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台湾に行くなら台湾の物語を知りたい!私の突発的台湾気になるコンテンツリスト

台湾(台北エリア)に行くことになったのですが、自分で行き先を決めたわけではないので、焦るばかりでいまいち気持ちが入っていけません。

もちろん食事はおいしそうだし、建築もきっと素敵だし、その国の空気を五感で存分に味わうだけでも、楽しいに違いないのですが、やっぱりこう、ストーリーがほしいというか。

自分でも何を言ってるんだろうと思うんですけど、文脈とか因果関係とか、そういうものがあるとがぜん想像力と掛け合わせてのめりこめるんじゃないか、体験の質があがるんじゃないかと思ったのです。

こういう時はどうすればいいのか。

そう、コンテンツです。


1)台湾が舞台の小説を読もう

まずは台湾が舞台の小説を調べました。

・呉 明益「自転車泥棒」で台北の自転車を巡る今昔物語を

まずこちら。3年前、多分少しお買い得だったタイミングでKindleで購入して積みっぱなしだった作品「自転車泥棒」です。

「自転車」をキーワードに時を超えて人々が交錯する小説。開けば台北の地図も掲載され、いろいろな時代の台湾の人々を知るのにぴったりの1冊ではと思いました。

少し読み始めて気付いたのですが、この本、長いです。

電子書籍だと分厚さがわからず、どのくらい読んだかのパーセンテージが表示されるのですが、1%増えるのにけっこう時間がかかることから、ページ数を確認したら400ページを超える大長編でした。

これは出発までに読み終えるの難しそうだけれども、台湾旅行前後通して物語の世界に浸れたらと思っています。

呉 明益さんはブッカー賞の候補にも選ばれたことのある台湾を代表する作家さんのようです。

台北を舞台にした連作短編集だというこちらの作品もとても気になります。買ってあったのがこっちだったら読み終えられたかもしれないです。

・吉田修一「路」で台湾新幹線をめぐる人々を知る

私が好きな作家さん(といっても著作は2冊しか読んでないけど)の吉田修一さんの「路(ルウ)」は存じ上げていたのですが、手に取る機会がなく。

Audibleでサブスクしていれば無料で聴けるのでお散歩のお供に。
台湾新幹線をめぐる人々の人生の悲喜こもごも、みたいなことが書いてあるようだったので、プロジェクトXみたいな話だったらちょっと重たいなぁと思ったのですが、少しきいてみた感じ、そこはやはり吉田修一さん。壮大なことよりも一個人の人生とその尊い日常が丁寧に描かれているような印象です。

Audibleで14時間もあるのですが、移動中の飛行機などでちびちびと読みたい。

これはすぐ読もうと思っているわけではないのですが、あの直木賞作品「流」も台湾が舞台の小説でした。

一九七五年、台北。内戦で敗れ、台湾に渡った不死身の祖父は殺された。誰に、どんな理由で? 無軌道に過ごす十七歳の葉秋生は、自らのルーツをたどる旅に出る。台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。激動の歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡をダイナミックに描く一大青春小説。選考委員満場一致、「二十年に一度の傑作」(選考委員の北方謙三氏)と言わしめた直木賞受賞作。

Amazonに記載のあらすじから

こちらもAudibleにラインアップされているので、帰ってきてから読みたいですね。

・楊双子「台湾漫遊鉄道のふたり」で台湾鉄道グルメ旅を体験する

1930年代の台湾で、鉄道に乗りながらおいしいものを食べて旅する台湾人女性と日本人女性の物語。「路」につづき列車が軸となる「台湾漫遊鉄道のふたり」。

【国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差―――
あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。】
とあらすじにあるので、そんな一筋縄でいくようなお気楽な道中ではなさそうですが、著者は双子の姉妹で女性として生きることも一つのテーマになっているようでとても面白そうです。

2)台湾のゲーム会社がつくったゲーム実況をみよう

・1960年代台湾が舞台の超話題作ホラー「返校 ~Detention~」

これずっと見ようと思ってたホラーゲームだったんですがこれも台湾のゲーム会社が台湾のある時代を軸に描いた作品だったとは!
Steamの売り上げランキングで一時世界第3位になったこともあり、ゲームに端を発しつつも、映画化もされ、Netflixオリジナルの実写ドラマにもなった話題作です。

どんなストーリー、ゲーム性のゲームかといいますと、Steamに下記のようにあります。

1960年代の台湾、架空世界の学校を舞台にしたホラーアドベンチャーゲームです。台湾ならではの文化を表現したいため、キャラクターやシーンも台湾人に親しみのある要素を採用しており、一膳飯、廟宇、神壇など、当時の宗教や風習をゲームに組み込んでいます。操作方法はマウスクリックをメインとしており、シンプルながらも巧みな謎をプレイヤーに提供します。
少年と少女の出会いと探索からストーリーが始まり、体制と衝突する60年代の台湾歴史を奇妙な形で追体験できます。オリジナル音楽とサウンド、写実的なアートが融合し、息が詰まりそうな雰囲気を醸し出します。

