見出し画像

私のホストファミリーは同性カップル 〜豪州 で LGBTQ について知り、 「人間一人ひとりの価値」について考えた 〜

★今回は2021年3月に卒業したメンバーの留学ブログです★

みなさんこんにちは、SAPAのChihoです^_^

私は2年生の秋学期に半年間オーストラリアのアデレード大学に認定留学をしていました。
アデレードはオーストラリアの南部に位置し、野生のコアラやイルカとも遭遇出来る自然豊かな場所です。

画像1

今日はタイトルにあるように、私が留学中ホストファミリーを通してLGBTについて考えたことについてお話したいと思います

私は女性2人がいるお家にホームステイをしていました。2人はとても仲が良く、友人同士でシェアハウスをしているのだと思っていました。

画像2

ホームステイを始めて間もない頃、2人は私に「私たち、半年後に結婚式があるのよ!だから今その準備でこんな物を作ってるの。」という話を沢山してくれました。
たしかに家中にWeddingと切り取られた可愛い用紙が沢山あり、その時の私は「あ、2人とも結婚式があるのか!同じ時期に結婚式を挙げるほど仲が良い2人なのだなぁ。」と思っていました。

しかしある日、ふと彼女たちからお互いの婚約者の話を聞いたことがない事に疑問を抱きました。さらに、彼女たちの会話でもweddingが複数形ではないことも引っかかっていました。2つの結婚式を同時に挙げるなら、”weddings”と言うはずです。

不思議に思った私はGoogleで「オーストラリア」 「結婚」 「女性」 と検索をかけました。すると、オーストラリアでは同性婚が法律で認められている、ということを知りました。そこでわたしは2人が結婚することに初めて気付くことが出来ました。

彼女たちは本当に仲良しで、2人の仲の良さを見るとカップルであることに全く違和感も無く、むしろ彼女たちの幸せそうな顔見るとこちらも嬉しい気持ちになるほどでした。

2人の存在は、私がLGBTQに興味を持つ大きなきっかけとなりました。

LGBTQとは?
LGBTQとは「L」 レズビアン、「G」ゲイ、「B」バイセクシャル、「T」トランスジェンダー、「Q」クエスチョニングのことです。

みなさんはこのような旗を見たことはありませんか?

画像3

これは色にも様々な種類があるように、人間も多様であることを意味しています。この虹色の旗はLGBTをサポートするシンボルフラッグなのです。

私は留学前から関大で「フランス文化論」や「ジェンダーで読み解く戦争」などの授業を履修し、ジェンダーについて学んでいました。様々なジェンダー、セクシュアリティが存在することや、それを理解する社会をつくる必要があることを頭では分かっていました。それでも当時の私には「結婚=男女」という考えが自然と植わっていました。

日本は世界と比べると、その点でまだまだ発展途上で、LGBTQという言葉も最近は耳にするようになりましたが、同性婚を認める法律の改正はおろか、同性愛者の権利や人権についての議論は欧米諸国と比べて決して多くはないのではないかと思います。そのせいか、性的マイノリティについては「触れてよいトピックなのかすら難しいもの」というイメージがありました。

しかし、私のホストファミリーを取り巻く環境は誰一人として、悪口を言うこともなく、とても暖かくオープンなものでした。ホストファミリーの一人の家族は近くに住んでいたのですが、みんなで式の準備をして盛り上がりました。

また、2人の周りにはゲイのお友だちや、同性婚をした人たちも多くいました。初めは「私、なんだか珍しい環境で生活しているのかな」と思っていたのですが、家族や友人として接していくうちに「マイノリティがいることは特別じゃない」ということを感じられました。それは、人間は十人十色だと言うことを理解出来た瞬間でもありました。

画像4

帰国後も、その感覚を大切にしたかった私はLGBTQについての歴史や実情を知ることにしました。私はジェンダーに関する様々な書籍を読み、セミナーにも参加することで知識をつけました。マイノリティに対する批判や悲惨な事件等を知った現在の私は「なぜ同じ人間が少数派に属するだけで、差別されなければならないのか」という疑念を抱くようになりました。

私は将来的にはアデレードで再びジェンダーについて詳しく研究しようと考えています。なぜなら私が見たオーストラリアの人々や社会は性的マイノリティに対する理解が深く、個人を尊重する姿勢を心から感じられたからです。

留学は私に「人間一人ひとりの価値」について教えてくれる機会となりました。現在ジェンダーは徐々に一般的なテーマとなってきています。それは海を越えた場所での話ではなく、もっと身近なものだと思います。これは男女差別や人種差別に於いても言える事ですが、「男/女だから」「異性愛者/同性愛者だから」「日本人/外国人だから」ではなく、一人ひとりの個人とし尊重される社会をつくるために、私たちは学び、考える必要があるのだと、アデレードでの留学が教えてくれました。

画像5

※この記事の内容・写真の掲載については、ホストファミリーの許可を得ています。

CHIHO(SAPA)