アルトネリコの感想。ミシャについて。(ネタバレあり)

わし、アルトネリコのミシャが好き。

物語の目撃者が届かないと分かっていても手を伸ばしたくなる存在。

作者はクソほど残酷。

だってミシャは普通の女の子でいることを望んでいましたから。。買い物を楽しむ気持ち。店に並ぶグッズを可愛いと思う気持ち。好きな人のそばにいる気持ち。

それを阻害する要因として人に害をなすウイルスから人類全体を守るというクソみたいな枷をつけた。

クソほど悩むでしょうそんなことされた当人は。

だって「なんかしらんけど生来自分が持っていた力」を行使しないと人類全体が死んじゃうんですよ。そりゃ謳わざるをえない。

でも同じくらいそいつが好きで、だから彼女の心は「謳いたくない」と「謳わねばならない」の間で強く揺れ動いていました。長い間どっちにもいけずに。

でも物語はそんな構造を見事にぶち破りました。

抑え込むべき存在それ自体が消え、抑え込む必要もなくなった。ゆえに謳う必要がなくなった。どっちかを諦める必要もなくなったのです。

良かったなあ。

オリカとミシャ、どちらも自分の心を偽らざるをえない存在という点では共通していますが、偽り方が違いましたね。オリカは自身の世界から抜け出せない型、ミシャは自分の世界を隠さなければいけない型。

心に拭いきれることのない闇が混じってしまった型、闇を混じらせないために自分の心をずっと守り続け、もう一つの人格を作り出した型。

ミシャ、良かったね。

phase2終了。

にしてもわかる。オリカもミシャも女の子の武器を使ってしまいたくなる気持ち、わかる!    

だって絶対的な正解の一つだもん。でもそれを使わないには強さが必要だよね。

心配だから差し出す。自信がないから差し出す。したいんでしょ、使っていいよ、でもだから離れないでって。

それじゃあかんのですよね。強くない。

こういうのを話すと昨今どこかで垣間見える論争の話につなげられちゃうんですが、男の生きにくさ女の生きにくさ、あるよね。性に縛られた生きにくさ。男の競争に放り込まれるのを辛いと思ったっておかしくない。男の競争自体が悪いのか辛いと思うのがよろしくないのかはわからんけど。生物だから~って話で結論はつくがそれをすんなりと飲み込めるわけでもない。

人類存続のために子どもを作って僕と子どもを作ってくれる人募集します!って言ったらどうにかなるもんですかね?だって人類存続ってとてつもなく強い目的ですから。その目的のもとミシャが犠牲にされたみたいに。

そこに感情があるからややこしいことになるんですかね。

あー女の子ってなんなんだろうなって話でした。僕は男ですから。

女の子と男の子、同じ人間だとしてもちょっと考え方違いますよね。

僕は僕の、ずっと完成することのない像を工事している途中です。

僕にとって通過点に過ぎない人、そうでない人、色々いるわけですから。

他人にとっての僕もただの通過点にしか過ぎないんです。そんなこわばる必要ないと思いますよ。

次のphaseは気が向いたらやるとします。それまでは戸棚の奥で眠っていてください。

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