ストーリーを堪能できるかなと、まずはプロの声優さんがセリフや筋書きを読み上げながら進めてくれるのがウリの花江夏樹さんの実況をみました。

セリフの読み上げの丁寧さだけじゃなく、ポイントポイントでフォローアップのためのあらすじや注釈も入る、行き届いた編集もすばらしくて、とても興味深く最後までみることができました。

このチャンネルではBAD寄りのノーマルエンドしか見られなかったのでもう1人見てみようかなと思いまして。

2bro.メンバーであるおついちさん、弟者さんの200万回再生の人気実況もみました。2人も持前のゲームセンスでさくさく面白おかしく進めつつ、しっかりストーリーを理解・考察して進め、最後にはTRUE ENDへ連れて行ってくれるので、もう1回同じストーリーをみてもとても楽しめました。

肝心のゲームの方はTRUE ENDの演出は鳥肌が立ちました。一本のすばらしい映画をみているような印象のストーリー性の高い作品だったと思います。ホラーってゲーム性も高くストーリーとしてもぐっとくる作品ってあまり多くないんですよね。しかも時代背景までおさえてきてるという。

物語のベースも理解したくて、映画の方のレビュー動画も拝見しました。
台湾のその時代がどうであったのか、より理解が深まりました。台湾旅行を前に良いインプットできたなぁと思います。

そして実はこのゲームスタジオ、発売禁止になったりもした「還願 DEVOTION」というゲームも出してまして、こちらも多くの方が、インディーゲームの中で名作だというのでとても見てみたいと思っています。

発売禁止になったせいで実況の数が多くはないのですがあいろんさんがいいかなぁ。

・台湾の伝説的な英雄である廖 添丁(りょう てんてい)を題材にした2Dアクション「添丁の伝説」

これもずっと気になっていたアクションゲーム。
舞台は20世紀初頭、日本統治時代の台湾です。

物語の主人公は、台北市の自警団員であり、日本の植民地時代には指名手配もされていた人物、廖 添丁(りょう てんてい)。20世紀初頭の台北の街で、歴史に残る “ならず者” として、富める者から奪い、貧しき者を養い、正義のために戦います。
実在の事件や人物、歴史的背景をもとに、見過ごされがちな時代と場所を掘り下げ、中国の伝統的な漫画スタイルで表現したのがこの『添丁の伝説』です。

中国の伝統的な漫画スタイルも知りつつ歴史も楽しく学べそうで良いですね。

2Dアクションがうまく、笑いどころにいちいちツッコミを入れるのが持ち味のまいくろぺーさーさんの実況で楽しもうと思っていて、#1まで見ました。
時代を感じるいろいろなお宝を拾うことがあって、「味の素」とか「グリコ」とかちょいちょい日本統治下であることを感じさせてくるのが心にくいつくりこみです。

・アメリカ軍の空襲を受ける日本統治下の台北を描いたサバイバルアドベンチャー「台北大空襲」

この「台北大空襲」は今年出たゲームで、タイトルの通り、台北大空襲が舞台の作品。

Steamにはこう説明があります。

《台北大空襲》は第二次世界大戦中の台湾をテーマにしたアクションアドベンチャーゲーム。君は記憶喪失になった少女として、一匹の台湾犬と一緒に戦火で壊された都市に生き残る方法を探す。 記憶を探す旅の途中で真実とともに訪ねるのは致命的な危機……。

最初は日本が敵として登場するタイプの戦争批判要素が強い暗いゲームかと思ったんですけれども、開発者インタビューを読むと、そんな感じではなく、日本人にこそプレイしてほしいという思いにも胸打たれます。

ストーリーも重すぎず、エモく仕上がっているようで、評価もインディーゲームとしてはなかなか高くてよさそうではないでしょうか。

3)台湾が舞台の映像作品を見よう

ここからは自分への備忘録的なものになるのでささっといきます。

・2019年の東京国際アニメアワードフェスティバルでグランプリ「幸福路のチー」

まずこのアニメ、調べてて見つかったのですがめっちゃ気になります。
Prime Videoでレンタルできるようです。

2019年の東京国際アニメアワードフェスティバルでグランプリを獲ったこちらの作品、「台湾の現代史を語った大河ドラマ」に仕上がっているそうです。今回調べるまで全然知らなかった!!

