のドラマっていうイメージが強い。
ここでどんなドラマがあったにせよ、アルバム上はこの後ハッピーエンドを迎えていくっぽいので、良い方へ解釈していきましょうw

こちらもシングル版と比べてテンポ抑えめ・パーム音控えめ?ズッシリ感が強くなった印象でした。直前の数曲と比べてエフェクト感は強めなので、やはりこの曲では何か大きなドラマが起こったんだろうと感じます。



8曲目:「Morning Aria」


爽やかな朝日。
窓を開けて風にそよぐカーテン。
すぅ~っと深呼吸を一つ。
澄んだ朝の空気が体も心も満たしてくれる…

みたいな曲です(←タイトル通りやん)
朝のアラーム音にもぴったり!

この曲もアルバム全体の転換点っぽい感じです。
こんなに爽やかな朝を迎えたってことは、前の「Wait for You」の最後は良い結末になったんじゃないでしょうか。多分。

個人的には、ARIAってアニメが大好きだったせいか、タイトルだけでヴェネチアのイメージが浮かんでくるんですよね。
なんかこのギターのコロコロした音色と残響音が、澄んだ水の音っぽく聞こえませんか?
「ピチャッ、サワサワ~、コロコロ~」って。
後半のフレーズからは北欧っぽさを感じるような…。



9曲目:「Like the Wind」


言わずと知れたドライブチューン!
(やっぱりテンポ抑えめ・エフェクト控えめっぽい?)

シングル盤ジャケットの影響か、パートナーを乗せて颯爽とドライブしているイメージ。



10曲目:「Something Blue」


いつどうやって聴いても結婚式のイメージ。
(やはりエフェクト控えめでテンポディレイも薄めなような…?気のせい?)

ここで主人公&パートナーがゴールイン、幸せいっぱいな日々を送りましたとさ、という解釈ができそう。
幸せな気持ちになる曲。


11曲目:「Remember」


このRememberはすごくズッシリしています。
Capo3fになったことに加え、テンポが少し抑えられ、弾き方もどことなく重みを感じます。
ストーリーとしては10曲目から長い時が流れていて、それまでの人生を思い返しているような雰囲気?
主人公が何を思うのかはわかりませんが、積み重ねられてきた長い時間、積み重ねられてきた思い出の数々…という感じでしょうか。
”ただ重たい”というよりは、”人生の重み”的な心地良さがあります。



12曲目:「Never Ever」


はい、ついにここまで来ました。
来てしまいましたね。
今回一番楽しみにしていた曲です。

ここまで、本当に長かった…
この曲の一端が公開されたのはもう2年半以上も前です。
その動画がコチラ↓
https://youtube.com/shorts/MI4o8OBJjWY?feature=shared
Ogino Guitarとのコラボ動画で、このフレーズを弾いてるんですよね。
込み上げてくるような展開と、歌詞がありそうなフレーズが私の好みにドンピシャ!
一目惚れでした。

ところがこの動画では、曲名もなければ、"New Song Memo"という文言さえない。
一切の情報が伏せられており、
果たしてこれは新曲なのか?
それともただの試奏用フレーズなのか?
いつかリリースされるのか?
という㊙状態。

リメンバーチューニングっぽい、ということ以外は何もわかりませんでした。
その後も何の情報もないまま時間が流れ…
ある時から「洋楽っぽいやつ」と呼ばれ出し、割と最近になって矢後さんの配信でポロッと一瞬だけ片鱗を見せてくれるようになっていきました。

そして、今年6月。
プレミアム生音ライブの場で、ついに曲の全貌がお披露目されました。
(サロン限定配信内ではもう少し前に判明してたらしい)

生音ライブもこれで最後の1曲か、というタイミングで。
矢後さん:「たー◯ーさんが誕生日ということで特別に、、新曲もう1曲聞きたいですか?」ですって。

いやいや、まさかライブ最後のタイミングで聴かせてもらえるとは思わないじゃないですか。

この曲が弾かれたわけですよ。
ずっと待ちわびたあのフレーズが。
一つの曲になってるんですよ。
フルバージョンで。
あの矢後さんが、転調なんて使ってきて。
わたくし、表面上は堪えてましたけどね、
内心は感動でボロ泣きしてましたよ、ええ。



………という曲です。(どゆこと)

「Never Ever」ってそれぐらい待ち焦がれた特別な一曲なんです。

前置きが長くなりましたね。
この曲、アルバムで聞くと別格でした。

今回のアルバムは一つの物語、言い換えるのなら、ある人物の一生を追いかけた映画のようでした。

「昔々…」から始まり、出会いや別れ、幸せな出来事、色々とあったんでしょう。
長い時が流れていき、「Remember」でこれまでの過去の歩みを振り返っているのでしょうか。
そしてこれから先も絶対に…という何らかの決意とともに、この曲「Never Ever」と共に映画が終わっていきます。

