地域で普通に暮らすー周りの支えがあってできること
親元を離れて暮らすようになると、自分でやらなければならないことが増えます。例えば食事、実家暮らしであれば家族が用意してくれる方も多いでしょう。
ところが、実家を出ると自分で用意しない限りご飯は出てきません。ついでにいえば、前の食事で使った食器は洗って片付けておかなければ、次の食事を盛るお皿がなくなります。
服だってそうです。一日着た服は洗わなければ翌日着る服がなくなります。
ご飯を作る時間がないときは、外食やお惣菜があります。洗濯したいときはコインランドリーがあります。とっても便利ですが、利用するにはお金がかかります。自分の為に他の誰かの手を借りるとお金がかかるのです。
一食400円の弁当も10回食べれば4000円。
親元にいるときは当たり前だった、自分以外の誰かが作ったご飯も実は作ってくれた人の手間暇がかかっています。
食事だけではありません。電気や水道を届けてくれる人、問屋さんにお店の人、農家の人、漁師さん、大家さん、お巡りさん。
いろんな人の支えがあって初めて生活が成り立っています。また、私たちも買い物したり、税金を払ったり、あるいは働くことで、誰かを支えています。
障害のある人の自立は得てして、親元を「離れ」るとか、「自己」決定とか、他者からの独立性に重きをおいて語られがちです。
でも実際自活して感じるのは、如何に自分の暮らしが周囲の支えがあって成り立っているかということと、人間の暮らしを支えるのが大変かということです。
障害のある人にとって、地域での暮らしが入所施設のそれより自由なのは確かですが、
一見当たり前でごく普通に見える生活も、
維持していくのはそれなりに大変なのです。
頂いたサポートで記事内容の充実、地域で暮らす障害のある人たちの生活を向上に役立つ企画等考えていければと思います。