台北郊外に実在する「幸福路」を舞台に、祖母の死をきっかけに帰郷した女性が幼少時の思い出とともに自分を見つめ直す姿を、台湾現代史を背景に描いたアニメーション映画。台湾の田舎町で必死に勉強し、渡米して成功を収めた女性チー。ある日、祖母の訃報を受け、故郷である幸福路へ久々に帰ってくる。子ども時代の懐かしい思い出を振り返りながら、自分自身の人生や家族の意味について思いをめぐらせるチーだったが……。

映画.com

・台北発メトロシリーズ

台北の地下鉄の7つの駅を舞台に、7作品あるシリーズだそうで、ほぼPrime Videoで見られるうえに評価も高いのが気になります。

淡水河の奇跡、この街に心揺れて、振り向いたらそこにが評価高そうでよいです。

・父の再婚相手との女子旅を描いた映画「恋恋豆花」

『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』などの今関あきよし監督がメガホンを取ったヒューマンドラマ。主人公と、父の再婚相手との女子旅を台湾グルメや観光スポットを織り交ぜて映し出す。主演はモデル出身で『少女邂逅』などのモトーラ世理奈が務め、父の再婚相手を『母の唄がきこえる』などの大島葉子が演じる。

Prime Videoで気軽に見れそうな、今の台湾がわかる感じの映画でとても気になります!

・日本と台湾・高雄を舞台に離れ離れになった家族を描いた「燕 Yan」

こちらも日本映画ですが、台湾が舞台になっている映画で非常に評価の高い作品。南部なので今回行く台北とは違うから後回しかなぁと思いつつ、映画としては一番気になっています。

28歳の早川燕は、埼玉の父から台湾・高雄に住む燕の兄・龍心に、ある書類を届けてほしいと頼まれる。台湾人の母と日本人の父を持つ燕は、母の故郷である台湾・高雄で生まれ、日本で育った。燕を中国語で「イエンイエン(燕燕)」と呼んだ母は、燕が 5 歳のある夜、何も告げずに7歳年上の兄だけを連れていなくなってしまった。大好きだった母に「捨てられた」という思いだけが今も燕の心に強く残っている。
母はどんな思いで自分を捨てたのか?
なぜ手紙すらくれなかったのか?
あれから 23年の月日が流れ、燕は様々な思いを抱えて台湾-母の故郷、兄の住む街、そして自分が生まれた場所へと旅立つ――。

・牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

エドワード・ヤン監督の映画は見ておくのおススメと友人にアドバイスを受けました。なので、その中でも比較的みるハードルが低そう(Amazonでレンタルできる)なこちらを。

1960年代の台湾・台北。夜間中学に通うスーは不良グループ・小公園に属するモーやズルらといつもつるんでいた。スーはある日ミンという少女と知り合う。彼女は小公園のボス、ハニーの女で、ハニーは対立するグループ・軍人村のボスと、ミンを奪い合い、相手を殺し姿を消していた。ミンへの淡い恋心を抱くスーだったが、ハニーが突然戻ってきたことからグループの対立は激しさを増し、スーたちを巻き込んでいく。

めちゃくちゃ映画の尺が長いので果たして見れるのか!?という感じなのですが、「返校」の映画レビューでもこの映画が言及されていまして、とても気になっています。

番外編)台湾の怪談から可視化されない精神性を探ろう

沖縄に行くときも思ったのですが怪談もその土地に流れる、あまり言語化されていない価値観とか精神性とかを知るのにとても役立つと思います。

最近は怪談も楽しめるようになったので、こちらもカバーしていきたいです。

というわけでこちらを、拝見しました。

怖いというよりは興味深い、という印象で、特にホテルの扉は入る時にノックする風習がある、というのは行く前に知れてよかった。私もやらなきゃと思いました。

同じチャンネルにもう少し台湾オカルト文化を講義っぽくまとめてくれている回もありました。

みたいものがありすぎて全然インプットする時間がない問題

いろいろ集めてみたのですが、そんなことより旅程とか持ち物準備とかすべきなのに、さらにこの膨大なコンテンツインプットは…終わる気がしません。

私が本当にその通りだなと思った作品に「弱いつながり 検索ワードを探す旅」というのがありまして。

ネットは無意味だ、本当に重要なことは言葉にならないというわけではありません。(略)重要なのは、言葉を捨てることではなく、むしろ言葉にならないものを言葉にしようと努力することです。本書の言葉で言えば、いつもと違う検索ワードで検索することです。(略)検索ワードを探す旅とは、言葉にならないものを言葉にし、検索結果を豊かにする旅のことです。

私は旅行や遠出する前のコンテンツ収集や行ってから感想をかくこと、さらに関連する言葉をインプットすることは、人生を豊かにするためにとっても重要なことだと思っています。

どこまでできるかわからないけれど、旅行に行ったらまた新しい検索ワードをみつけて、そこからまたコンテンツが広がるような、そんな旅行にできたらなぁと思っています。

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