Storytellerという映画のエンディングテーマがこの曲なんじゃないかと思います。
(この曲に至るまでの解釈が違った場合、たぶん全然違うふうに聞こえます。そしてもちろんこの曲単体にもストーリーがありそうです。う〜ん面白い…)

イントロ→1番→2番→展開部→大サビという、矢後さんにしては珍しく(?)オーソドックスな構成(だから洋楽っぽい?)、転調を使った大きな展開、12曲目に配置された意味、など考えると、妄想が膨らみます。

ストロークから始まる短いイントロ、短いながらも効果的に次の展開へ繋がっていくAメロ・Bメロ、音の隙間を埋めつつグッと前に踏み込んでくるスライドの音色、参加する弦の数が増えて一気にボリュームを増すサビの威力、サビでのベース音のリズム感、絡み合うハモリ(?)の音、一瞬の静けさとそこからの転調、最後の追い打ち……
転換部の箇所だけベース音の進行を上がっていくようにしてあるのも最高。
好きな部分が語りきれませんw

しかも、これだけやって5分ちょいという尺の長さ。

もう優勝です。


心を打つ歌詞もない。
胸に響く歌声もない。
感情を揺さぶるストリングスやオケもない。
視覚に訴える映像や写真があるわけでもない。

なのに泣ける。

フィンガースタイルの曲で初めて泣きました。
「こういう曲が、作れたらいいなぁ」っていう僕の願望が全て詰まった理想形です。

とりあえず僕はこの曲が今一番大好きです。
Rememberも、群青と茜色も、Somewhereさえぶっちぎってこの曲です。
泣けます。惚れました。
以上です。


13曲目:「夢の続き」


この曲だけタイトルが日本語という不思議。
「Never Ever」で火照りまくった頭をスゥ~っとなだめてくれます。

映画でいうと、エピローグ的なやつ?
よくエンディングクレジットが流れた後に、ちょっとだけ主人公のその後が描かれるじゃないですか。
この曲はそんな曲だと感じました。
ハッピーエンドで良い夢に包まれながら余生を送りました。あるいはその生涯を終えましたとさ…
一人の主人公の物語がここに終わり、新たな物語が始まっていきます。
(そして1曲目から無限ループ!)

長い時を生きてきたジョージで弾いてる所がまた憎い!
てかジョージの低音、こんなにエグいんですか?笑
樹齢何千年ですか?って言いたいぐらい。
大木のような安定感。
機会があったら一度触らせて頂きたい…
うちのヒスコでこの曲を弾いてもらったことも思い出しちゃいました。

この曲単体で聴くとただ癒しの曲なのに、アルバム通して聴くとなんでこんなに寂しい気持ちになるんでしょうかね。
長編小説を読み終わるときの感覚、って言ったら良いんでしょうか。
アルバムが終わってしまう!
この夢が覚めてしまう!
みたいな…。上手く言えませんw




総評


全体的にテンポが抑えられ、エフェクトが控えめなのかな?という印象を受けました。
これは「物語が語られていく」というコンセプトのためかと思いました。

だから1曲1曲を”単品”で聞いた場合は、シングル音源を聞きまくってたせいか正直少し物足りないサウンドだと感じます。

ところが、”一つのアルバム”として流れで聞く場合は全く印象が違います。
このサウンドだから、このテンポだから、良い。
もし一曲一曲がエフェクト盛り盛りで、それぞれが全力でストーリーを自己主張してくると、たぶん曲同士の流れは繋がらず、『Storyteller』という一つの映画にならない。

曲順も凄く大事。
作家・矢後憲太氏によって、一本の物語になるようシナリオが仕組まれてるんです。
騙されたと思って、ちゃんとこの曲順で、飛ばさずに聴いてください。
無限ループにハマることをお約束いたしますw

それから、今作はどの曲も日本ぽっくない!っていう印象を受けました。
一応「you」が七夕系だったり「夢の続き」が日本語だったりするんですが、どの曲も北欧系のイメージが湧くんですよね。
行ったことないですけどね。イメージです。

世界観が統一されているから物語に没頭できるし、外国っぽいゆえにちょっとした非現実感・非日常感があって、その世界に浸っていたくなる。

今回の目玉といえばもう一つ。
あのアルバムアートですね。
1曲目「Onece upon a time」のアートが好き。
あの絵と曲の持つイメージが完全に一致するんですよね。
ページを開けば新たな物語が始まる…!みたいなワクワク感が見事に表現されています。
追々、他の絵も曲と一緒に楽しんでみようとおもいます。




ということでアルバム1周目の感想を書き殴ってみました。

聴くときの気分や、時間、季節、天候等によって、全然違った景色や解釈に今後なりそうですが…
いずれ矢後さんご本人の意図やストーリー秘話なんかもお聞きしてみたいですね。


それでは。
ここまで読んでくださりありがとうございました!





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